個人的オススメR-指定の客演Verse6選(+番外編2曲)
今日は久々に音楽レビューです。
就活のこと考えすぎたので、ちょっとした息抜きとしてダラダラ書きたいと思います。
今回はタイトルにもあるように「R-指定の客演オススメ6選(+2)」について!
知ってる方はそれな〜と思いながら、知らなかった方はこれもいいじゃんってなりながら見て頂ければ幸いです。
さっそくいきましょう~
※ここでの客演は「Creepy Nuts以外のゲスト出演」という意味で使っているので、梅田サイファーなども含んでいます。ご了承ください。
※当方Hip HopにもCreepyにも大して詳しくないただのラップ好きですので、知識のなさはご容赦ください。
1.トラボルタカスタム
はい、1つ目は「トラボルタカスタム / 梅田サイファーft. 鋼田テフロン(prod. BACHLOGIC)」です。
なぜ1つ目か?
バズったからです。
……。
いや、でも普通にR-指定のこのバースめちゃめちゃ気持ちいいよね。
私はCreepyからRを知ったようなにわかなのですが、最近の客演のフローが多分好みなんですよね。なんていうんでしょう。
小気味よく刻む感じというか。でもずっと早口って訳じゃなくて緩急がある感じなんですよね。それがとても好き。
自分は元々ライム至上主義だったのですが、こういうのを聞いてる内にフローの魅力に気付きました。
実際、このバースも前半はめちゃ韻踏んでるって訳じゃないですしね。
最後の「ドラ息子 ラップすればラスボス」は言える人が少なすぎるパンチラインですね。かっこよ。
何はともあれ、この梅田サイファーラップ上手い人多すぎる。
個人的に真似できないリズム感だなと思うのは、KennyDoesとテークエムですね。
リリックが一番好きなのは、KZ。冒頭ダーウィンからのガラパゴスで落とすのは痺れました。
それでも一番気持ちいいのはRだと思うんですな。これがなぜか。
2.Overall
さて、続いてはこの曲。
「Overall / KEN THE 390 feat.R-指定,般若」です。
これは立派な(?)客演ですね。
私が客演を聞くようになったのは、この曲がきっかけでした。
まずこのバースがやばいのは、全部同じ韻で貫いているところです。
とはいえ完全な踏みではないですが、「平凡な街」から「ベソかかし」までeoaaiを軸に踏み貫いています。(逆にこの長さで完全に踏み抜いてたら硬すぎてダサいまである)
というか、「072」とか「俺の轍」「猫じゃらし」みたいな「一文字一音対応」の言葉だけだと絶対にダサくなると思うんですよね(個人の見解です)
でも、「生存者無し」とか「電動按摩器」って同じeoaaiだけど、情報量というか音に対する言葉の密度が違うんですよね。(「天文学的確率」の濃さえぐいだろって)
これは普通の歌詞でも一緒で、ドーレーミーってメロディに「さーいーたー」って、一音に一文字入れたらのっぺりして童謡みたいになりがちです。でも、代わりに「懸/賞/金」とか「最/強/クラス」とか入れたら英語の子音みたいな装飾が出来て、密度が増すんですね。だからかっこよくなりがち。
……っていうどうでもいい作詞談義は置いといて。
とはいえこのバースはやはりフローですよ。
「ジリジリとした低音で細かく刻むフロー、たまんねぇ!」
ってなったから客演にハマったんだと思います。
なので、当然Creepyの「顔役」も好きです。
あと、これは余談ですが、バースの最後2小節くらい?
このHookに向けて盛り上がるところがマジで好きなんですけど。
アクセントが「タタタタタタタタ」って3・3・2のリズムになってるんですよね。このリズムが個人的に大好きで自分の曲でも使いまくっている。
で、Rは他の客演でもこのリズム使っていたので紹介します。
というワケで番外編「博徒2020」(メンツいかつすぎこの曲)
これも自分のバースの最後、Hookへ向かう盛り上がりの装置として使っていますね。ってか客演でトリ任せられすぎ。
「エントリー2000円から年収一千万円」
ここも部分的にリズムが3・3・2に切り替わってますよね。
いやー、てか見返したらヤバい歌詞だこれも。
なんでこれ選ばんかったんやろって今なってます(知らん)
3.TEENAGE CITY RIOT
そしてこの辺で変わり種「TEENAGE CITY RIOT / ALI feat. R-指定」です。
ラッパー以外への客演は珍しいよね。多分。
しかもラップ以外は全部英語詞。しかも、なんかすごいジャジーな伴奏。
この激むずビートに乗りこなせるラッパーRしかおらん。
異論は認めます(そんなに大してラッパー知らないので)。
何がすごいって特に2番のラップよな。
「え、楽器と共鳴してる?」ってレベルでブラスと同調してる。もはやきもい。1番のフローを途中で突然裏切ってくるのもいい。
いや、でもそれは楽器に従っただけといえばそれまでなのか?もうどっちが凄いのか分からんけど、とにかくすごい(言語化放棄)
あと、恐らくタイアップ先のアニメの世界観に添ってるんだと思うけど、相変わらずワーディングのセンスえぐくないすか。
「伏魔殿」は中国の伝奇由来だし、「苔の蒸すまで」は日本国歌のサンプリング(サンプリングであってる?)だし、「創造主」「七日目」は聖書からの引用だし、で。
マジで広辞苑10冊分だなあってなりました(小並感)
4.Speedin’
さて、お次はこの曲!
「Speedin' / AK-69 feat. MC TYSON, SWAY, R-指定」
これもやばいよなー。まず車がテーマの曲で、無免許にも拘らずスキルでねじ伏せてここに参加してるのが意味わからんくらいすごい。
そして、特に好きなのが後半のフロー。
こういう段々下がってくようなフロー、R好きだよね。
特に今回はちょいメロディアスで、新鮮で良かった。(ライブではメロディ消えてたけど。低くそうだもんな)
あと、「過酷な旅」「八方塞がり」「神の裁き」「納得いかない」「反則ばかり?」「信号は赤に」「加速更に」「教習所あがり」「ハンドルさばき」って
どんだけ踏むねん!!!!
完全踏みでないのもあるとはいえ、6文字(aouaai)をこの4行で9個て。
(もっと正確に言うとaouaaiが6個、aaiだけなら10個踏んでる)
こんなにライムだらけでもフローが複雑だからダサく聞こえないってことなんかなあと。
他にも、「反則ばかり?」とか「脳みそのシワ」とかの裏返すところとかめっちゃ気持ちいい。トラボルタカスタムでも多用されてたけど、これこそテクがないと無理よなあ。
あと、ライブ盤は他の3人がライムで重ねてくれたりしてそれもめっちゃかっこいいので、見てほしいです!
5.I Need
そして流れるように次の曲へ。
先程のSpeedin’でも登場したMC TYSON。
正直ゴリゴリのラッパーはあまり好きじゃないのですが、この曲聴いたら少し見る目変わりました。
というのも、これはRのバースだけを切り取って「このバースいいぞ!」っていうのがもったいないくらい二人の共同作品なんですよね。
前半は普通に一人ずつ1コーラスで分け合うんだけど、最後4小節ずつ2小節ずつ1小節ずつってどんどん細かく二人のパートが切り替わっていく。
これは二人が綿密に打ち合わせしないとできない。
普通に各々好き勝手書いたら歌詞の流れ最悪マンになりますからね。
「あっ、じゃあこの部分にラップお願いしゃす」のひと言では作れない共作なんですよね。それをこうもタイプの違う二人がやってるのがすごいんです。
ただ同郷の同い年では絶対に出逢えなかった二人が、Hip Hopという同じ好きな音楽を通じて同じ曲を作っている。
しかも、彼らはここまで別々の道を歩んできて、10年の時を経て音楽シーンの頂上で再会するんです。
マンガか!
実際「サンクチュアリ」ってRが言うてますけどね。
すごいドラマチックな物語の曲を作ろうぜって最初に決めてたんでしょうね。
二人の対比が分かって、ちゃんと互いの違いも認め合ってる感じがめちゃめちゃエモいなと思いました、まる。
と、締めたように見せてまだ言い足りない!
まず最初のここ。TYSONの歌詞を踏襲してますね。「何もねぇ」だけでなく、「街の平凡なboy」も「団地のGhettoなBoy」とaioeoaoiで完全に韻を踏んでる。
Rってこういう対比みたいなの作るのめっちゃ上手いんだよね。だから二人でバースを分け合う客演マジでいい。
例えばほらCHICO CARLITO との「Shooting Star」とかね。いやこれもやばいんだよね。さすがに二人で仲良く歌詞考えてる訳じゃないだろうから、Rが相手のバース聞いて考えてるんだと思うんだけど。
あれ?俺なんで「Shooting Star」入れてないんだ?(3曲ぶり2回目)
いやこれはむしろHookが好きすぎて入れなかったような……。いやこれもRめっちゃいいから番外編です!(8選にしろよ)
で、話は「I Need」に戻るんですけど(まだあったの?)
「しつこさだけが取り柄」の「柄」がブレスみたいに区切ってるのなんかめちゃよくね!?言語化できないけど気持ちいい。
こういう文字に被せるタイプのブレスは珍しいけど、ブレスをフローに取り込んでることも最近多いような。流行りなのかも知らん。(実は私も今書いてるラップに入れてみてる、たのしい)
最後!ほんとに最後!
「やっかみ妬みならI don't care」からの低音マシマシ刻みフロー大好き(タッピングみたいに言うな)
あ、あと(最後とは?)
っていう最後のここも言葉遊びに長け過ぎ~!ってなりました。
6.それじゃ無理
はあ、音楽レビューってなんでこんなに長くなるの?
今日は6曲、しかも一部のバースしか取り上げてないのに。。(6曲ではないだろ)
というワケで、最後の曲はこちら!
「それじゃ無理 / テークエム feat. R-指定, NORIKIYO & AKLO」
別にランキングじゃないんでアレですけど、これが一番ヤバいと思ってる個人的に。
珍しくRがトリじゃないですね。他の人のバースもやばいですからね。特にテークエム。「リリックと現実が水と油 Hiphopperてかフィクション作家」はめちゃくらった。
でも、Rのバースも超やばい。フローもきもいし、歌詞も誰も止められない感じになってしまわれてるし。どっから言葉にしようか。
まずはフローかな。序盤で言った緩急のある刻むフローが好きって言ったけど、それの完成形?理想形がまさにここ。
(v)は、本来はブレスの記号ですけど、ここでは休符的な意味で付けました。太字は言葉が刻まれているところですね。
ここの対比が、変則的でクセになるんだよなぁ~。良い!
そしてライムですよね。これもまた気色悪いくらいかかりまくってるんだよな。
そもそも冒頭から「10代のラップスター」「チューハイにバッツや」「シュアにマイクは」「10倍希釈」「注釈いらず」「注射器いりますか?」「スーサイドスクワット」「順番に待つ」「集団自殺者」「救済企画」と、
長い間uaiauaの6音を軸に密度の高い韻を踏み貫いているんですよね。怖。
しかも強烈なディスの文脈を通しながらですよ。意味わからんっちゅうねん。
そして、
ここの子音を上手く多用したライムも気持ち悪いくらい気持ちいい。
「快楽」=「か、楽」、「眩んでまう?」=「(ふ)くらんでまう?」の同音異義語も素晴らしいし。
「ゆがめられた」「ゆうがいでんぱ」、「クラミジア」「比べちゃダメ」の子音を揃えている所も素晴らしい。
「ジア」と「ちゃ」ってなんやねんと思うかもしれないが、「ジア」をRはjaに近い発音にしており、「ちゃ」に近づけていることが分かる。
うわああ!
このままだと全文字語ることになってしまうが!語る!!!
だってここからの畳みかけもえぐい。
フローももう次元超えたなってレベルでやばいし、ライムもここだけは完全踏み。
「歌詞の中身ドーピング」は「の」が邪魔だけど、「歌詞」「中身」でaiaaiの要素を持ってるので完全踏みに近い。(俺はこれを勝手に分割踏みと呼んでる(知らん))
そして、ご存じの方はご存じだろうが(そらそう)すごいのは最後の縁語だ。
※縁語とは、和歌で関連する単語を散りばめる的なレトリックのことだ。ラップでは恐らく使わない表現。真似しないでほしい。
まず「原稿用紙」「髪」「紙」「エントリー用紙」「赤紙」「女神」「白紙」とこれでもかという神ラッシュならぬ紙ラッシュ。
しかもそこに色の対比まで加える手腕。
更には「赤紙」の連想から赤髪であるスラムダンクの主人公「花道」まで入っています。こんなけ読んでるだけでも楽しい歌詞あるかね。
情報量の多いRのリリックは本当に満足感あります。
はい!というワケで、「R-指定の客演オススメ8選」でした!
忙しいだろうけど、これからも毎秒客演出して欲しいぜ。もちろんCreepy Nutsの新譜も楽しみにしてるけど。
という訳で私は、疲れたので寝ます。(ここまで3時間)(またも5000字越え)
また来週〜!
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