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デザインがド下手だったハナシ
新卒1年目なのに天狗
大学ではプロダクトデザインを学んだはずが、私のデザイナー人生は紙からはじまった。新卒入社した飲食会社ではメニュー表の中でも期間限定の挟み込みメニューを作ることが大半だったので、グランドメニューを差し置いてその存在に気づいてもらわなければならない。その為、レイアウトの本などでよくある、「余白」「揃える」の概念よりも「ダイナミック感」「インパクト」が重視のものをつくりつづけ、基礎がよく分からないまま感性でデザインを作り続けた。構成も、考え方も何も分かってないまま、かたちになるまで足掻き続ける(工数なんて概念無し)を繰り返し、危険な橋を渡りながらもなぜか社内コンペで先輩を差し置いて1位をとるなどし、完全に天狗状態になっていた。
友達がひとりもいない
当時、九州から単身で関西に就職した私にはひとりも友達がおらず、平日の夜も土日もずっと仕事していた。寂しくなったら2~3ヶ月に一度ペースで帰省した(往復4万)。気づけば一年が過ぎ、この状況のままだとやばいので、人と関わるために毎月近所の公園で開催されているハンドメイドイベントのボランティアに参加することになった。
デザインを任される
私はデザインが出来ることから、イベント当日に手配りするワークショップ案内チラシのデザインをわりとすぐ任されることになった。「自由に、好きにつくっていいよ」と言われた私はその言葉の通り、当時持ち合わせたスキルを存分に生かして自由に作った。公園で行うハンドメイドイベントワークショップのチラシなのに、北極の漂流の上にペンギンがいる、という謎モチーフを大胆にあしらう、コンセプトまる無視のデザインだった。
※情報は2014年のものです。
えらい人に怒られる
当日は、天気もよく、自分のチラシがたくさんの人の手に行き渡る喜びと、イベント自体も楽しく、最高の一日だった。イベントも終了し、心地よい疲労の中、スタッフみんなで行う反省会に参加した。
そこで、その日はじめて会った、イベントをコンサルする1番えらいひとに、私はチラシのことでめちゃめちゃ怒られることになる。
コンセプトに沿ったデザインができていない
何を伝えたいのかが分からない
デザイナーなのに考えの基礎が分かってない
ざっくりこのような内容でそもそもの部分を指摘される。
自分のデザインにわりと自信があった私は、怒られた意味について、はじめて考えた。怒られた内容を自分なりに理解しようとしたが、答えが分かったのか分かってないのかも分からないまま、また怒られたら嫌だ、でも本当にこれでいいのかも分からない、また怒られるかも、そんな恐怖を抱えながら、毎月チラシ作りをつづけた。一度も欠かさずイベントに参加したが、怒られないようになるべくその人の遠くの席に座ったりと、反省会はいつも生きた心地がしなかった。
がむしゃらに2年間続けた
そんな状態で2年間、本業とは別に、毎月チラシをつくり続けた。本業も忙しく、平日は夜中に帰ってクタクタの中、土日はイベントチラシをつくる。最初はなかなかキツかったが2年も続ければ攻略法がわりと分かってきて、つくるスピードも上がり、質も上がってきた。
※情報は2016年のものです。
(これでもツッコミどころ満載でお恥ずかしい限りですが…)この頃になると、コンサルのえらい人にも「チラシ、ええかんじやん。」と褒められることもちらほら増える。気づけば本業の方にもこのチラシで学んだことが生かされ、今思い返せばデザインスキルが自分比で上がった。
好きな業界に転職できた
ハンドメイドイベントに参加して、陶芸や真鍮アクセサリー、木工、身体にやさしいフードに触れ、これをもっと人生の時間に使いたいと思った私はデザイナー職でクリーマに応募し、そのまま東京へ転職することになる。その際のポートフォリオの内容も、このイベントでつくったものを1番はじめに紹介した。
会社で学んだことよりも、遥か多くのことを学ばせてもらった。怒られてなかったら、今のわたしはない。コンサルの方と、イベント関係者の方々には感謝しかないです。
そんなイベントはこちらです。
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