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企業理念を考える過程で会社の器が広がっていく理由

これまでにも複数社で経営者、経営陣と共に企業理念を考えるコンサルティングで入らせてもらったことがある。

毎回議論のプロセスは異なり、出てくる結果も当然違ってくるのですが、いつも共通する結果の状態になるというものがある。

それが

「経営者、経営陣が企業理念を考える/考え抜く過程で、会社の器が広がっていく」

というもの。

企業理念について話す前より、話をして決めた後の方が、経営者も経営陣も、発する言葉の力や重みが違ってくる。

合わせて見ているビジョンや打ち出される戦略や実行への勢いも違う。

この理由はどこにあるのか。思い当たる部分が3点あるので、紹介したい。

①企業理念の3要素に向き合うことで、経営者の思考が深まり、覚悟が決まる

企業理念は主に3つの要素で構成される。

・自分たちは何者か?
・自分たちはどこに向かっているのか?
・自分たちはどうありたい、どんな価値観を大事にするのか?

ミッション、ビジョン、バリューやパーパスなど様々な用語やフレームワークで語られるけれど、どれもこの3つの要素を含む。

企業理念を考える場合は、あらゆる角度から経営者・経営陣がこの要素に向き合うことになる。

中途半端で、今しか見ないなら、思考が深まることはなく、定義も浅く、薄っぺらいものになる。

一方であらゆる角度から物事を考え、自問自答を繰り返した後に出てくる定義は、言葉に魂が乗りかかっているように感じる。

経営者には決めた企業理念の定義を自分事として受け止め、実現するために尽力を尽くす覚悟が決まる。

変える、変わる覚悟を持った経営者こそが勢いの力を得て、本当に物事を変えていく存在になる。

②経営者が視野を広げると、役員、管理職も合わせて広がる

様々な会社を見ていて思うのが、「経営者がどの時点を見ているのか、思考の視野の広さで、会社の器は決まる」と感じている。

企業理念のいいところは見るポイントが直近〜10年後などの遠い未来まででありたい姿を考えるところだと思う。

経営者ができるだけ遠い未来をイメージできた時から、それをどうやって実現していこうか、という意思の力が動き出す。

経営者が5〜10年先の未来を描くなら、取締役は3〜5年先を見る。上長が先を見ているなら、現場の部門長は1〜3年先を見る。

残念ながら、この逆はない。現場のメンバーに「この会社の10年後はどうなっていると思う?」と聞いてみたらいい。おそらく「どうなっているかは分かりませんが、おそらく私はこの会社にはいないんじゃないですかね〜」と言われるのがオチ。

③経営者の思考が深まり、視野・視座・視点のレベルが上がると、総和としての会社の器が広がる

②でも書いた通り、本気で企業理念に向き合うと、会社の未来のありたい姿を見て視野を広げることになる。会社を俯瞰した高い視座から物事を見られるようになる。前後左右、上下などの様々な視点から物事を見れるようになる。

これをやり続けていくことで、経営者および経営陣の視野の広さ、視座の高さ、視点の多さのレベルが上がり、彼らの力の総和が会社に器になる。

つまり企業理念を真剣に考えることで、会社の器は確実に広がっていく、ということになる。

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