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35歳になった今と10年間の総括

私事ではありますが、今日で35歳になりました。気付けば30代も半ばとなりました。来年で相模原へ来てから10年となります。10年になるということで総括すると「思うように結果が出なかった10年」と言えるかもしれません。

相模原に来たばかりの頃の僕は20代半ば。東京に行ったはいいものの、何がしたいのか分からなくて神奈川へと戻り、そこからどういう訳か農業の道へと入り、群馬へ、山梨へと渡った後に代表に拾われて相模原へと来ることになりました。

農業はもちろん、20代半ばでは世の中のことなど何も知りません。夏目漱石の「坊っちゃん」さながらの無鉄砲さだったように感じます。経営危機を迎えつつも、何とかやってこれた気がします。この10年間を振り返ればもちろん、楽しかったこともあります。しかし、振り返れば辛い記憶の方が多いのも確か。自己承認欲求を満たしたいとかそういう訳ではないのですが、代表には何をやっても褒められることはないことも多かった。というよりも、この10年間で認められたことは一度もありませんでした。「一体何のために農業をやっているのだろうか?」と感じたことは一度や二度ではありませんでした。

代表の意向で一癖、二癖強い人間が次々と入って荒らし回っては勝手に出ていっていく繰り返しでもあり、その迷走極まる出来事を目の当たりにして「青い鳥はいない。理想郷もない。代表も世間の人たち同様にいるはずのない幸福をもたらしてくれる鳥を探している。いるはずもないのに」と思ったのと同時に「結局は自分たちで買っている鳥を青い鳥にするしかなくて、理想郷も自分たちで作るしかない」という結論に至りました。もちろん、自分にとっての理想郷が誰かにとっての理想郷だとは限らない。それでも自分が信じる道を行くしかないのだろうと想いを強くさせられます。

こうして書いているとここには書ききれないくらいのエピソードがあることに気付かされます。もちろん、それは日々を生きる皆さんも同じこと。前半は兎にも角にもやってもやっても結果が出るような気もしませんでした。実際に出ませんでした。しかし、立ち止まることも出来ない。相談も簡単にできるわけではない。何故なら何故、結果が出ないのかが自分で言語化出来ていなかったからです。言語化出来ていないものを伝えることは出来ません。伝えることが出来ないから相談もできない。完全にジレンマの沼に嵌まり込んでいた状態でした。そうこうしている内に代表が満を持して入れたOさんが結果的に対立して出ていってしまった。その時に「自分でやらなければもう先がない。誰も期待していなくても俺がやる。失敗したって誰に怒られるわけでもないから」と開き直れた気がしました。その態度にまとわりつくように口調も荒くなってきたりしたこともあって、反発も生んできたでしょう。嫌われたりしたこともあるはず。ただ、そんなことに構っている暇はなかった。ただ、それだけです。

結果として、手前味噌ではありますが、キュウリやナスをそれなりに成果物として出すことが出来たように感じました。もちろん、僕一人の力ではありません。何度も諦めようかと、折れそうにもなりました。けれども、他の農家さんのようにTwitterにああだこうだと書き込んで憂さ晴らしのようなことはしようにも、するだけの体力も気力もなかった。結果的に日記に吐き出すことでメンタルを平衡状態にしていただけでした。日記を書き始めてからメンタルを保つことが出来ているようにも思えます。小さな習慣から、小さな成果からようやく自分を認めることが出来るようになってきた気がします。

人が変わっていくというのは難しいもので、外圧だとか色々と言われていますが、もっとポジティブに変われる要素としては小さくとも成功体験を積むことなのではないかと考えています。その結果として遠くに行けるはずだと。バットも振ったことの無い人物がイチローさんや村上選手のようになれる訳がなく、ピッチングもした事の無い人がダルビッシュさんや大谷選手のようになれる訳が無いように。ボールを蹴ったことのない人が三苫選手や堂安選手、はたまた浅野選手のようになれるはずもない。兎にも角にもやってみるという姿勢が大切なのだろうと今更ながら感じています。

僕自身、今月から新しい働き方になりました。この先がどうなっていくのかは未知数です。しかし、どんな小説もドラマもネタが割れてしまえば面白くも何ともないように、この先が分かってしまったら面白くない。そんな面持ちでこれからを不安はありつつも、楽しんで迎えて行けたらと考えております。最後にはサムネイルに自分が新しい働き方になってから初めて収穫出来た小松菜をアップロードして締めさせて頂きます。

最終的に35歳がどんな歳になるのかは分かりませんが、見えてきたものを、今までとは違う感情も丸ごと抱きしめながら、年齢の終わりの時に「どんな1年だったか」を振り返ることが出来ればいいなと。そう考えつつ、筆を置かせて頂きます。

2022年も残すところ、あと一月となりました。20代の頃のような高揚感はまるでありませんが、それもまた進んできた証拠なのかもしれません。寒い日が続きますので、体調を崩されませんよう、皆様もお身体をご自愛下さい。

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