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「ダメ」という誘惑

ローテンションインストラクターのゆざきよです。

私たちは「だめ」「いけない」の中にたくさん生きている。

「いいよ」というものは世の中、以外に少ないと感じることの方が意識をすると多いのではないか。

「飲酒運転」「器物破損」「公然わいせつ」「重婚」
・・・パッと考えてただけでも色々あるが、常識的に考えても絶対にやってはいけない。

当たり前だが世の中、法と秩序により私たちの安全は確立され暮らしているのだ。
いいか、「ならぬものはならぬものです!(会津藩風)」

【はじめての禁断の果実】

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ふと先日9歳になった娘のことを最近よく考えた。
彼女が3歳くらいの頃だろうか・・・。アイロンビーズというストローを細かく切って固くしたような子供のおもちゃがある。これで色々と遊んでた時期があった。
好きな絵柄にビーズを配置しアイロンの熱でくっつけて完成させる、集中力、忍耐力、指先の鍛錬にもなる知育道具だ。(と私は考えている)

これを娘はじっと静かに見つめていた。
私はすぐにピンときた。

「こいつ。鼻に入れる気か。」

3歳前後だったので言葉は通じるし、なんでもかんでも口に運ぶ乳児期はとうに過ぎている。

「・・・(鼻に)入れちゃダメだぞー?」

娘はそんなことする気なんてさらさらなかったようなスカした顔して縦に顔を振った。

それからしばらく私は家事に没頭してたと思う。
静かだ。

お子さんがいる家庭ならすぐにわかると思うが、普段うるさい子が静かな時は安堵感よりも危機感でしかないことを。

娘がいない。呼んでもいない。

大きな声で呼びかけ続け、ソファの下に潜り込んでいる娘を発見した。

かくれんぼか・・・?

兎にも角にも、安心した。
娘に出てくるように促し、抱き上げると、彼女の鼻筋がおかしい。

あれ?

もともと鼻の高さはお世辞にもあるとは言えない。
でも横に広がりまくり、さらにボコボコしている鼻の娘を私は知らない。

一瞬、何がなんだかわからなかったが、すぐに娘がアイロンビーズを奥の奥!
鼻の両穴に詰め込んたことを理解した・・・。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・!!」

初めて見た娘のいびつな鼻の穴。根元になんか入ってる感。真珠でもなんでもない。そう、まさにそのフォルムはアイロンビーズ。
そして次の瞬間、鼻から血が・・。
そう鼻血である。

幸い、アイロンビーズは筒状になっているので、空気の通り道、そして鼻血も詰まることなくタラタラと流れでていた。

「フン!ってして! フンッ!フンンンン!!!!!!」

必死に鼻の穴から空気を出すようにジェスチャーする自分の努力もむなしく、娘はただ鼻血におののき、泣き出した。いや、あまりの私の必死の「フンッ」におののいたのか。

鼻かみがまだ上手に出来ない娘には「ふん」スキルはなく、ふんを諦め、病院に行こうかと私は息を荒くした。
そんな中、いつの間にか血も止まり娘も正気を取り戻し、憎っくきビーズで遊びだしたではないか。さすがの切り替えの早さに親の私も正気を取り戻した。

とりあえず、しばらくネットで病院を調べたり、ピンセットで取れないか・・・全力でスマホを駆使していたところ、慢性鼻炎の彼女が勢いよく、そう、くしゃみをした。

へぶしっ!!!

呆気なく、そして勢いよく、
ビーズが数個、鼻水に包まれリビングで弧を描いた。

彼女はそれを見て爆笑していた。私も笑っていた。
緊張した現場が一気にドリフ感に包まれた瞬間であった。

笑える話にまとまったからよかったものの、間違えたら彼女は鼻の穴にさらなる穴を複数抱えながら生きていくかもしれないところだったのだ。
悲惨だ。

本当に久々に思い出したが、彼女の鼻は決して高くはないけれど、普通でよかったと思う。

つらつらと書いたが、何が言いたかったかというと、

「ならぬものはならぬものです!(会津藩風)」

ほど、魅惑的で誘惑的な言葉はない。
まさにアダムとイブの「禁断の果実」だ。

3歳の娘にとってはアイロンビーズがまさに彼女にとっての「禁断の果実」だったという話。


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