【日々のあれこれ】製造業に思うこと
わたしのプロフィールでは「製造業を応援する」をしておりますが、実はときどき
・日本の製造業に将来性はあるのか
と思うことがあります。
プロフィールに書いておいて「何言うてんねん!」とお叱りをうけるかもしれませんが、わたし自身がときどき感じていることはまぎれもない事実です。
今回は、そう思う理由について、つらつら思うところを書いていこうと思います。
日本には、規模や経営形態の違いをひっくるめて、約360万社の企業があるといわれています。そのうち、製造業として分類される企業は約38.2万社あります。
この約38万社には、だれもが知っている大手自動車メーカーや家電メーカーもあれば、「下町ロケット」や「陸王」のような町工場とも呼ばれるような中小企業と呼ばれるメーカーまで、規模はさまざま。株式会社もあれば、法人化されていない個人事業主もあります。中には、ベンチャーやスタートアップと呼ばれる企業もあるかと思います。
この中で、特にわたしが気にしているのは、中小企業と呼ばれるメーカーです。「中小企業」といわれると、いろんなイメージが思い浮かびますが、国では法律上、資本金が3億円以下、従業員数が300人以下のどちらかを満たす企業を「中小企業」として分類しています。その数は製造業で約38万社。国の基準の是非については、いろいろを意見があるようですが、現状では製造業のほとんどは「中小企業」となっています。
そんな中で、わたしが将来性について考えている理由は、大きく以下の2点となります。
理由1:中小のメーカーなしでは、日本の製造業が成立しないこと
わたしは、新卒後、ある東証一部上場の精密機器メーカーでエンジニアをしていました。社内向けの製造設備の装置開発や導入支援を担当していました。装置開発でも、製造設備のつくることでも、そこで出てくる開発アイデアをカタチにしたり、複雑な製造設備をつくる過程で、中小メーカーの力がどうしても必要としていました。当時、いくつもの中小メーカーにはお世話になり、わたしのスキルの足りない部分は逆に教えていただくこともありました。いくら東証一部上場の大手メーカーであっても、さまざまな技術やノウハウをもつ中小メーカーがなくては、何もできません。と言い切れると考えています。
そう考えると、国内にさまざまなモノづくりの必要性がある限り、規模の大小かかわらず製造業に将来性はあるのでは、と考えられます。
理由2:海外メーカー。とくにアジア途上国のレベルが向上していること
一方で、一昨年にある東南アジアの途上国に仕事で行かせていただく機会があり、現地の製造業を見せていただく機会がありました。そこで見たものは、日本や海外の大手メーカー製の最新鋭の工作機械を導入し、現地の人材もそういった設備を扱えるようにトレーニングして、現地に進出している日本や海外大手メーカーのサプライチェーンに食い込むよう日々研鑽を重ねている現地の製造業の姿でした。担当者の話によると、品質はかなり向上しているようで、メーカーによっては、調達の際に日系か現地企業かという要素は判断材料にならないこともあるとのこと。
この姿を見ると、日本のものづくりはレベルが高い、と言えるのも長くは続かない。とも考えられます。
日本の製造業は今度、どうなっていくのか。細かい仕事の内容や、提供するサービス内容、取引関係によっても変わってくるのかもしれません。どうなるのか、またわたしも将来性を持たせるにはどんな応援ができるか、継続して勉強し続けなければなりません。
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