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【SS】感想文部/#毎週ショートショートnote

「感想文部にようこそ。」

私の前に並ぶは「感想文部」の部長と副部長そして部員が3名。
新入部員として紹介されながら、なんとも言えない違和感が拭い去れない。

帰宅部で通すつもりだったのに、どこかの部活に所属しないといけないなんて知らなかった。

運動は苦手だから、最初から除外。
改めて囲碁や将棋、カルタなんかを覚えたりするのは面倒くさい。
内申に有利と言われても、課外活動が多いボランティア部なども嫌だった。

そんな時、
『感想文部に入りませんか?感想が思うように出てきます!』
の呼び声に惹かれたわけだ。

感想文が書けるようになるなら、まぁ損はないし、毎週の提出も必要ないとのこと。きっと実質的には帰宅部なんだろう。

「入部おめでとう。」
「あ、ありがとうございます。活動ってどんなことするんですか?」
「今の質問どう?」
私の質問に答えずに、部長が部員に向かって声をかけた。
「いきなり本題から入るのは私は簡潔でいいと思う。」
「僕は逆です。まずは自己紹介をするべきだと思う。」

「え?これなんですか?」
「感想文部だもの。思ったことを文章にして言い合うのが部の主な活動。」

じゃあ遠慮なく

「無理そうなので、退部します。」

(493字)

こちらの企画に参加しています。
毎週開催ありがとうございます。

前回、今回と苦戦中。
長くなりました。
すみません。

ご覧下さり、ありがとうございました。

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