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フリーランス日本語教師〜トライアルレッスンから長期継続へのコツ大放出🐘 Part2〜

1. 生徒さんに寄り添ったトライアルレッスンを

1-1. 自己紹介

はじめまして!こんにちは!
フリーランスで日本語教師をしている「ゆうゆう」です。
毎日、自宅の一室から、日本語のオンラインレッスンをしています。

おかげ様で、長期継続へのコツ大放出Part2です!🐘

Part1はこちら。

Part 2 も よろしくおねがいします!

今年の3月には、ノマドっぽい働き方もやってみよう!ということで、
沖縄に2週間ほど滞在し、現地のホテルやカフェからもレッスンをしてみました。(実は、一番の理由は「花粉症がひどすぎて島に逃げたい」でした💦)

平日の日中はがっつり仕事をして、夜はたまにその辺の居酒屋に行って、週末は観光して、という生活。貴重な経験でした。

Wi-Fiや場所に関して、思い通りにいかないことも多少はありましたが、特に大きなトラブルなく進められたので、自分の働き方について、可能性が広がったな〜と感じています。

時間と場所が自由」という点で、やっぱりフリーランスに転向してよかったな〜と改めて思いました。

さて、フリーランスとして働いている以上、常に生徒さんの数を意識する必要があります。生徒さんの数を増やすためのアプローチはさまざまかと思いますが、そのうちの一つは、「トライアルレッスンがうまくいくかどうか」ではないでしょうか。

Part1で、トライアルレッスンから長期継続につなげるコツについて書きましたので、ぜひよければそちらもご一読ください。

沖縄滞在中もトライアルレッスンを受け付け、無事に新規生徒さんに継続していただくことができました。ノマドチャレンジしてよかったです。

1-2. この記事で書くこと

今回は、前回に続く「Part 2」ということで、トライアルレッスンの更に詳細な事例をご紹介します。

わたしが実際に経験したトライアルレッスンについて、

  1. 「事前のヒアリングで、生徒さんからどんな情報をもらえたか」

  2. 「ヒアリング内容をどうレッスンに反映させたか」

  3. 「当日気をつけたこと」

  4. 「うまくいったこと」

  5. 「改善点」

という観点で、一つずつご紹介していきます。


なお、この記事では、「トライアルレッスン」について、以下のような前提で考えていきます。

  • マンツーマンのオンライン日本語レッスン

  • トライアルレッスンを1回行ったあと、生徒さんが継続するかどうかを決める

  • トライアルレッスンは30分〜50分程度(相手の希望による)

  • トライアルレッスン中に自己紹介、授業体験、レッスンプランの提案や教材の相談、質疑応答などを行う


それでは、早速始めましょう!




2. 事例紹介〜日本旅行のために日本語を学びたい生徒さんのトライアルレッスン〜

それでは、わたしが経験したトライアルレッスンの一連をご紹介します。

今回は、「日本旅行のために日本語を学びたい」という生徒さんのトライアルレッスンをどのように準備・実施したかを書いていきます。

まずは、事前ヒアリングの結果を見てみましょう!


2-1. 事前ヒアリングの結果

ある生徒さん(以下、Aさん)から事前にもらった情報をまとめたものがこちらです。

【日本語の学習経験・レベル】
・独学で教科書(GENKI 1)を3分の2ぐらいやってみた
・ひらがなとカタカナはアプリで練習して読めるようになってきた
・語彙を覚えるのが苦手だと思う

【レッスンを受ける目的】
・半年後、家族で日本旅行をする予定
・現地で日本人と日本語でコミュニケーションを取りたい

【背景・趣味】
・オーストラリア出身&在住、英語話者
・趣味は海外旅行、音楽鑑賞、ハイキング、美術館巡りなど

【その他】
・Preplyで既に別の先生(日本人)のトライアルレッスンを受けたが、話す練習より旅行のフレーズをレクチャーされる時間のほうが多く、自分のニーズに合っていないと思った。
・今使っている教科書(GENKI 1)は、自分に合っていると思うが、それをレッスンでぜひ使いたい!というわけではない。あくまでも、日本旅行のためのレッスンを受講したい。

Aさんのヒアリング結果


このような情報をもとに、あなたならどのようにレッスンを準備しますか?

わたしは、Aさんのヒアリング結果をもとに、基本的な内容(自分の簡単なプロフィール、生徒さんからもらった情報のまとめ、オンラインレッスンの規定など)に加え、以下のことを準備しました。

2-2. ヒアリングの結果の反映

事前ヒアリングの結果がまとまったら、それをどうレッスンに反映させるかを考え、準備を進めます。

-- Step 1. 当日のアウトラインをざっくり決める

今回は、Aさんが50分間のトライアルに申し込みをされたので、

  • お互いの自己紹介

  • ひらがな&カタカナのレベルチェック

  • 旅行で役に立つ語彙と簡単なフレーズの導入

  • 生徒さんの旅行経験をシェアしてもらう

  • レッスンプラン(仮)の提案&相談

  • 質疑応答

というアウトラインで進めることにしました。



-- Step 2. 自己紹介の準備

  • 自分の名前、出身、言語能力、趣味など、基本的なプロフィールを準備する(これは毎回使いまわしてます)。

  • 生徒さんの「日本旅行」という目的に合わせて、自分が国内旅行したときの写真をスライドに貼り付けておく。自己紹介の延長で紹介してもいいし、時間が余ったときにも使える。

  • オーストラリアと日本の地図(フリー素材、手書き、Google mapなど、なんでも可)を用意しておく。生徒さんの出身地について話すときにも使えるし、日本旅行で行ってみたいところ、行ったことがあるところなどについて話すときにも使える。

〈メモ〉
このように、生徒さんの文化的背景や日本を学ぶ目的への共感を見せ、トライアルレッスンがスムーズに進められるよう、また生徒さんが積極的に話しやすくなるよう意識して、自己紹介の内容や仕掛けを準備しています。


-- Step 3. レベルチェックや練習問題の準備

  • 今回は、「カフェのメニュー」という設定で、飲み物や食べ物のイラストをスライドに貼り付け、それぞれの名前も書いておいて、当日生徒さんが読めるかどうかをチェックする。

  • また、同じスライドの空きスペースに、その語彙を一緒に使える簡単なフレーズ(例:___をひとつください。/ ___はありますか? 等)を書いておき、当日一緒に文づくりをする。

〈メモ〉
・このように、ひとつの練習で、生徒さんのレベルチェックと新しい知識の導入ができると、かなり効率がよくなると思います。わたしがいつも意識しているポイントのひとつです。
・また、特に今回は、生徒さんが「語彙を覚えるのが苦手だと思う」「別の先生のレッスンであまり話せなかった」と申告されていました。そのため、語彙だけでなくフレーズと組み合わせて練習するアプローチで、かつ生徒さんがスライドを見れば文が簡単に作れるような仕掛けを準備して、生徒さんの発話を促すことができるよう努めました。


-- Step 4. 生徒さんに事前課題の依頼

  • 事前に「今までに旅行先(日本以外も可)で遭遇したことのあるトラブルや現地で困ったことを思い出して、メモしておいてください。当日、わたしに教えてください。」と相手に伝える。

  • 当日、生徒さんのエピソードをもとに、「そのとき何て言った?」とか「もし同じことがまた起きたら?」といった切り口で、語彙やフレーズを練習する。

〈メモ〉
このように、生徒さんの過去のエピソードや身近な人間関係などを使って、生徒さんが自分事として日本語を練習できるように工夫しています。



-- Step 5. 念のためのストック作成

  • 生徒さんからあまりエピソードが出てこなかったときのために、生徒の趣味をヒントに、美術館やハイキングの際に起こりそうなトラブルをいくつかピックアップし、イラストや会話例を準備しておく(例:美術館の入口がわからない、写真OKかNGかわからない、水を買いたいけど近くにお店があるかどうかわからない 等)。

〈メモ〉
当日、どのようなスピードでトライアルレッスンが進むかが正直読めないので、時間が余ってしまったときや、想定外のことが起きて用意していた練習がうまく機能しなかったときのために、何かしらのストックを準備しておくようにしています。


-- Step 6. 生徒さんの既習文型を確認

  • 生徒さんが使用したことのある「GENKI1」の教科書を確認し、その中から「生徒さんがすでに勉強して習得したはずの」文型をいくつか選んでメモしておく(例:〜てください、〜てもいいですか、〜とおもいます、形容詞の否定形・過去形 等)。

〈メモ〉
当日、このようなメモを手元に置いておき、生徒さんに質問するときに該当文型を使ってみて、定着しているかどうかを確認するようにしています。


-- Step 7. 仮のレッスンプラン作成

  • 1週間に1〜2回ぐらい

  • 基本的な文型としては、半年間でN5の半分ぐらいまでかな?

  • 旅行先で日本人の話が聞き取れるように、敬語のリスニングもおいおい。

  • 毎回のレッスンの冒頭で、アイスブレイク(前回の復習)をする

  • レッスン継続後も、ひらがな・カタカナのクイズ(トライアルレッスン時と同じスタイル)を続ける

  • 毎回、何かしらの旅行場面を設定し、それを中心に練習する。

  • 毎回のレッスンの終わりに、次回のレッスンで扱う場面を設定し、その場面で言いそうなこと、言いたいかもしれないこと、日本人に言われそうなことを、お互いに準備して当日共有しながら練習する。

  • 当日話す中で、「これは改めて練習したほうがいいな」と思う文型があれば、「GENKI1」の練習問題も必要に応じて使う。

〈メモ〉
こちらでガチガチにプランを決めすぎても窮屈だと思うので、まずは大枠だけを伝えるようにしています。生徒さんの意見も取り入れながら、最終的にいっしょにレッスンプランを作っていきます


以上、わたしが実際にやったことを書き出してみると、

  1. 当日のアウトラインをざっくり決める

  2. 自己紹介の準備

  3. レベルチェックや練習問題の準備

  4. 生徒さんに事前課題の依頼

  5. 念のためのストック作成

  6. 生徒さんの既習文型を確認

  7. 仮のレッスンプラン作成


という、7つのステップがあることがわかりました。
(自分で書き出してみて初めてわかりました😄)。

これは、どんな生徒さんが来ても使える枠組みではないかなと思います。

では、実際にどんなトライアルレッスンになったか、ということについても振り返っていきます。


2-3. 当日気をつけたこと🤔

  • 生徒さんの目的が「旅行先で日本人とコミュニケーションをとること」なので、トライアル当日も、できるだけ日本語だけでコミュニケーションをするように心がけた。どうしても難しいときだけ、英語も使用した。

  • 生徒さん自身が話す時間をできるだけ増やすために、こちらが話しすぎないよう気をつけた。


2-4. うまくいったこと🙆‍♂

  • 用意した内容は、50分間のトライアルにちょうど収まる量だった。

  • わたしの国内旅行の写真に興味を持ってくれて、その流れで自分の行きたいところを話し始めてくれた。用意しておいた地図も効果的に使えた。オーストラリアの有名な観光スポットについても教えてくれた。

  • 生徒の過去エピソードがシンプルなものだった(例:トイレはどこですか?、Wi-Fiスポットはありますか?など)ので、ストックを作っておいてよかった。

  • ひらがなとカタカナは、本人の申告通り、ほとんど読めていることが確認できた。

  • 用意していた練習問題(兼レベルチェック)も、こちらの想定通り進み、生徒さんの知らない語彙やフレーズがあったものの、その場でどんどん文づくりができた。


2-5. 改善点💪

  • 今回は「旅行中のトラブル」を取り上げたが、これまでほぼ英語圏にしか旅行したことがないらしく、あまり大きなトラブルはなかったらしいので、も少しとっかかりやすい話題を使うのもアリだったかな?(例:飲食店で頼みたいもの、現地で買いたいお土産など)

  • レベルチェックのためのひらがな&カタカナを記載したページについて、わかりやすいようにと思ってイラストも添えたが、イラストに先に目が行って、ひらがなやカタカナが正確に読めなくても言葉が当てられた!ということもあったかもしれない。イラストの使い方について、検討を重ねていきたい。



以上、わたしが経験したトライアルレッスンの事例をご紹介しました。
1人の生徒さんを例にするだけでも、振り返ってみるといろいろと考えることや取り組んでいることがあったなと、改めて気付かされています!


3. まとめ

この記事では、トライアルレッスンの具体的な事例をご紹介しました。

ヒアリングでもらった情報をどう組み合わせてレッスンを準備するか、というところに、わたしのオリジナリティが詰まっていたと思います。

今回は特に、

  • 生徒さんが日本語学ぶ目的

  • 生徒さんが「苦手」だと思っている部分

  • 今までの学習でうまくいかなかったところ

に焦点を当てて、レッスンを組み立てました。

結果的に、この生徒さんにも気に入ってもらえたようで、無事継続が決まりました。そして、嬉しいことに、今でもレッスンを継続いただいています。
小さな取り組みの積み重ねではありますが、継続という形で成果につながるのは有り難いものですね。

これからも、いろいろな生徒さんとの出会いを大切に、その生徒さんに寄り添ったトライアルレッスンをしていきたいです!

始めたばかりのNoteでの記事公開でしたが、Part1では、早速フォローやスキをいただき、嬉しい限りです🙏
継続的な執筆のために、フォローやスキ、サポートいただければ、とても励みになります🙇‍♀

次回もお楽しみに!

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