晴れ時々曇り

恋人が仕事に行くのを見送って

実家から届いた荷物を受け取りにヤマトの営業所に向かった

ビールと書かれた小さなダンボールの中には

たぶんアサヒ6缶とハムが入っている

見なくても何となく分かる


うちの実家は酒屋だ

頂き物のハムを年に数回、ビールと共に送ってくれる

外は寒いけれど、そんなの気にならないくらい心が穏やかになった

今日は新たな一歩を踏み出せそうな気がする


冷蔵庫にダンボールごと突っ込んでオフィスへ向かう

自宅からDoor-to-Doorで30分

僅か数分でもこの時間の電車を克服できそうに無い

ラッシュじゃない

もはやそこはモッシュピット

ライブハウスなら気にならないが

通勤モッシュは勘弁願いたい


今日はどうしても連絡したい方がいる

写真家になると決意したあの日からずっと憧れている雑誌の編集長だ

カメラマンが雑誌などの編集部にポートフォリオブックを見せに行く

いわゆる持ち込み営業をした事が無い

今の時代そういう人も多いんじゃないだろうか

SNSやウェブだけでも仕事に繋がる世の中


自分が受けている仕事の中で『写真』の『撮影』をする案件のほとんどがウェブや商品撮影だ

これが独立2年目の現状

2019年は今の仕事の幅をもっと広げたい

そんなことを思いながらブックを一新した

プリントして見て改めて思う

良い写真たちが揃った

今なら自信を持って見せに行ける


もちろん不安な事もある

ちゃんとプレゼンできるかなとか

緊張して喋れないんじゃないかなとか


写真で伝えられる事があるし

僕は一人じゃない

色んな道を歩いてきた

遠回りばかりだったかもしれない

でもこれまで関わってくれた人たちがいるから今の写真が撮れている

だからきっと大丈夫だ


緊張しながら送信ボタンをクリックし

お昼休憩に向かう

新宿駅から各駅停車の小田急線で友人がやってる代々木八幡 Shelter KUKO cafe & galleryへ

今更ながらタイのお土産に買ってきたアカ族のコーヒーを渡して

来年4月にここで写真展をする予定だから

少し打ち合わせもしようと思っていたのだけれど

積もり積もった話をしているうちに

貸切のお客様が来たので店を後にする

打ち合わせはまた今度だな


いつもならすぐにオフィスへ戻るところだけど

天気が良かったので歩いて渋谷の本屋さんを巡りに巡り

原宿まで行ってVERVE COFFEEで一服

そうこうしている間に某雑誌の編集長からも御返信頂き

来年写真を見てもらえることになりました

2019年は良いスタートが切れそうだ




今日はカメラを持たずにずっと歩いた

写真家だけどそんな日があっても良いと僕は思っている


もしかしたら良い写真が撮れるんじゃないか

とか思うけど最近はあえてその考えを放棄している

自分が見ている世界を

被写体としてどう捉えているかが大切であって

『写真する』ことは『撮ること』では無い



この瞬間も

人はみな何かを選択し

自分の道を歩んでいる


人生の分かれ道は今だ

常に分岐点にいる


その言葉も

その一歩も

未来のどこかに繋がっている

皆様のサポートは、今後の写真展や写真集などの作品制作に使わせて頂きます。より良い作品を皆様のもとに届けられたらと思っていますので、お気持ちだけでも幸せます。