ブロックチェーンの事業は今やるべきでないのか🤔? 世界のブロックチェーン活用
先日、下記のLayerX福島さんのnoteを拝読しました。
以前から福島さんの発信は参考にさせていただいており、今回の事業ピボットのお話も、「真の顧客課題」に根差す素晴らしいご決断だなと感じましたし、とても勉強になりました。
ただ同時に、情報を受け取った方々の中には、「ブロックチェーンはやはりまだ確立された技術じゃないんだ」「事業としての実用化・商用化にはまだまだ遠いんだな」と誤解している人も見受けられたので、今回は正しい認識を持っていただけたらと思い、noteを書くことにしました。(福島さんもそうではないと書かれていますが)
福島さんの昨年のnoteにあるように、すでに世界では、ブロックチェーンの実用化・商用化が、さまざまな領域で確実に進んでいます。そして、その勢いは留まることなく、今年に入ってからその成長は指数関数的に加速しています。特に暗号通貨やNFT市場の盛り上がりが目立ちますが、それ以外にもブロックチェーンを活用した様々なサービス・ソリューションが誕生し、一般の方々にも使われています。
僕は、ブロックチェーンを主語にすることで無意味な議論を生んでしまうのは避けたいと思っていますし、一番大事なことは、顧客の課題解決やユーザー体験そのものだと考えています。
ですが、ブロックチェーンという技術は、今のインターネットと同じように一般の人々に普及し、さまざまな実用価値をもたらしてくれると思っています。
なので今回はあえて「ブロックチェーン」を主語に、あまり業界を知らない方に向けて、ブロックチェーンの「今」をお伝えできればと思います。2021年8月時点におけるブロックチェーンの動向として、ひとつのご参考になると嬉しいです。
ブロックチェーン企業が続々とユニコーンの仲間入り
国内では、ニュースアプリを運営するSmartNewsや、クラウド労務管理ソフトを提供するSmartHRが、時価総額1000億円超えの「ユニコーン」となり、業界を騒がせたことは記憶に新しいと思います。
一方、海外では、ブロックチェーン企業が続々とユニコーンの仲間入りを果たしています。
2021年4月に米ナスダックに11.2兆円で上場したCoinbaseなどの暗号資産取引所のようなビジネスだけでなく、例えばブロックチェーンのデジタルアセット(NFT)の火付け役「NBA Top Shot」を運営するDapper Labsは、 2021年3月に3億500万ドル(約340億円)を調達。その評価額は26億ドル(約2880億円)でユニコーン企業になりました。
他にも、NFTマーケットプレイスを提供するOpenSeaや、暗号資産の物理ウォレットを開発するLedgerなど、現在10以上のブロックチェーン企業が続々とユニコーン入りを果たしています。
また、アメリカの有力VCであるアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、以前から暗号資産領域に投資するCrypto専用ファンド2本を運用していますが、2021年6月に新たに22億ドル(約2400億円)の3号ファンドを組成し、積極的な投資を続けています。
その投資は、Yield Guild Gamesなどのブロックチェーンの"as a Service"にまで広がっています。
このように、世界では依然としてブロックチェーン領域への熱量が高く、顧客やユーザーに実用価値を提供する企業も続々と増えてきているのが現状です。
国内では、CoincheckやbitFlyerなどの仮想通貨取引所のサービスが先行しているため金融分野のイメージが強いと思いますが、海外では多くの非金融分野への応用も進んできています。
その動きがあまり国内に伝わっていないと感じるので、いくつか注目されている海外サービスをご紹介できればと思います。
1. 食の安全を守るトレーサビリティ「IBM Food Trust」
まず、非金融分野の中でも実用的なブロックチェーンの応用が進んでいる領域のひとつが、トレーサビリティです。
IBM Food Trustは、生産から消費までの食のサプライチェーンを可視化するサービスで、米ウォルマートなどの小売流通企業への導入が進んでいます。
これは、ブロックチェーン技術のトレーサビリティと分散型レピュテーションにより、食の安全から、流通の効率化、さらにはフードロス削減といった価値をもたらしています。
2. プライバシーを保護する次世代ブラウザ「Brave」
インターネットブラウザの領域でも、ブロックチェーンが活用されています。
Google Chromeなどの従来のブラウザでは、ユーザーの個人情報が収集され、その情報に対してターゲティングされた広告表示がなされ、プラットフォーマー側が広告収入を得るビジネスモデルでした。
このブラウザの在り方に問題提起し、広告トラッカーをブロックすることでユーザーに安全で高速なブラウザ体験を提供しているのが「Brave」です。
Braveでは、広告を表示するかどうかの決定権はユーザーにあります。広告を表示したユーザーは、謝礼として広告収入の70%をBasic Attention Token(BAT)と呼ばれる独自トークンで受け取ることができます。また獲得したBATは、お気に入りのサイトを支援するための寄付金(Brave Rewards)として活用することも可能です。
2019年11月にローンチされ、2021年2月にはMAUが2,500万人を突破するなど、成長中のサービスになりますが、ここにもブロックチェーンによる情報の秘匿化技術やインセンティブ、決済技術などが活用されています。
3. ヘルスデータを安心安全に共有する「BurstIQ」
(引用元:Healthcare IT News)
ヘルスケア領域においてもブロックチェーンの活用が進んでいます。
BurstIQは、病院での診察や日々の活動データなど、人々の健康に関わる様々なデータを収集し、安全にデータを共有する仕組みを提供しています。
ブロックチェーン技術のスマートコントラクトを活用して、医療のビックデータの中から、どの患者にどの情報を提示するかを自動的に判別するといった実用価値を生んでいます。
またBurstIQは、個人の属性データやモバイルデバイスを通じた日常生活のデータを個人が所有する分散型IDに紐付け、その情報をもとにした予防医療の提供や病気の原因解明などを行う、Lifegraphの構想も持っています。
さらにCOVID-19に対しても、ワクチン供給におけるトレーサビリティや安全性の確保に、ブロックチェーンを活用して貢献しているそうです。
4. フィリピン市民の生活を支えるNFTゲーム「Axie Infinity」
(引用元:NFT Navi)
さいごに、 "ゲームして稼げる" 仕組みを現実のものにした「Axie Infinity」をご紹介します。
これは、ブロックチェーンのデジタルアセット「NFT」という技術を活用し、プレイによって稼げる「PLAY-TO-EARN」という新ジャンルを確立した画期的なサービスです。
保有するゲームアイテムを誰かに貸し育ててもらうことで、両者が稼ぐことのできるモデルを構築し、フィリピンの人々の生活を支えています。
実際にDiscordで行われている貸し借りルームでのやりとり↓
以下のnoteが詳しいので、気になる人はぜひ読んでみてください。
さいごに
今回のnoteでお伝えしたかったことは、ブロックチェーンは未来の技術ではなく、すでに様々な実用化・商用化が進んでおり、実際に顧客やユーザーの課題解決をしているところまで来ている、ということです。
世界と比べると、日本が遅れを取ってしまっていることは事実です。それに追いつき追い越せるように、日本全体でブロックチェーン領域も疑心暗鬼になることなく、顧客やユーザーへの価値提供ができるように頑張っていければと思います。
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