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人の顔を覚えれない問題について

僕はもともと人が好きで人と出会うのが好きで、その人のことを知るのが好きなので、顔と名前を覚えるのに苦労はしないタイプ。

名前や顔からその人の人柄や今考えていることを読み取るのが写真にも生きることなので、あって損しない自分に備わったデフォルトの設定。

これは他の人よりスゴイとかではなく、人並みにはあるだろうと思ってるけど、ごくごく身近な人たちのその「覚える能力」を想像&予想すると、自分のほうが少し高いかもしれない。

僕は小学校の頃から児童会の役員、クラスの学級委員をするようなタイプで、それは目立ちたい目的ではなく、みんながやりたがらないことをやりたい、何かしらやっといたほうがおもしろそう、というホントにたいしたことない理由でそういう役柄にはつくほうでした。

そうすると「ちょっと賢そうな自分」を演じる必要ができてしまって、小学校までは勉強ができるほうだった僕はそのポジションに見合う自分でいることに、疲れながらもそれなりに楽しんできました。

「人の上に立つ」みたいなえらそうな感覚は当時も今もないのですが、顔色をうかがったり、とにかく人のことを「見る」のは小学生の頃から根付いていたような気がします。

隣りのクラスのA君はドッジボールでこういう投げ方をする、
そのクラスのBちゃんは投げられたボールにこういう逃げ方をする、くらいの細かい観察も、興味があったのかなかったのか、していたように思います。
(ちなみに小・中・高と1,000人近い規模の人にあふれていた時代で、顔を見たら名前も知っておきたい、と思うほうでした)


今日の遠征撮影の帰り道、スタッフ岸くんの悩みが「人の顔と名前を覚えられないこと」という話をして、その特殊能力をもらえるなら透明人間になれなくても瞬間移動ができなくても時間を止められなくてもいい、と切に言うのです。

透明人間になれたら、瞬間移動ができたら、時間を止められたら。

どれだけ特殊能力の勧誘をしても、それでも顔と名前を覚えれるようになりたい、と言う。

それって、もし覚えれるようになったら「こんなことに使うんじゃなかったー!!」っていうくらいもったいなくね?というくらい、覚えれる人間からしたらたいしたことじゃないと思っちゃうんです。(ちなみに第二志望は空を飛びたいでした)

人の顔と名前を覚えられないのは、僕たちにとってはまあまあ死活問題でもある。先日写真を撮らせてもらった人でも、初めましての調子で挨拶をしてしまうとか(彼もそこまで重症じゃないと思うけど)、名前が出てこないとか(これはあるらしい)。

責めるものでもないけど、それではせっかくハートとハートでつながってお付き合いしていきたいお客さんと、自らぶちやぶる行為をしていることになる、大げさに言うと。

人に興味がないからじゃないの、とシンプルに言うと、明言はしないもののそうじゃないらしい。とにかく思考回路がそういうふうに実装されていないのであって、悪気はないし、努力もしようとはしてるらしい。

ネットで調べてみたら、「鈴木さんとあれこれ会話をしたときに、その会話と”鈴木さん”という名前の関連性がないから覚えられない」とか、

名前と顔と話したことの複数のことを頭に記録するのは困難、とか、

ごもっともな内容でした。

自分だって記憶力がいいほうではないけど、覚えていたいという無意識の根気だけで覚えているのであって、完璧に覚えれるわけではないし、ド忘れたしときのためにすぐに思い出せるような対策も練っていて、覚えることにも忘れることにも向き合っています。

小学校からそういう人の見方をしていたとか、人を知ることで写真に生かしたいとか、個人事業をすることになってより人のことを覚える重要性を知ったりとか、そういう環境に常にいたから、常に覚えたい人たちに囲んでもらっていたから、必然とそうなっていったんだ、と思います。

記憶力を競うメモリースポーツで日本一の平田直也さんへの取材記事によると、記憶の容量には限界がなく、とにかくその人の情報量を詰め込んでおくとよい、武田さんと出会ったなら「武田信玄→武将→強い?→どっしりしてるから着物が似合う?」など、本人とは全く関係なくても、ワードをたくさん連想しておいて、次に武田さんと会って名前が思い出せなかったとして、

その「武将」や「強い」や「着物」というワードのどれかにひっかかるだけで、「武田さん」にたどりつける、という話がありました。

これに近いことを僕もやっていたのでちょっと嬉しかったのと、記憶の容量に限界がないのは初耳でした。

ま、覚えれるようになって自分へのストレスを減らすのもいいけど、今のままでそれをネタにお客さんや誰かと知り合っていくのもありと思うので、今後の彼に期待。

お読みいただきありがとうございました。


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