#3 会社の課長補佐が辞めた話

昨年のちょうど1年前に、頭抜けて優秀な課長補佐が退職した。その後、3か月後には課長が鬱になり休職して今もまだ帰任しない。そして3月には部長が退職した。そして今月、課長補佐が退職した。

これは私のGr内(課長まで5人)の話。
これまでバリバリ仕事に捧げてきた人たちが離れていく、言わば動乱の時代を迎えた。

ここで彼らが積み上げてきたモノが残された者に対してどのような恩恵があるのかを考えてみた。

そもそも、彼らは20~30年のキャリアを会社で積んできたので、積み上げたものは数知れないはずだし、会社の仕組みにも反映されているほどの年数である。(もはや彼らが作ってきたといっても過言ではない)

その会社を「今」退社する選択に至る背景には、不合理があったに違いないし、私もその不合理さは肌で感じている。

不合理なのは、仕方がない、大きな会社だから。ただこの不合理に巻き込まれて「お客様への届ける価値」を蔑ろにすることに個人には大きな葛藤があり、大きすぎる責任になるのであろう。

結局、彼らは何を積み上げてきたのだろうか?
その自問は、必ず私にも降りかかる。最近では、私の成果をコケにするようになってきた。わずか2年だ。

技術が更新されることはむしろ大歓迎。でも私自身が、彼らが積み上げてきたモノは何だろうと問うている時点で、それは無、あるいはごく小さな一石なのかもしれない。技術の進歩の前では。

ただ、歴史は残っている。歴史は彼らが積み上げてきたモノを無益だと評価しない。これを辿らずして発展はないし、それが我々に残した恩恵であり挑戦すべき難題とし、この1年は活きた歴史を刻もうと思う。

以上




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