私はきっと叩かれる監督

「私に監督をやらせて欲しい」
なんて言うつもりは毛頭ない。むしろ逆。どれだけお金を積まれても首を縦には振らない。

SNSで「理想のオーダー」を書かないのも、一・二軍の入れ替え案を書かないのも、采配批判をしないのもそういう所にある。

昔々、1年だけ所属している草野球のチームの選手起用などを行ったことがあるが、自身の草野球チームレベルですらもう懲り懲りだ。
細かなデータも活用したりしてみたが、選手起用やベンチワークが思い通りになることは少なく、あっても能力の高い人たちの個人技に助けられた部分が大きい。
送りバントに関して言えば、成功率はプロほどではないが戦略として成功率の高いものだったので、結構多用した記憶がある。そう思い返して当時の成績表をひっくり返したら、該当年は32試合で合計16個。所属する連盟の大会6試合で3個なので、まあまあな割合だ。ちなみに他の人が指揮した翌年は29試合で9個、その翌年は30試合で6個と、いかに多かったかが鮮明になっている気がする。

時を戻して2023年。中日ドラゴンズの送りバント多用問題はTwitterを中心にその議論が加熱している。「送りバントは非効率」という統計学上の数字もそれを後押ししている。

その議論を横目にごめんなんだけど、私は【現状の戦力において←ここ重要】終盤僅差ビハインドの送りバント肯定派だったりする。

理由はすっごく簡単で、1点の攻防を巡る場面でバント成功したら、外野のヒットゾーン広くなるから。
外野が若干前寄りの守備体型になって、低いライナーが右中間を破ったら足のある選手ならスリーベースも見えてくるし、追加点のチャンスにもなる。なので、広い球場をホームグラウンドにして、送りバントで得点圏に進めた後に足の早い左打者を代打に送ることは一定の納得感を持っている。
急にホームランがポンポン出るような戦力ではないのだから、今現在できる最良の選択が"ソレ"だとするならば、信念を持って貫けば良いと思う。

もう一つ、いわゆる「左右病」についても私が草野球のチームを率いていたときはその傾向があった。2枚の左投げのピッチャーをリリーフで使える時は中軸に3、4番が続くときなどでよく起用した。
これは草野球特有かもしれないが、中軸を張る右投げ左打ちの選手は経験者の傾向が高く、また左投手との対戦は多くないことから、少しでも嫌がることができたらと思い、そういう起用をしていた。

そういう思考をもってプロ野球チームの監督を率いたら、叩かれるだろうな、と思いながら自分自身の野球観と世の中の野球観を照らし合わせて毎日を過ごしている。


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