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「状況判断」というマジックワード

日本サッカー界で使われている言葉。皆さんは、その言葉の意味を理解せずになんとなく使っていませんか?その言葉を使っておけば問題を改善できると勘違いしていませんか?

その1つが「決定力不足」という言葉です。まずは言葉を因数分解することが必要だと僕は思っています。この場合だと、「決定力が不足している」になります。なぜ決定力が不足しているのか。ただ単に決定機はあるがシュートを外しているのか。そもそも決定機が少ないのか。色々な角度から見れますが、日本サッカー界ではこの決定力不足を数でカバーしようとしがちです。とにかくシュートを打つ。シュートを打つことが最優先。シュートを打って終われ。果たしてそれが大正解なのでしょうか?僕はそうは思いません。宝くじも買えば買うだけ当たる可能性はあります。が、当たる確率は同じです。1つの宝くじが当たる確率が例えば1/100だとします。もう1つ宝くじを買っても当たる確率は1/100で変わりありません。サッカーも同じでシュートをたくさん打てばシュートが決まる確率が上がるわけでは決してありません。

逆に、シュートを打てば攻撃が終了する。なので決まらないシュートは打たない。こういう考え方もできます。どうやって決まるシュートを打つのか。そうやって論理的に考えることが重要です。

そして、もう1つのマジックワードは「状況判断」です。状況判断をしっかりしよう。日本サッカー界でよく聞く言葉です。では、状況判断って何ですか?これも因数分解します。これを因数分解するとどうなるか皆さんは分かりますか?




答えは「状況把握して判断する」です。状況把握とは別の言葉にすると「認知」になります。この「認知」は僕が常に重要と言っているプレーです。例えば、信号が赤か青かを目で見て、止まるか歩くかの判断を僕たちはしています。その赤か青かを見る動作のことを「認知」と言います。

見る事が重要だよ。見てから初めて判断することができるよ。または、見て判断するには知識が必要だよ。知識があればあるほど判断する選択肢がたくさん持てるよ。と、選手たちに伝えないといけません。

その判断するための判断材料や知識は指導者が教えないといけません。何も教えずにただただ「判断を速くしろ!」と言っても判断が速くなるわけがありません。

「自分で考えろ」とも日本サッカー界で言われがちですが、何も教えていなければ何を考えるのか分かるはずもありません。足し算、引き算、掛け算、割り算などを先生に教えてもらって初めて方程式が解けます。サッカーも同じです。足し算、引き算、掛け算、割り算を指導者が教えないといけません。

言葉の本当の意味を指導者が正しく理解して正しく言語化して正しく選手たちに伝える。

リフティング10回できる選手とリフティング100回できる選手どちらがサッカーが上手い選手?

コーンドリブルが上手い選手とコーンドリブルが下手な選手どちらがサッカーが上手い選手?

の問いに対して正しい答えを日本サッカー界みんなが答えられるように。



今更ながら、ゴールデンウィークに僕が指導している選手たちと同じ年齢のアヤックスのアカデミーの選手たちのトレーニングを観た時のことを書きます。

紅白戦前にアップやトレーニングも観ました。トレーニングとトレーニングの間の休憩中にボールを蹴っているところも観ました。

そこで感じたのは、足下の技術は日本の選手とアヤックスの選手でそこまで差は本当にありません。日本の選手の方が足下の技術は高いかもしれません。

でも、紅白戦が始まり観て数分で納得しました。日本の選手はサッカーが下手で海外の選手はサッカーが上手だというよく聞く言葉に。ここまで違うのかと驚きもしました。僕が指導している選手たちと同じ年齢には見えなくなりました。この問題は知っていましたが、自分の目で実際に見れて本当に良かったです。

現代サッカーでは賢い選手、サッカーが上手い選手、サッカーIQが高い選手が評価されるようになっています。評価される選手を生むためには、根っこのジュニア年代からそういった選手を育てる必要があると強く思います。




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