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サッカーは「走らない」方が良い

先日、ヨーロッパ最強のクラブを決める(実質、世界最強)チャンピオンズリーグの決勝が行われました。

フランスのパリ・サンジェルマンvsドイツのバイエルン・ミュンヘン。

フランスのパリは1年前にフランス現地で試合を観たので少し感慨深かったです。

この試合を観てまず感じたのはただただ「スピードが速い」と。

スピードというのは、色々な種類がありますが全てにおいてです。

走るスピード、パススピード、シュートスピード、ドリブルスピード、判断のスピード、切り替えのスピード。

切り替えのスピードに関しては、切り替えという言葉が存在せず、シームレスな状態と表現した方が正しいかもしれません。


また、現代サッカーは判断のスピードが物凄く速くなってきています。

それは、戦術がしっかりしたクラブが増えているからです。

戦術というのは、選手を縛るものでも自由を奪うものでもなく、判断のスピードを上げる為のものです。

しっかりとした決まり事があれば、選手たちは迷いなくプレーする事ができます。

その規律の中に自由が初めて存在します。


そして、試合を観て次に思ったのが「よく走るなあ」と。

これだけ世界でトップオブトップの上手い選手たちが走ったらそりゃ勝てねえわと。

でも、データを観ると実はそこまで走っていませんでした。

走行距離が少ないチームの方が勝つことも多々あります。

というか、少ないチームの方が勝っているパターンが多いかもしれません。

サッカーは走るスポーツと思われがちですが、相手を「走らせるスポーツ」です。

走らされる状況になった時の為に走るトレーニングをしているのではないでしょうか。

こちらは出来るだけ止まってプレーしたい。

なぜなら、走りながらボールを扱うより、止まってボールを扱う方が簡単だからです。

ここで大切になってくるのは、いかに相手より早く良いポジショニングを取って止まってプレーできるかです。

上手い選手は、走ってはもちろんいますがボールを受ける時は止まっていたり減速したりしていることが多いと思います。

メッシやイニエスタなんか基本止まってボールを受けますよね。

かなり前に、僕が指導しているチームでミーティングで「走りすぎだ。」、「頑張るな。」と言った事があります。

それ以降、動かなさすぎてしまう現象が起きてしまいました。

僕の伝え方やその言葉の本質を上手く言語化できなかったからだと感じています。

でも、僕の理想は「走るな、頑張るな」です。

ベンチからそんな言葉が飛び交っていたら周りにいるコーチや保護者の方から「何言ってんだこいつ」と思われちゃいそうですね。

僕はそれぐらい変人で奇人でありたいです。

周りからどう思われようと自分が学んで正しいと思った知識を届けたい。

ただただその想いです。

頑張るな、も頑張りすぎたら前に前に気持ちが行き過ぎたり周りが見えなくなるので、頑張るなと言うぐらいでほど良い感じになるという想いです。

ハートは熱く、頭は冷静に。

頭を冷静にさせる為にはそのような声かけが有効な場合もあるということです。

これも、目的は冷静にさせること。

決して頑張らないことではありません。

冷静にさせる為の頑張るなという声かけ。

手段でしかありません。


自分の周りにいるコーチやサッカーに限らず友人でも、こいつ何言ってんだ?と思うことも少し深く受け取って意図を汲み取ろうとしたら、何か見えてくるものがあるのかもしれませんね。

変人や奇人は貴重です。



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