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未熟な積ん読家

 自分のAmazonの「欲しいものリスト」を見ると、9割9分「本」であった。ざっと数えて100冊はあった。

 私には読みたい本がたくさんある。だけど、読みたい本を見つけるスピードと実際に本を読むスピードが見合っていない。だから読みたい本だけどんどん溜まっていく。

 実際、欲しいものリストに入っている本以外に、買ったけど読めてない本が同じくらいある。つまり私は積ん読家なのだ。

 本を楽しくさくさく読める人に憧れる。ここまでくると私にとって本を読むという行為は、買ってしまった本を消費する苦行に近くなってきている。それでは本末転倒である。

 それでも積ん読することにポジティブな声はある。東京大学大学院数理科学研究科教授の二木昭人教授は『東大教授が語る、東大新入生のための数学ブックガイド』でこのようなメッセージを寄せている。

本は買っても読まないものが多く、いわゆる積ん読というのが多いです。その中で精読するいくつかの本があり、ずっと繰り返し読み直します。

落合卓四郎監修「東大教授が語る、東大新入生のための数学ブックガイド」東京図書、p.183


 要は、積ん読家は、買っても読まない本が出てきてしまうことに引け目を感じてはいけないのである。買いたいという衝動と、実際読むときに読みたいという衝動を別にして、そして、その読みたいという衝動を何よりも大事にしなければならないのである。そうでないと、私みたいに読書が苦行になりかねない。

 まだまだ未熟な積ん読家である私には、このような心掛けを修得するのにきっとたくさんの修練が必要である。いま私が「欲しいもの」は成熟した積ん読家としてのこのような心掛けである。

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