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2022年に絶対に注目したい若手UKバンド4選

昨年も同じタイトルで書いたブログです
今回はアーティストを1つ増やして4選にしました。

Kyoto Kyoto

2021年のUKインディを振り返ればblack midiの2ndアルバム『Cavalcade』の存在の大きさを否定する人はまずいないのかなと思います。black midiはブリットスクール(※)を出身としていますが、専門的なアート教育を受け、知識と実践の中でジャンルを横断しながら、定型的な何かを破壊しながら、独自のパンクサウンドを生み出したバンドだと認識しております。

そうした一つの今のサウス・ロンドンのシーンの象徴を更に拡張するような世代が既にスタンバイしているのかなと、このKyoto Kyotoというバンドの発見から強い予感を受けました。

幽体的なギターと緊張感の張ったドラミングと次第と導かれれる爆発的なカタルシス。black midiから着想を得たalt-Jのような、浮遊感の中に激しく稲妻が走るように展開していく楽曲のダイナミズムにドキドキします。

※ブリットスクール…イギリス政府が1991年に創立したパフォーマンス・アートとメディア教育のみに焦点を絞った無償学校。AdelやKing Krule、Lily Allenなども出身としている。

Cassels

Casselsはオックスフォードを出身に現在はロンドンを拠点に活動するBeck兄弟(Jim:guitar/vocals・Loz:drums)によるデュオ。オックスフォードといえばロンドンの北西に位置し、RadioheadやFoalsといった先進的なアートサウンドで確固たる地位を築いていったバンドを輩出してきたイメージがありますが、Casselsもそうした先人たちに引けを取らないセンスを持つバンドだと感じています。

鈍器で殴るような重い音も鮮やかなノイズの雨も自由なフィーリングの中で同時に演奏されていて、攻撃的なサウンドの中には心地良い爽快感さえ覚えます。Gilla Band(ex. Girl Band 最近バンド名が変更になったようです)のようにギターロックが生むことのできる轟音のカオスをそのままダンスフロアに持ち込んでは身体を揺らさせる。そんなバンドなのではないでしょうか。

このCasselsですが、2017年ごろから作品をリリースしていて、2022年の1月1日には3rdアルバム『A Gut Feeling』をリリース予定となっています。2人での演奏とは全く思わせないパワフルなライブパフォーマンスも魅力的。現段階での認知度は低めな気がしますが、時代が気づかないのには惜しすぎる。

なお本記事のヘッダーはCasselsのアー写を使用しています(イケメン…!)。


Wet Leg

このビデオのYouTube再生回数が本記事公開の2021年11月22日で既に150万再生回数以上。うなぎ上りのブレイクを果たしているものの、まだ『Chaise Lounge』、『Wet Dream』のシングル2曲のリリースのみなので、来年には更に楽しみな存在になっていると予感させるUK南の離島、ワイト島出身のWet Leg。

Arctic MonkeysやFranz Ferdinandが所属するUKのド名門レーベル≪Domino Records≫と突然の契約も納得のポップネス&いきなりの大物感は、1曲の配信リリースもされていない今年4月時点でもSports Team主催のバスツアーイベントにもブッキングされている事実からも確信できます。

Green Man Festivalの出演映像を観る限りLiveも凄く良さそう。キャッチーで軽快な音の鳴りにオーディエンスも完全に夢中になっているって感じが伝わります。今年の11月26日には『Chaise Longue』の7inchも発売されます。来年にはアルバムをリリースしてUKチャート初登場1位を獲得なんて未来が既に見えます。


Blue Bendy

サウス・ロンドンを拠点に活動するBlue Bendyは既に私のこのnoteでも紹介してきた6人組バンドでありますが、2021年にリリースした一連の楽曲で彼らのサウンドの独自性はすごい速さで加速し、本当に面白い存在になってきていると感じます。

若干モリッシー感な雰囲気も漂うVoのArthur Nolanさんの決してナードに振り切らず、アートに燃えた根暗って感じも最高です。根暗は兎にも角にもアートに燃えるべきであるとソクラテス(言ってません)。納得できる作品を作れたとき、ラッキーだったらお金も得られるし、お金を得られなかったとしても悟りを開ける。そしたらまた良い作品が作れるかもしれない。(誰目線だよ)

現行UKインディの雰囲気とは少し外れる感もあってか、このシーンの中で最も過小評価されているバンドなのかなとさえ思っているくらいなので、このnoteに巡り合ってしまった読者の皆さまにもこれを何かのご縁だと思って是非ともこのアーティストをチェックして欲しいです。2022年2月11日にEP『Motorbike』を発売予定。『A Celebration』や『Glosso Babel』を筆頭に名曲をリリースし続けた2021年だったけど、いい加減新しいビデオも作って欲しいところではありますね。



ありがとうございました!

村田タケル

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