村田タケル🍩

村田タケル🍩

マガジン

  • Album Review published on KKV

    KiliKiliVillaのnoteにて掲載を頂いている私が執筆したアルバムレビューをまとめています。

  • T H I R D W A V E R

    メディアではあまり取り上げられていなかったりするような新しい海外のインディーアーティストを紹介していきます。

最近の記事

  • 固定された記事

[Interview]Deadletter ーダンスはビートに対する自然な反応ー

もしshameのように闘志みなぎった激しく鋭い姿勢があり、Yard Actのように観察した世界のグレーゾーンをユーモラスに描き、The Raptureを想起させるダンサブルなグルーヴの海でエネルギーを燃やすバンドがいたら最高だ。そして、それは現行のシーンに存在する。 Deadletterというロンドンのアーティストを知っているだろうか? 上記のバンド像はまさに私が2020年に彼らを知った時、つまり、デビューリリースとなった『Good Old Days』『Fit For Wo

    • Fuji Rock Festival 2024の感想とか

      7月、死ぬほど忙しかった。部署異動してすぐに繁忙期が突入したなか、要領を掴めないままひたすら働いた。1ヶ月の残業時間が自分には未体験ゾーンまで膨れ、ストレスは限界だった。異動前から行くことを決めていたFuji Rockだけはどうしても行きたかったから、このスケジュールだけは死守した。月曜日は休めなかったから日曜日の途中で帰る羽目にはなったけど。 異動してすぐに別の異動を期待できるわけもなく、今の部署に在籍している以上、また、今後の自分の人生を考えるとこれが最後のフジロックにな

      ¥300
      • The Last Dinner PartyだったりMournだったりの雑感。

        最初はXでカジュアルに書こうと思いつつも面倒な何かに絡まれたら怖いなと思ってnoteに書くことにしたんだけど、The Last Dinner Partyについては少し不憫だなと思っているところがある。 自主リリースも無く、インディペンデントな活動期間もほとんど経ずにメジャーレーベルと契約して、猛プッシュされて、お金も投入されて、実際に熱狂を産んでいるけど、常に流動的にアーティストが入れ替わるその業界で、彼女たちに資本があんまり使われなくなったり(それはこれまでにも色んなアー

        • TOKYO&OSAKA, Make It Happen ~Tramhaus来日公演を終えて~

          たまに勘違いをされていることがあるので最初に私の自己紹介をさせて欲しい。まず、私は音楽で生計を立てていない。今の本業は製造業で経理。DJやイベント運営、ライターなどの活動も行っているので、そうした類を本業だと勘違いされる方もたまにいらっしゃるが、普段はあくまで一般企業の会社員。上記の音楽での各活動の収入も多少はあれど、基本は費用の方が多い。 なので、このしがないサラリーマンの私が何故にこのオランダの新鋭ポストパンクバンドTramhausの来日公演を主催することになったのか、

          ¥500
        • 固定された記事

        [Interview]Deadletter ーダンスはビートに対する自然な反応ー

        マガジン

        • Album Review published on KKV
          10本
        • T H I R D W A V E R
          2本

        記事

          42 Most Essential Albums (For me...) of the Year 2023

          42. Lael Neale / 'Star Eaters Delight' 41. Daughter / 'Stereo Mind Game' 40. Wednesday / 'Rat Saw God' 39. Tirzah / 'trip9love...???' 38. feeble little horse / 'Girl with Fish' 37. Beach Fossils / 'Bunny' 36. Vagabon / 'Sorry I Haven'

          ¥500

          42 Most Essential Albums (For me...) of the Year 2023

          ¥500

          [来日公演間近] (Interview)Tramhaus - 巨大な柱が地面に打ち込まれる音が4年間毎日僕のサウンドトラックだった -

          パンデミック禍の2020年に結成されたオランダ・ロッテルダムを拠点に活動するTramhausは日本ではまだ無名な存在ではあるが、結成から瞬く間にヨーロッパのインディーギターロックのシーンから注目される存在となった。実際に早くもThe Great EscapeやハンガリーのSziget Festival等のビッグ・フェスティバルにも出演している事実がバンドの成長のスピード感を物語る。2023年10月19〜21日の期間で彼らの本拠地ロッテルダムで開催されたサーキットフェスティバル

          [来日公演間近] (Interview)Tramhaus - 巨大な柱が地面に打ち込まれる音が4年間毎日僕のサウンドトラックだった -

          School In Londonを辞めるつもりだった

          昨年11月のSchool In LondonでDJ中にそれを決意した。 嗚呼、私は私の敗北の姿を書いてしまった…。 いつからか右肩下がり気味だった動員的にもその日はついにこれまでの最小記録を目の当たりにして、悔しかったけど、自分が打てそうな手も現状はこれ以上思い付かないし、近年取り組んできたSchool In Londonの方向性は貫いていきたい。色んなチャンスもあった気がするけど掴みきるところまではもっていけなかったし、やっと決心できた気がした。 一つだけ最後にやりた

          ¥300

          School In Londonを辞めるつもりだった

          ¥300

          [Review]The Orielles "Tableau"

          "Tableau"とは持ち運び可能な絵画を意味する美術用語らしい。 印象的なカラフルさがあったこれまでのジャケットとは異なり、モノクロームの顔写真。太陽の曲を書いていたアーティストが光から遠ざかった暗黒めいたアルバムを急にリリースしたら誰しもが不安になるが、気付けば大のお気に入りアルバムとして、もっと言えば私的2022年のベストアルバムになっていたんだから不思議なものだ。 夏の夜。海に溶けていく太陽と遠ざかる喧騒。静かに瓶ビイルを飲み干し、微睡みながら繋がっていく世界では

          [Review]The Orielles "Tableau"

          The Best Post Punk In France 2023

          フランスで思い付くアーティストは何か?自分自身もそうだけど、Daft PunkやJustice、M83といったエレクトロミュージック、PhoenixやTahiti 80といった洗練とされたギターポップバンド。もうちょっとインディー寄りだとMelody's Echo Chamberとか。…要するに、表題に掲げているようなパンクミュージックのイメージが少なくとも自分には無かった。 ここ最近、フランスのポストパンクに出会うことが増えたという実感がある。もちろん、アイルランドやUK

          The Best Post Punk In France 2023

          42 Best Albums of 2022

          42   Special Interest / 'Endure' 41   SAULT / 'Untitled (God)' 40   Momma / 'Household Name' 39   Courting / 'Guitar Music' 38   Wu-Lu / 'Loggerhead' 37   Yaya Bey / 'Remember Your North Star' 36   Black Country, New Road / 'Ants From

          42 Best Albums of 2022

          2023年に絶対に注目したい若手UKバンド4選

          文章をサボり続けてしまった最近の私でも、この時期になると重い腰を上げて、この記事を書き起こさないといけない気になってくる。 Deadletter「Gang of Fourの剽軽な怒りやTalking Headsの異質なリズムを燃え上がるポストパンクの緊張感に取り入れ、物語的な快楽のレンズを通じて暗黒面を探求する」とは彼らが彼ら自身を表現した的確な文章。彼らとは、UK北部のヨークシャー出身でロンドンを拠点に活動する6人編成のDeadletterであり、この記事を執筆するにあた

          2023年に絶対に注目したい若手UKバンド4選

          T H I R D W A V E R vol.2

          最近気になった新人アーティストを紹介する連載『T H I R D W A V E R』です。基本的には現時点でメディアではあまり取り上げられていなかったりするような海外のインディーアーティストを紹介していきます。今回で2回目。 Krush PuppiesKrush Puppiesはロンドンを拠点に活動する4人組で、5月6日にキャリア初のEP作品『Love Kills The Demons』を≪Holm Front Records≫からリリースしました。 Krush Pup

          T H I R D W A V E R vol.2

          T H I R D W A V E R vol.1

          最近気になった新しいアーティストを紹介する連載をnoteで始めます。基本的には現時点でメディアではあまり取り上げられていなかったりするような海外のインディーアーティストを紹介していく予定です。 今迄もそういった記事は多かったんですが、タイトルを固定し、連載という形で、月に1度くらいは書けるように頑張りたいです(頑張れなかったらすみません)。 Robocobra Quartet北アイルランドのベルファストを拠点として活動するRobocobra Quartet。 私のツイー

          T H I R D W A V E R vol.1

          今アルバムリリースが楽しみな海外インディーアーティスト3選

          インディーのギターバンドはロックスターの夢を見るのか アンドロイドは電気羊の夢を見るのか。 暴走族は自動運転の夢を見るのか。 レコードDJはオートシンク機能の夢を見るのか。 インディーのギターバンドはロックスターの夢を見るのか。 言わずもがなWet Legがセルフタイトルを冠した4月2日にリリースされたデビューアルバムでUKチャートの1位を獲得したことは象徴的でしたが、インディーのギターバンドが再び少しずづ評価されてきたここ数年の到達地点を示唆していて、その結果には素直に

          今アルバムリリースが楽しみな海外インディーアーティスト3選

          遅すぎる2021年の活動まとめ

          2021年の12月は結婚や引っ越し、転職などのライフイベント目白押しで、なかなか時間を確保できず(言い訳)、こんなタイミングになってしまったんですが、2021年は音楽への携わり方という面で個人的に大きな変化が起きた1年でもありました。 こちらのnoteにその成果(?)をまとめておこうと思い、筆を取りました。 ======================================================= これまでもスポットで案件を頂くことはありましたが、2

          遅すぎる2021年の活動まとめ

          2022年に絶対に注目したい若手UKバンド4選

          昨年も同じタイトルで書いたブログです 今回はアーティストを1つ増やして4選にしました。 Kyoto Kyoto2021年のUKインディを振り返ればblack midiの2ndアルバム『Cavalcade』の存在の大きさを否定する人はまずいないのかなと思います。black midiはブリットスクール(※)を出身としていますが、専門的なアート教育を受け、知識と実践の中でジャンルを横断しながら、定型的な何かを破壊しながら、独自のパンクサウンドを生み出したバンドだと認識しております

          2022年に絶対に注目したい若手UKバンド4選