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脳内限界パズル「路肩の蒲公英」

「お互い両想いの付き合う前が1番楽しいよね!」

って私の好きな人が言う。

そんなこと言うなよって思いながら、
そうだねって返すと、嬉しそうに振り返る君。

どうせ眼中にない癖に。



楽しそうにぴょんぴょん跳ねる彼女は、友達の友達。

人見知りな私でも、友達は多少なりにいる。
ただし、大多数は「知り合いレベル」だ。
彼女は、俺にとって貴重な友達の友達。

学校ですれ違えば、挨拶を交わしたり、授業の前なら、「次の授業って何持ってけばいいんだっけ??」みたいな普通の会話をするレベルの友達。偶然にも同じクラスになったが故の出来事。

もっと仲良くなりたいのならば、
ある程度のきっかけや努力が必要なんだと思う。


知り合いレベルの相手に、
恋愛感情なんて持つのは早すぎるんだ。

うん? いや、撤回する。

人によるだろう。

ただ、好意を持ったのは揺るがない事実。
そんなの、知り合った早さとか会話の回数とかは関係ない。邪魔すんな。

と、1人で考え事していると、

「◯◯くん早く来なよ!!遅いよ!!」
と言われる始末。


そりゃ考えてしまうだろう。

好きな人と2人で帰路についているんだから。
仕組んだのはバレてないだろう。

今日は部活が早く終わり、
もしかしたら会えるかもしれない。

遠くの方から、
彼女が自転車を押してくるのが見えた。

「帰り道こっち?」
「あ、俺と一緒じゃん、途中まで一緒に帰る?」
部長、今日だけは感謝するぜ。

偶然を装った。
軽くOKしてくれた彼女に、俺は少し戸惑う。
すげぇ頑張った。俺。自分を感動してる。

当然、部室で帰る時間を
調整してたなんて言えるはずもなく。

今度のテストの話とか。部活の話でその場をしのぐ。

三叉路。
当然、把握済みなので
ここで別れることは前からご存知な俺。

「あ、こっち?俺あっちだから、また学校でね」

薄くなっていく彼女の姿を見ながら、
帰り道がもっと長くなればいいのになって思った。




学校のチャイムの音が鳴り響く。
今日は部活がある日。

あの人と帰る時間が合うかもしれない日。


私が気になる人は、運動部所属。平日は毎日練習してるらしいし、終わる時間も厳しい部長のおかげで日によって違うらしい。って友達から聞いた。

私の部活は隔日だし、部活がない日はバイト入れてしまってるので、今日は貴重な日。

学校の時は2人だけでまともに話せていなくて、
大人数の中に混じる感じ。
2人だけで話したいんだけどなぁ。

彼がそう思ってくれていたら、いいんだけど。

今日は見かけることは出来るだろうか。
ふと思いながら外を見ていると、
あの人の部活が終わりそうな雰囲気を醸し出していた。

今日早くない?!?!
って内心叫びながら、帰る支度をする私。
このままじゃ置いてかれる時間差。

今日も無理かなぁ。全然時間合わないなぁ。
やっぱり今度一緒に帰らない?って言わなきゃダメ?


多分ダメだろうなって思いながら、
自転車を押していると、彼が部室から出てきた。

一緒に帰る?
って言われた。おっと、私にも春一番かも。
それは考えすぎ。

たくさん気にかけて、話しかけてくれた。
もっと帰り道が長ければよかったのに。

三叉路。
後ろに感じる彼の視線を受けながら、

次、帰りが被ったら、勢いで告っちゃおうかな。
いや。それは早いか。匂わせくらいにしよ。

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