年下君と一緒にいすぎて改めようとする

仕事がピークを迎えたため、年下君と夜遅くまで一緒に残業する日々が続いている。
社内に誰もいなくなってしまうので、一応新人さんだしさすがに放置するのもな……と思い結局一緒にいてしまっている。

必然的に会話も増え、連携も強化され、仕事だけでなく雑談も多くなってなんとなく以前よりは気を許してもらっている感じもする。

本当に話題が増えたし、「お決まりのノリ」みたなものまで出来てきた。
もちろん年下君も立派な大人なので、うまいこと逃げることもできるだろうけど、いまのところ大人しくそばにいてくれている。
(単純に先輩として私から学ぶことも、いうことを聞いておいたほうがいいなと思うこともあるのだろう)

正直、そこに甘えている節がある、私が。

「一緒に作業する時間が多くなる時期だから」
「マンツーマンでしっかり教えたほうが彼の成長につながるから」
「いろいろ相談しながら進めるのが性に合っていると彼にも言われたから」

それも全部事実だか、それよりも

「一緒にいられると仕事もはかどる上に何より楽しいから」

に尽きる。

さらにもともと過保護な性質なのも手伝って、とにかく私は年下君に世話を焼いてしまうのだ。

そしてほぼ独占状態である。
私がいる時はずっと年下君と一緒で、他の人と長話したりしているところを見たことがない。

年下君は基本的に人が好きでコミニュケーションをとることに喜びを覚えるタイプ、らしいので、私がそれを阻害している可能性が大いにある。
(……というのも思い上がりかもしれない、目の届く範囲でのことだから)

よろしくない。

これはよろしくないな、と思った。

だけどつい、仕事で重宝するのと私が癒されるのとでそばに置いてしまう。
置いてしまうというか、そばにいて当然な空気を私が作り上げてしまう。
逃げ場を奪っている。

いよいよ、よろしくない。

よろしくないな……。

ちなみに、きっと「この人俺のことを気に入っているぞ」というのは確実に伝わっていると思う。
私は「ええ、仕事仲間としてのお気に入りね」みたいな顔して振る舞っているが多分「そういうのを超越したお気に入りだろうな」というところまでなんとなく彼は察しているのだろう。

もしも追及されたら私はしれっと否定して受け流してしまう気がするよ。

仕事仲間としてはありがたくも尊敬していただいている様子もあるし、がっかりはさせてくはい。

……ごちゃごちゃ言い訳してしまったが、
私は年下君のことをめちゃくちゃ気に入っているのにそれについて彼が引いてしまうような事態を心から恐れているし、好かれたいより嫌われたくないという気持ちでいっぱいなのだ。

このまま一緒に居すぎると私はますます調子に乗って何かにつけて彼のそばに「いてもいい」理由を探すだろう。

だけどそれはパワーバランス的にきっと、よろしくない。

彼がほかの人と楽しそうにしているところなんて目の当たりにした日には、きっと勝手に嫉妬するんだろうな。
そして「私なんてどうせ」と拗ねるのだろう。
そのあとまたそばにいられる理由を探すかもしれない。

仕事のピークを過ぎたら、私の方が先に帰るなどして「夜遅くまで二人で残業する」シーンを減らすように頑張ってみるか。

過保護になり過ぎないように、物理的のももう少しだけ距離を置いてみたりとか。

ああ、こうやってまたひとりよがりになっていくのか。

懲りないねえ。

今日は年下君の「ふとしたタメ口」をたくさん聞けてとてもとても嬉しかったのに。

彼が隣にいない帰り道、想像するとかなり寂しい。



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