お酒で失ったもの

一般的にアルコール依存症の人は、それまでに数多くのものを失っていると言われます。現実に自分が失ったものをお話します。

1.仕事

一番良く言われるのが仕事ですね。
自分も例外なくいくつか消えてしまった契約があります。
僕は個人事業としてWeb制作をしたり、システム開発をしたりと案件ベースで動いているので数社と付き合っています。

打ち合わせ以外ほとんど出社する義務はないので、急性アルコール中毒による数回の緊急入院(一泊二日)程度なら、特にバレずにこなしていけました。
それも災いしたのですが、大きな入院は2回ほどで今に至ります。

1回目の入院は5日間。家族による強制入院です。
俗に言う個人部屋に監禁されてなにもない日を過ごして半強制的にお酒を抜きました。
この話はすると長いので、また別の話としたいと思います。

2回目の入院は自分から決めました。3ヶ月のアルコール依存症回復プログラムです。この話も何回かに分けてお話します。

仕事に関してはこの2回目の最大の長期入院前に起こりました。というかきっかけの一つになりました。

すでに二日酔いや(実は飲んだまま)打ち合わせに行ったりしていたのですが、バレていないと思い込んで相手先の不信感を植え付けたあと、(本当はどうなのかは知りません。。)

「入院して直したいのでお休みをいただけますか?」と電話で話したら、

「この忙しい時期に休むなんてありえない。契約切るわ。」

の一言で契約解消になりました。

かなり仲良くしていただき、月々の支払いもそれなりにあったところだったので、その当時はものすごくショックで、何度も謝っていたのですが、結果は変わらず。。

その他にも知らないうちに距離が離れていった取引先も居たと思います。明確には言われていないのでよくおぼえていません。。。

2.家族

家族自体はなんとか。というよりかなり恵まれていて、誰も離れていかず支えてくれるばかりでした。

が、末期のときには介護用オムツまで履かせてもらう自体までになり、、、
信用というものは全く無くなってしまいました。

3.自分自身

一番このお話で考察といいますか、考えたことは、自分自身で何を失ったかでした。

アルコール依存症はやっかいなものでして、合併症がかなり多くバリエーションも豊かです。
先日断酒会では腹水が溜まっても飲んでしまって、結局お腹がぽっこり出てしまったまま手術も出来ず、一生お腹が出たまま。という方もいました。
これは実際に立ち会うと衝撃的でした。。。

肝硬変にもなるのですが、身体だけではなく、脳にも直接影響が出てきます。

僕はそこまで致命的(話しができなくなるほど)までは行かなかったのですが、

記憶があまりありません。。。

正確に言うと、アルコール依存症として病院に長期入院(一月半くらい)する前の記憶がほとんどすっぽ抜けてしまいました。

また、今ではちょっと前の家族で出かけた旅行の詳細など言われないと、思い出せなくなりました。

これが直接お酒によるものなのか、普段から記憶していないのを飲まなくなったおかげて、事実として認められるようになったかは正確にはわかりません。

ただこのような状態になる人も多いという話です。

自分の場合は入院後の心理検査(またお話します。)で色々と知能テストを受けたのですが、IQ自体は120位を保っていたので(ちょっと自慢(笑))特に問題なかったと診断をいただきました。

多分短期記憶しかチェックしていないので、長期記憶の部分に障害が残っているかは、そこにフォーカスして検査しないと詳しいことはわかりません。

困っているか?

と言われればNOです。
なんとかメモや、その場の返しでしのいでいますし、家族は辛いと思いますが、本人は嫌な記憶ごと日々抹消しているので、それなりに楽ではあります。

アルコールを接種すると、前頭葉、小脳、海馬などに順に影響が出てきます。
泥酔状態になると記憶自体が思い出せないわけではなく、そもそも記憶すら出来なくなると言われています。

単純な話、それを繰り返していれば何かしら障害は残ってしまうだろうと普通に考えられます。

読んでいただいたあなたには、せめて記憶を無くす位の程度まで飲み続けないようにしていただきたいかな。と。。

そんな簡単にセーブ出来るなら、この記事すら鼻で笑われてしまうかもしれませんが(笑)
事態は思ったよりも深刻かもしれません。。思い出していただけるだけで違うと思いますのでチラッと思い出していただければ。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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