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アルコール病棟の禁断の部屋

うろ覚えなのですが、僕は一度強制入院をしたときに脱走を企てて、あっさり捕まり「隔離部屋」と呼ばれる部屋に3日間幽閉されました。

脱走

お酒を飲みすぎて身体が思うように動かず、ぐったりしていたので家族が心配してくれてアルコール専門の病棟がある精神病院に入院しました。

その時は記憶もあまりなく、、、
気づいたときにはベッドの上。

それなりに元気が出てきてタバコを吸いに行きたいと看護師さんにお願いすると、ここに入院している人はアルコール依存症治療プログラムを受けないと喫煙所へは行けない。ときっぱり。

ただ入院している自分は、当然病院の外はおろか、病棟の自動ドアの先の売店にすら行けませんでした。

あとで知ったのですがこの時は強制入院という方法で、半ば急性アルコール中毒として運ばれてきたことを知りました。

元気が出てきてちょっと一服だけしたい!と言い張ってもダメと一蹴。

さすがに我慢できずにスキを見つけて病院の外へ逃げ出しました。

3分で捕まりました・・・

病院といってもかなり田舎の病院なので近くに隠れられる場所も無く、必死に走ったのですが、病院の敷地をちょっと出たところであっさり捕獲。
それでも抵抗を続けて「飛び降りてやる!」などと過激な発言をしたため、別の部屋に連れて行かれました。。。

何もない部屋

何もない部屋としてどう想像するでしょうか?
そこは窓があって鉄格子がはめられ、枕と毛布と蓋の締まらないトイレがあるだけの部屋でした。

「そこでしばらく居てください。」たぶんこれだけ言われて訳も分からず部屋にいました。

ところがいつまで経っても誰も来ないし、呼んでも来ない。。。

食事が運ばれるタイミングだけ人と話すことが出来たのですが、
「いつ出られるかわからない。」と一点張り。

スマホも時計も本も紙も鉛筆もなく、ただひたすら横になって窓を眺めているだけ。。。

大声をあげようとも、ドア(壁)を叩いても反応なし。。。

意識もハッキリしてきて、いよいよヤバイと気づいたところで誰とも話が出来ない。

入ったのが金曜日で、次の日になって「いつ出られるの?」って聞いたら
「土日は先生が居ないからわからない」と一言だけ。

人権はありませんでした。食事が提供されるだけで、暇つぶしのものは全くなし。

あとから振り返っても何も記憶に残ることは無かったのですが、その時はただひたすら1秒が長かったと思います。

その後月曜になり(なったのも分からない)医師に会って、
「このまま治療プログラムを3ヶ月受けるか、退院するか」と聞かれ病院に居る気力が無くなってしまった自分は退院を決めました。

あとで振り返ると怒涛の5日間位だったのですが、人生の中でこれほどまでに精神的におかしくなる!と危機感を覚えたのは初めてでした。

普通にあんな扱いを受けて病院に更にお世話になろうという気にはならず、一旦日常に戻ったのですが、後日更にひどい状態になりまたおせわになりました。

隔離部屋はおそらく精神病院にはほとんどあると思いますが、いろんな場所を経験した中で、あれより辛い部屋はありません。

教訓

病院に居る時は言うことを聞きましょう。

隔離部屋について

あとから記憶を辿って考えてみましたが、隔離部屋は自殺や自傷行為、または他人に危害与えそうと判断された患者が一時的に入れられる部屋でした。
怪我をしそうと思うものは徹底的に排除され、毛布で首を吊るようなことも出来ません。
ドアも分厚く2重になっており、
看護師さんなどにも接触することは出来ません。
本当に人権もなく、ただの獣扱いになり、落ち着かない人の場合は数週間に渡って隔離され続けるようです。
(ま、そうなったら精神がやられます。ホントに)
無響室というのがあるのですが、あそこに1日以上滞在しているのと同じ感覚だと思います。
時計が無いのは特にきつい。。。

また、入院しているとその部屋に近づくことはあって、中から悲鳴と壁を殴る音が聞こえるときがあります。
本当にホラーです。。。

あの部屋は廃止したほうが良いと思うんですけどねぇ。。いい結果になることはまず無いので。。
ひたすら寝続けたい。という願望があったとしても気が狂うと思います。

ちなみに警察署にある留置場のほうが数百倍マシです。(本も時計も警察の人とも話すことが出来るし、人権は人一倍きっちり守ってくれます。それはまた有料ノートで(笑))

精神病院のあり方が、見直されている世の中とはいえ、まだまだ隔離などの手段は一般的です。みなさまもお気をつけて。。。

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