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学校に行けなかった息子がスラムダンクを観て学校に行けるようになった事


息子が小学校2年生の頃。
もうすこしで冬やすみ。
師走の季節だった。


「がっこうにいきたくない」

息子初の休業宣言。


それまでそんな気配はなかったし、ちょっとこたつで寝てたいよ〜的な感じなんじゃないの?と、そのきもちを最初は楽観的にとらえていたのだけど。

数日たっても、垂れさがった息子の背中をみて、
なんじゃこれは。生き生きエネルギーが吸い取られているではないですか。と、ただ事じゃないことを感じ、
さてどうしよう。
と、ようやく悩みはじめたのだった。


あらゆる質問をしても
「わかんない」
と答える息子に、尋問みたいなことはしたくはなかったけど、原因を探したがる大人たちのモヤモヤは、続いた。


一騒ぎしたものの、わかったことは目の前の息子が元気がないということだけ。


原因の追求はやめ、とにかく息子を休ませて、楽しいと思えることをどんどんやってみよう。と、矢印の向きを変えてみることにした。

もうすぐ冬やすみだ。
思いっきり遊ぼう!と

♦︎

いつもよりスローな冬休み。
朝寝坊をし、お散歩をし、一緒にお菓子を食べる。そんなリハビリ的日常を過ごしていた。

そのうち
「ハンバーグがたべたい」という発言が息子の口から出た。
一緒にハンバーグをつくる。
あ、笑ってる。うれしい。
涙がでそうになった。

そしてある日、
映画スラムダンクを夫と息子で観に行った日のこと。
帰ってきた息子はキラキラした瞳で、
「バスケットボールがほしい」と言った。

その後の冬休みは、
近くのバスケットコートに通う日々。
汗だくになってボールを追いかける息子。


楽しそう。
息子が生きかえった!
ということを感じたのだった。

♦︎

心配だった3学期初日は、バスケットボールとともに登校。
早朝から学校に行き、バスケをする毎日。


3年生になった息子は、あの日から変わらずバスケをしている。
バスケがしたいから学校に行っている。
といってもいいくらいに。


1本の映画が1人の少年を変えるだけの力があるんだなぁという映画への敬意と、
好きなことが彼を救ってくれたんだなということを実感させてもらったできごとだった。


やらなければいけないこと、やっておいたほうがいいこと、色々な事情はあるけれど、
今この子ども時代をめいっぱい楽しむことが子どもたちにとっていちばん大事なことな気がした。


その子の好きなことが、その子を救ってくれるなら、
その子が好きなことをめいっぱいできるような、そんな未来にしてあげたいと心から思った。


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