見出し画像

人生で一度は「好きすぎる」って言ってみたい

「私、マリトッツォが好きすぎるんです」



嘘です。

ごめんなさい。
マリトッツォ食べたことありません。
冒頭から嘘ついてすみません。

「好きすぎる」
って言葉、一回使ってみたかったんです。

よくないですか。
「好き」の上をいく「好きすぎる」ですよ。
個人的なニュアンスだと「だいすき!」より上な気がしてるんです。


「私、海が好きすぎて。ついに仕事辞めて沖縄に移住しちゃったんですよ」
とか言ってみたい。


もう少しコアな路線だと
「私、ごはんつぶが好きすぎて…。
いえ!ごはんじゃダメなんです。ごはんつぶです。
ひとつぶずつ食べるんです。ごはんと、ごはんつぶは一緒?全然違います。月とスッポンくらい違います。」

とか。
こういう

ぜ、全然わかんねぇ…。

みたいなエピソードも良いですよね。


今まで何回かそういうエピソードを聞いたことあって、
その度に
(かっけぇぇぇぇぇ)
と思ってきました


何か一つのものを強烈に好きってなんかいいな。すてきだなって。


私もさかなクンみたいに、自分の大好きなものの帽子をかぶって
言葉までもそれに寄せて生きてみたいなって。


マリトッツォの帽子をかぶって


「おはトッツォ!」
「ありがトッツォ!」


とか言いたい。


それでマリトッツォ専門家として本を書いたり、マツコの知らない世界に出て、
マツコとうまいマリトッツォをむしゃむしゃ食べたい。


けれども

残念ながら
今まで生きてきたなかで
「好きすぎる」
という感情に出会ったことがない。


好き。
まぁまぁ好き。
そこそこ好き。


せいぜいそのくらいどまりだ。
そんな中、知り合いや友人の
「好きすぎるエピソード」をなんとなく羨ましい気持ちで聞いてきた。


私にも何かないかなぁって
ぼんやり自分が好きなものの中で、 
好きの気持ちが強いものを想像してみた。



まず
納豆キムチご飯はどうか。
私は納豆とキムチを混ぜて食べるのが好きで、
それをご飯にかけてよく食べている。
どこが好きなのかと聞かれれば、

ねばねばしていて辛いところ。
あとなんか食感もすき。

と、一言で終わってしまい、
文字からは情熱もさほど感じられない。
食べる頻度もせいぜい週に1回とかだし、

「私の大事な納豆とキムチ、食べたの誰よ!!!」


と家族に怒ったこととかもない。


世の中にはラーメンが好きで毎日ラーメンを食べてるおじさんとか、
パンが好きで3食ともパンを食べているかわいい女子とかいる。


それに比べたら私の納豆キムチなんぞ鼻で笑われてしまうだろう。


「それって、まだ友達レベルじゃね?」

と、恋愛マスターの女友達から言われてしまいそうだ。
恋愛で言うと、「友達として好き」ぐらいなもんだろう。

ラーメンおじさんや、3食パン女子は、
尾崎豊の「I L O V E〜Y O U〜♪」
レベルなのだきっと。
そう。好きすぎる は 愛レベルだきっと。



ギョギョギョ〜  トッツォトッツォ〜



その後クルクル考えてみたものの

納豆キムチご飯は週1だし、
ホタテの貝ひもは奥歯にはさまるので最近食べなくなってきたし、
音楽も好きだけど、NO MUSIC NO LIFEほどでもないし
シソンヌのじろうも好きだけど、上腕にJIROとタトゥーを入れるほどでもない。

正直、これがないと生きていけねぇ!というほどのものがない。


そんな自分が何だが平凡すぎてツマラナイ人間なのかな、とか、突出した才能や強い思いがあったらかっこよかったのになぁとか思ったりしてきた。



しかし「好き」という感情について
恋愛で考えてみると、(また恋愛⁈)
大大だーいすき。チョーアイシテル。
あなたがいないと生きていけない。
サランヘヨ
みたいな好きじゃなくても、


あ〜この人といると心が落ち着くな。
無理しないで生きていけそうだな。
みたいな感情ならあるかもなぁと思った。


実際に今の旦那と付き合って結婚した時は後者な感じだったし、
その後も変わらず最初から今に至るまで老夫婦のような感じで人生を共に歩んでいる。


「好きすぎる」ではないけど、
「心地よい」という感情に近い。


そう考えると、
納豆キムチご飯も
音楽も貝ひもも
私にとっては「心地よい」という感覚に近い気がした。


そばにあると温かい感情になる。
心が落ち着き、穏やかな気持ちになる。
そんな原っぱにいる様な感情でも良いか。
とも思った。

一時は「好きすぎる」 にモーレツに憧れていた私だったが、
結局自分にはそれがなさそうなので、
あきらめて

「5月の原っぱ感」「露天風呂に入った感」「ほうじ茶を一口飲んだあと感」
みたいな感情を増やせるように、日々生活していこうかな。と思った。


こんなかんじ。





とりあえずマリトッツォ、食べてみようかと思います




おしまい

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?