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ミナペルホネンの手ぬぐいを隠す理由


私の母は、なぜか台所にあるフキンを、全て濡らしてしまう。
家に来る度に、台所に立ち、料理をドッサリ作ってくれるのはありがたいのだが、
何故だかいつも全てのフキンを濡らすのだ。
 
『ねえ、お皿を拭くものがないじゃん、何で全部濡らしちゃうの』
 
と母が来る度に言っているつもりなのだが全然直らない。
 
それどころか母は、
雑巾、台拭き、フキンなどの区別がまるでなく、雑巾でダイニングテーブルを拭いたり、
冷蔵庫の中を濡らしたフキンで拭いたり、
台拭きで床を拭いたり、
かなりハチャメチャな事をする。

全ての布をマルチクロスだと思い込んでおり、全ての掃除に兼用するというヤバイやり方を貫いている。
実際に現場を目撃すると、どこか異国の違う文化の方に見える。
 
 
先日家に来た際に、私が大切に使っていたミナペルホネンの手拭いで、台所のシンクをゴシゴシ拭いている姿を目撃し、
私はドラマのワンシーンのように、皿を落とした。
 
なぜ、なぜなのだ。
あきらかに素敵な手ぬぐい、
見てわからないかなぁ。

乾いた素敵な布は母の目につかないところに隠さなければならない。
コソコソお気に入りのミナの手ぬぐいをヘソクリのように隠してみた。(自分でどこにしまったかわからなくなるヤツ)

そしてそんな清潔、不潔の感覚が鬼のように無い母に育てられた私って…。


ガビーン。


完。



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