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『良い気分』が引き寄せをダメにする

はじめに重要なことを伝えますが、心を変えることはできません!

しかし、心は変わります。


これは、同じことのようでとても重要なことです。
辛いことがある、不安がある、悩みがある、コンプレックス、プレッシャーなど嫌な気持ちの時には、それを解決しようとします。

ポジティブ思考とは、まさにその嫌な気分の時に、良い気分になるための方法です。


しかし!
ポジティブ思考が上手くいったことはありますか?
辛い時に、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて成功したためしがあったでしょうか?


恐らく、ポジティブ思考で気分が良くなったことはないはずです。
それは、心には嘘が通じないからです。

本当に大丈夫と思っていないのに、大丈夫と嘘をついても心は本音を分かっています。

そして、悪いことに自分自身への嘘が、心を傷つけていきます。


『良い気分になる』の嘘


これは、最近の引き寄せ、スピリチュアル、波動などでよく言われますが、『良い気分になれば成功する』。

これは、正しくもあり、間違いでもあります。

たしかに、良い気分の時には、とてつもない力を自分に感じます。
直感も閃き、行動もしたくなります。

それは不思議なことでもなんでもなくて、大変なことがあっても、もうすぐ解決できると希望が見えるとやる気が出ます。

試験の時に残り5分と言われれば、この長かった時間が終わると思うと力が湧いて、見直ししたり新たな解答が思いついたり。

夜遅くまで仕事で残って、あと少しで片付くと思えば頑張ろうと思える。


良い気分には、とてつもない力があります。

しかし、心をコントロールして良い気分になることはできません。
これが、引き寄せ難民、または引き寄せによって失敗した人の大きな間違いです。


心をコントロールすることはできない

良い気分には、確かに力がありますが、良い気分になることはできません。

なぜなら、どんだけ良いイメージをしたり、アファメーションしても、本当の自分はそれが嘘だと分かっているからです。


心に嘘は通じません。

だって、良い気分になろうとイメージしたり、アファメーションしたり、楽しいと思っていることをして良い気分になるなら、引き寄せようと『頑張る』必要はないはずです。
良い気分になれば、一生続けたいに決まっています。

なのに、引き寄せの法則が続けられないのは、良い気分じゃないからでしょ?
だから、もっと良い気分になろうと、頑張るんでしょ?


これが、そもそも間違いです。
心に嘘は通じませんから、そもそも心をコントロールするのは不可能なんです。

嫌なことがあった時に、すぐに良い気分になんてなれるわけがないんです。


周りに合わせて、テンションを上げようとすると、後でどっと疲れます。
テンションは、上げるものじゃなくて、上がるもの。
自然に上がるものを、意図的に上げることはできないんです。

良い気分も同じです。
良い気分になれるものではありません。


自分を守れるのは自分だけ

自分の心を意図的にコントロールすることはできません。
なのに、ここでは気分がよくなる方法を伝えます。

矛盾してるように感じますか?
気分が良くなるのは、傷を治すのと同じメカニズムだと思います。

擦り傷とか、切り傷とか。
ほっといても治るでしょ?
人間には、傷を自動で治す力があります。

私たちができるのは、絆創膏を貼ったり、消毒したりして清潔にしておいて、傷が治るのをサポートするぐらいです。
なのに、色んな軟膏を塗ったり、何度も洗ったりすれば、治す力を邪魔してしまいます。

良い気分になろうと頑張るのは、この邪魔をするのと同じことです。
嫌な気持ちになっても、時間が経てば自動で癒えていきます。
それを、もっと早く〜ってやっちゃうと、嫌な気持ちはずーっと消えないんです。

近頃のスピリチュアルブームでは、この良い気分とか、高い波動といったものが先走り過ぎている気がします。

良い気分でいるのは大切なことです。
それには大きな力があります。

しかし、良い気分になろうとすると失敗します。
だから、そういうのを一生懸命勉強している人は、変にテンションが高すぎたり、少し高圧的だったりします。
良い気分になろうと頑張っているからです。

しかし自分を騙しても、良い気分にはなれません。


自分で自分を守る

あなたには、受容力が必要です。
いえ、世界中の皆に必要です。
心理的安全性ともいいます。

自分は大丈夫と思えれば、心は喜びます。

しかし、それを外に求めてはいけません。
誰かに褒めてもらう、美味しいものを食べる、散財する、お酒を飲むなど、自分が安心できる心は外からもらおうとしちゃいけないんです。

たまにならいいんですよ。

でもね、それはリポD飲むようなもので、一時の安心感でしかないんです。
だから依存するんです。
自分の安心感を外に求めているからです。


自分の安心感は、自分の中に作ります。
これができれば、外から安心感を貰う必要がなくなります。
しかし、それはどこにいても大丈夫だ!という絶対的なものではありません。
そんなものは存在しません。

心は傷つきますし、緊張しますし、プレッシャーに負けそうになるし、嫌な気分にもなります。

でもね。
それでも大丈夫だと思えるんです。
自分が、自分でいても大丈夫だと思える力。
傷ついたときに、絆創膏を貼ったり、消毒したりしてサポートする優しさ。
それが受容力です。


セルフ・コンパッション

受容力を身につけるのに必要なのが、セルフ・コンパッションです。
コンパッションとは、思いやりのこと。

『自分を思いやる』ということです。

セルフ・コンパッションの本は色々と出ていますが、ここではどれとも異なります。

セルフ・コンパッションとは、
・自分を励ますこと
・自分を慰めること
・自分を許すこと
・自分を労ること
では、ありません!

なぜなら、上記のような方法は、自分に嘘をついている可能性があるからです。
心は嘘を見抜きます。

なので、思いやる『言葉』、ではダメなんです。
そういう自分への声かけは嘘になる可能性があるからです。

自分がダメだと思っているのに、頑張って偉かったね、なんていうエセ思いやりはダメなんです。
これは人間関係も同じです。
思いやりをもって部下に接しようと、褒める。
それは思いやりを、褒めることだと勘違いしてます。

思いやるとは、思ってあげるだけ。
心の中で言葉をかけるとか、励ますとかじゃなくて、思いやってあげ続けるだけ。

思いやりの言葉とは、思い続けた結果、溢れてくるものです。
こういう声をかけよう、じゃなくて、声をかけたくなるんです。
いくら言葉だけかけても全然ダメなんです。


どうやって思いやるのか?

自分自身の全てのことに対して思いやります。
方法は、あなたが『思いやっているなと感じるだけ』。なぜ具体的な方法ではないのかというと、あなたが思いやっているなと思うのが、正しい方法だからです。

思いやって、心が温かくなるときもあります。
自分への優しさを感じるときもあります。

しかし、それは期待しないで下さい。
でも、徹底的に自分を思いやって下さい。

思いやりは他人に向けるものではないんです。
自分を思いやった結果、他の人にもできるときにするものなんです。
他人を思いやるなんて、無理です。
自分を思いやったときにできる、おまけみたいなものです。


自分自身のすべてのことに思いやってください。
それでいいんだよ。
大丈夫大丈夫。
頑張ったね。
といった、言葉ではありません。
思いやりの心を、自分に向けるだけ。

失敗したときも、緊張している時も、自分に大丈夫って励ましちゃった時も、自分を思いやる心を持つだけ

持つだけです。

あーまた思いやれなかった。
全然上手くいかない。

こうしたこと全てに思いやりの心を持ちます。


バカバカしいと思うでしょ?
でもこれが全部、自己受容になります。
自分はこのままでいいんだっていう安心感です。
失敗しても何しても、思いやりの心を自分に向けるだけ。
本当にこれだけ。

イライラするときも、めんどくさいと感じるときも、泣きたくなるようなときも、思いやるだけ。

安心感は、自分を肯定しても否定しても身につきません。
どんなときも、褒めることもなく、また否定することもなく、ただただそのままで良いと感じ続けた結果身につくものです。

マインドフルネス

自分を思いやり続けるのは、『マインドフルネス』というちゃんと名前があります。
でも、恐らくマインドフルネスに関する書籍を読んでも身につきません。
なぜなら、正しいやり方とか、より早くマインドフルネスを身につけようとしちゃうからです。

すっごい能力ではありません。
本を読むと何にも動じないスゴイ力のように思いますが違います。

むしろ、傷を治すときに、絆創膏と消毒ぐらいのサポートが1番早く治ると気づくだけです。
早くどうにかしようとすることが、1番遠回りだったと気づくだけです。

そしたら、良い気分になることもあります。
でも、それは目的ではありません。
自分を思いやり続ける。
自分の中に否定がなくなります。
自分を傷つけることが減ってきます。
自分が自分であって良いと感じるようになります。
それは『良い気分』以上のものが、自分にあったと気づきます。


引き寄せの法則の、抵抗をなくすっていうのは、こういうことです。

良い気分は、大切です。
それは、良いものです。
でも、美味しいスイーツをたまに食べるようなものです。
毎日食べようとしたら、体を傷つけます。
たまに食べるから美味しく感じるんです。


引き寄せの法則や、スピリチュアルにハマって、実は辛くなってきていませんか?
自分の世界はこれでいいって、自身に言い聞かせていませんか?
たぶんそれは間違っています。

マインドフルネスは、すっごい能力ではありません。
そんなものは、そもそもないんです。

エセ良い気分は、自分を傷つけます。
自分に嘘をつき続けるようなものだから。
少しだけ、ほんの少しだけ幸せになれれば悪くない生き方ができると思います。

セルフ・コンパッションがその力になりますよーに。

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