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実践インナーゲーム『ACTトライアングル』

ここからはある程度インナーゲームを理解し、本を読んでなんとなく分かるようになった人のための内容です。


大まかにインナーゲームとは、頭の中の妨害セルフ1を減らして、セルフ2である本来の自分にやらせる、という方法です。
それが1番自分の能力が発揮され、また物事への理解・学習も早まる方法です。

そして、それに必要なのが『集中』です。
集中することができれば、セルフ1の妨害は減っていきます。


しかし、『どう集中するのか?』。


インナーゲームシリーズでは一貫して、集中に必要なものとして『ACTトライアングル』を伝えています。


私もインナーゲームを実践して、ACTトライアングルに行き着くと感じています。またインナーゲームでの集中を、書籍ではリラックスした集中と言っていますし、私は静かな集中という風に感じています。

集中に必要なACTとは?


Awareness(アウェアネス)・・・知覚
Choice(チョイス)・・・選択
Trust・・・信頼

この3つをとってACTトライアングルと言います。

私は、Awareness(アウェアネス)の知覚が非常に重要だと思っています。


知覚がなければ、成長もありません。

集中は、ものごとへの意識が高まっている状態なので、より理解し体感としての学習が加速します。


知覚が非常に重要ですが、それを説明する難しさも同時にあります。
なにせ、感覚の話だからです。


また、知覚のAwareness(アウェアネス)が重要でありながら、Choice(チョイス)、Trust(トラスト)も同じぐらい重要です。

なぜなら、知覚をより高めるのに、選択と信頼が必要だからです。

なので、ACT『トライアングル』なんだと思っています。


Awareness(アウェアネス)知覚とは?


インナーゲームでは翻訳の際に、Awarenessを『知覚』や『意識』と翻訳するのか迷ったと記載がありました。

それほど、説明が難しいですが、インナーゲームを実践して私は『知覚』という表現が良いと思っています。


なぜなら、『知覚』とは何もしなくても感じているものだからです。
しかし、Awarenessを『意識』と翻訳すると、あえて何かをやらなくちゃいけないように私は感じます。


インナーゲームは、一見何かをする方法かと思いきや、むしろ頑張ることをやめる方法だと思っています。



書籍でも、頑張ることと努力することの違いを説明しています。
頑張るというのは、自分に何かをさせようとすることで、もっとも集中を妨害する行為です。
よりセルフ1の妨害が多くなりやすくなります。
なので、『知覚』という表現が良いと思っています。


『知覚』とは、難しいことはありません。
なぜなら、いつ何時だれであっても、何かを感じないということは不可能だからです。

この記事を見ていますし、周りからは音がしますし、暑いとか寒いとか、痒いとか、このあと何しようと考えているとか、腰が痛いとか、これが全部『知覚』です。
なにもしなくても『知覚』しています。

なので、この能力は、何もしなくても発揮できています。
知覚しないことは不可能です。


そして、Choice(チョイス)とTrust(トラスト)は、知覚の能力を最大限に発揮することができるようになります。


Choice(チョイス)選択とは?


私たちは何もしなくても色々なことを知覚しています。
それから逃れることはできません。

では、集中に必要な知覚とは何でしょうか?


インナーゲームはテニスをベースにしていますので、テニスをプレーしている時を例にします。


テニスをしているときに必要な知覚とは何でしょうか?
ボールに関すること・・・弾道、ボールの位置、ボールの動き等
ラケットに関すること・・・ラケットの位置、ラケットにボールが当たる位置、ラケットを握る強さ、ラケット振る強さ等
フットワークに関すること・・・足の動き、筋肉の使い方、踏ん張り等

テニスをしている時に必要な知覚は、テニスに関することです。
こうしたことを知覚することで、体はどんどん学習していきます。


逆に、テニスをしているときに、暑いとか寒いとか、疲れたとか苦しいとか、美味しそうな香りとか、この後何をするか考えることとか、選手同士の悪口を聞くとか、こうしたことは全く関係ありません。


しかし、私たちの体は何かを知覚しないことはできません。
その時々で色々なことを感じています。


なので、知覚していることから、何をChoice(チョイス)するのか選択しなければなりません。
色々なことを知覚している状態から、今必要なものを選択することです。

それがChoice(チョイス)です。


集中が逸れるときは、必要なものへ知覚ができていないときです。
試合中には、失敗したことや、負けることを心配したり、不安になったり、と色々なことを考えたり感じます。

しかし大事なのは、今必要な知覚を選択することです。


Choice(チョイス)は選ぶだけ


間違っちゃいけないのは、Choice(チョイス)は今必要な知覚を選択するだけです。
そして、知覚とは何もしなくても感じているものです。

決して、より知覚しようと頑張ることではありません。



これは、よくやりがちな集中の方法です。

ボールをよく見るために目をこらしたり、よりラケットの振り方を意識しようとしたり。
これは、Choice(チョイス)ではありません。


なぜなら、頑張らなくても知覚しているものだからです。
目を開けている限り、ボールは見えています。
目を閉じない限り、ボールは見えます。
また、目を閉じてもボールの音は聞こえます。
耳を閉じない限り、ボールの音は聞こえます。

どうしたって、ボールに関する『知覚をしない』というのはできないんです。


Choice(チョイス)とは、ボールを打つ時にも色々なものを感じている中で、どの知覚を選択するのかだけです。
繰り返しますが、より知覚しようと努力することではありません。


それには、今自分が何を知覚しているのか感じてみることです。
なにもしようとしなければ、嫌でも知覚が鋭くなります。

その感じている中で、どれを今選択するのか、というだけです。


とても簡単です。
そして、とても難しく奥深いです。


知覚は逸れてあたりまえ


ここまでは、集中するのには知覚が重要で、今必要な知覚を選択することで、集中することができるようになってきます。

しかし、例え知覚を選択したとしても、その知覚は逸れてしまいます。


なぜなら、どれだけ選択したって、感じることを止めることはできないからです。
目の前のボールに知覚を向けることを選択しても、色々なことを考えてしまったり、気になる話が聞こえてきたり、気になる人がいたら目で追ってしまったり、常に色々なことを知覚していますから、別なものに意識がそれてしまうのは仕方がありません。


意識が逸れたら、また元の知覚に戻ることを選択するだけ。
集中とは、常に逸れた知覚を元に戻すことの繰り返しから生まれるものです。


しかし、知覚することが重要だと思うと、どうしてもその1点だけ意識を向けようと頑張ってしまいます。
集中しようと力が入ってしまいます。


なぜTrust(トラスト)信頼が重要なのか?


意識が逸れないように力が入るのは、私たちは常に色々なことを知覚しているからです。気になるものへ意識が逸れてしまうのは仕方がありません。

それともう一つ、Trust(トラスト)自分を信じることができないからです。

それは、何か頑張らなければ自分はできない、という自己信頼の欠如です。これは、力が入ってしまうのはTrust(トラスト)ができてない、というものだと思ってください。


自分はできると信じている!と思っている方もいらっしゃると思います。
しかし、頑張ろうとしているときは自己信頼できていません。

それは、集中しているときが自分の能力を発揮できると信じることでもあるし、ACTを大事にすれば集中できると信じることでもあります。


その集中を強制的に起こすことはできないし、より早く目的を達することもできない、ということです。
ただ、自然に任せ、強制せずに自身にやらせているときの成長が一番早いということを信じるということです。


これができないと、意識が逸れないように力が入ってしまいます。
頑張らないとできない、と思っているからです。


そして、面白いことにTrust(トラスト)を伸ばすには、Awareness(アウェアネス)とChoice(チョイス)を大事にしていくことが必要になります。
そしてTrust(トラスト)が伸びてくると、Awareness(アウェアネス)とChoice(チョイス)が伸びてきます。

それぞれのAとCとTがうまく噛み合って、集中状態に近づきます。


集中を強制することはできません。
私たちにできるのは、集中できるように導く姿勢です。


インナーゲームは自己批判からの解放


セルフ1は、色々と自己不安にさせてきます。
ACTトライアングルをしているときも、この方法で大丈夫だろうか?と心配になります。

なぜなら、セルフ1が多いときは、頭で正しいかどうか判断します。

このやり方はダメだからこうしよう、これでいいんだよくやった、この方法が自分には合っているんだ。
こうやって判断し続けています。


しかし、インナーゲームはこのやり方を放棄します。
『危険を察知して勝手に動いた』こういう状態を、インナーゲームは危険がない中でも、自分の本能にやらせるという方法です。
何が必要か、何が正しいかは、頭で判断しなくても自分自身は分かっている、だからそれに任せます。


正直なところ、その時に何をするのが良かったのか、というのは分かりません。
その場では良かったかもしれませんが後になって悪くなることもありますし、その時は悪くても後になってそれが良かったということもあります。
失敗は成功のもと、なんていいますが、何が失敗で何が成功かはその時々で変わります。

どうしたって頭の判断には限界があるということです。


インナーゲームを実践すると、そうした判断含めて潜在能力には不思議な力があるのを感じます。
そして、これは凄い!と感じるとそれを使い続けようと頑張り、セルフ1の妨害が始まります。

なので、セルフ1による物事を判断することを避け、ACTトライアングルを淡々と実践していくと、静かな集中という状態が続きます。
この状態はとても楽です。


私は、インナーゲームは望む自分になるための方法のように感じています。
それは何も大きな目的を達成するためだけでなく、日常的にやりたいと思っていることや、やめたいと思っているようなことにも役立つものです。

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