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ステージ制導入から1年間の軌跡

ちょうど1年前、チャーンリスクを定量的に正しく計測し、それを元にしたカスタマーサクセス活動を行う指標としていくべく「ステージ制」という理論を打ち出し、外部に公開させていただきました。当時は「これからこんな仕組みでうちは頑張っていきまっせ!」という発表だったのですが、実はこの施策、1年間で素晴らしい成果を上げ、とはいえ役目を終えるときがやってきましたのでその辺りをブログにしてみようかなと思います。

そもそもステージ制とは

ステージ制に関しては実は資料を公開しておりまして、概要からその作り方までを詳しめに解説していますので、詳しく知りたい方は下記の資料をご覧いただければと思います。※スライド中、「HRMOS採用管理事業部」とありますが、現在は「HRMOS採用事業部」が正しいです。

が、リンク見てくださいというのも乱暴ですので、簡単に概要だけ下記にご説明させていただければと思いますw

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ステージ制とは、上記のようにユーザーを利用率やコンタクト状況などいくつかの指標を元に4つのステージに分類する仕組みです。ユーザーの契約終了タイミングで継続してくださったのか解約になったのかの実データと、そのタイミングでどのステージだったのかを、定期的に集計・分析することで、ステージごとの継続率を算出することができます。現在の全ユーザーのステージ比率と上記のステージごとの継続率を掛け合わせると未来予測をすることすらできます。※図中の想定継続率はイメージです。

ステージ制のメリットとその評価

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メリットは上記の3つ。それぞれ評価をすると、

1.注力顧客が明確に!
弊社の場合は初期はオンボードステージのユーザーさんが非常に多かったです。そのため、オンボードステージのユーザーをアクティブステージに上げていくために専門チームの組成を行い、結果、全ユーザーに対するアクティブステージ以上の割合は30p近く改善するという結果を出すことができました。

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2.継続率予想が可能に!
これは弊社の中でもものすごく大きかったメリットです。
実数字を公開することはできないのですが、下記のスライドの通り、公開当初から直近の継続率に関しては予測通りの着地が確定しているとお話ししておりました。これは逆に言えば、未来まで継続予想が立つことによって事前に対策を講じることができるということ。こちらも実数を明かすことはできないのですが、公開直後から11月以降の契約終了ユーザーに対してしっかりと活用提案を行うことで、8月〜10月の継続率はほぼ予測通りに落ち着き、11月以降の継続率に関しては予測値から大きく改善することができました。感覚的にも実際にActiveステージに達していないユーザーに関しては今一歩活用が進んでおらず、解約リスクにCS担当が気づいていないケースも存在しましたので、その点も加味すると効果は絶大だったと言えます。

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3.CSの活動がシンプルに!
当時CSチームがユーザーに対して行っていたアクションは
・日々のHRMOS活用促進の提案活動
・NPSサーベイの回答依頼と回答に対するフォロー
・ユーザー会の集客と登壇依頼
・HRMOS活用事例の収集
・契約終了に伴う継続提案活動
などなど非常に多岐に渡るものでした。ですので、日々何らかのアラートがメンバー間で飛び交い、全てのアクションを完遂することは非常に難しかったのです。
対して、ステージ制では各ステージアップの条件にこれらのアクション結果が組み込まれていますから、例えば「○件のユーザーをロイヤルステージに!」と目標設定をし、各ユーザーがどうすればステージアップするのかの情報をまとめておきさえすればメンバーが個々の判断によってアクションの優先順位を判断をしてそれぞれの活動を行い、結果それがステージアップ、つまりは継続率のアップに直結する仕組みとすることができました。
※下図は初期の各ステージの定義

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ステージ制を支えたメンバー達の努力

実は一口に「ステージを上げてきて!」と言ってもその活動はなかなかに大変です。例えばアクティビティスコアの要素の1つである、「目標設定レポートを利用してもらう」という項目をユーザーに達成してもらうことを例に考えてみましょう。既にご想像に容易いかなと思うのですが、「この機能を使ってください!」とただただ説明してもユーザーのオペレーションにそれが組み込まれていなければ間違いなく使っていただけないですよね。。。
なので弊社では「目標設定を正しく利用することでいかに採用成功に繋がるか」というノウハウをお伝えするところからご提案をさせていただいております。このように1つ1つの機能を何のために使うのかを訴求するための、俗にいうプレイブックを整えてきたことがステージアップを促進しているのです。
いくらモニタリングの仕組みが整っていたとしても、ユーザーの行動変容を促す活動方針もセットで整えていかないことにはスコアの改善は測れないのです。いきなり生まれたこのステージ制という仕組みを信じて支えてくれたメンバー達には本当に感謝しかありません。

ステージ制は万能か?

ここまでの話を見ていただくと、結果としては非常に良い形に運用されてきたと感じていただけるのではないかと思います。が、実はこの結果に至るまでにはなかなか大変なこともあったことも事実です。

1.ステージ情報を分析し続けるのは結構大変
弊社はカスタマーオペレーションチームという分析専門部隊を組成しました。このチームの活動が実はステージ制の維持・改善に大きくバリューを発揮しています。
2.ステージ要件とユーザーアウトカムの整合性を保つのはかなり大変
こちらはステージ制を突き詰めてきたからこそ出てきた課題。冒頭で書いた「ステージ制が役目を終える」というのはこの課題が入り口になっています。

これらの課題に関しては今回のnoteの反響次第で次回また書かせていただこうかなと思っておりますw
最後までお付き合いくださりありがとうございました!

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