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子どもたち3人の小さなものがたり

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3人の子どもたちとの日常。その日に起きた些細だけど印象に残った、小さなものがたりを綴ります。
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記事一覧

クリスマスサンタミッションに想いを馳せる

朝起きると、枕元にプレゼントがある。ファンタジーが大好きで魔法少女になることを夢見ていた私にとって、クリスマスの朝は物語の世界と現実がつながる日だった。 自分が子どもを持ったら、サンタさん役をすることは何よりの楽しみ。子どもたちが寝静まったあとに、息をひそめてこっそりツリーの下にプレゼントを並べる。 この記事も、息をひそめながら書いている。 なぜなら、中1、小5、小2のピュアすぎる3人兄妹は、いまだにサンタさんを信じているらしいからだ。友達や外部情報から、もう信じなくて

娘のダンス発表会と母の幼馴染

娘が6月から通い始めたダンススクールでの初ステージが、地域一番?!の規模のお祭りだった。(公式HPを見たら、2日間で22万人来場したとあった。やっぱり首都圏は規模がちがう。) 普段はおちゃらけてノリノリの娘は、本番前から「緊張するなあ」と話していた。ステージはトラックが広がって舞台になるタイプで、駅前の道路にデーンと立つ。娘たちの前に地域の幼稚園の年長さんが和太鼓を披露していて、お客さんもかなり多い!ダンススクールのときも人が減るかな?と思いきや、ほとんど減らなかった。

離島から埼玉に引っ越して3ヶ月

4月からの3ヶ月間は本当に怒涛だった。離島で暮らしたいながら、子どもたちが不登校状態になり、長男は中学受験をすることに。進学と引っ越し、下の子たちの転校でドタバタ中のドタバタだった。 引っ越してきて、予想通り、下の子2人はやっぱり不登校がちに。でも、フリースクールや習い事、新しい学校の友達や先生など良い出会いもたくさんあって、色々な人やことに感謝する日々でもあった。夫は単身赴任中だ。それも、離島に。子ども達のフリースクールの送迎や、家のことをしながら在宅で仕事もしていたこの

南の島のクリスマス【島暮らしと不登校の日々】

少し前の週末、大好きなリゾートホテルが二食付き破格で出ていたので家族で出かけてきた。12月だというのに、ここ八重山地方の基本は30℃ほどあって、外のプールでも泳げるほどだった。たまたま休みだった夫も夜ご飯までは一緒にいられて、「とっとと泳ぐなんて、ひょっとしたら半年ぶりくらい??」なんて言いながら、家族みんなで大いにはしゃいだ。 週が明けた月曜日。 小6長男は2時間目から登校した。最近は行く時間も帰る時間も自分で決めて、決めた通りに帰宅してくる。自己決定できていて、安定し

離島で不登校になり中学受験を考え始めるまで

小6長男、小4次男、小1の娘がいる。 2020年のコロナ休校明けから、長男と次男は週に1日ほど学校を休むようになった。そして、小6長男は、離島から、首都圏の私立中学校を受験しようとしている。これまでの経緯を書いてみたい。 小4次男がめまいで学校へ行けなくなる2022年に入り、末娘が入学して「とうとう小学生が3人になった!めでたい!!」と、感慨深い気持ちでいた。 ところが、ゴールデンウィーク明け頃から次男が起立性調節障害と思われる症状で、朝から夕方にかけてめまいで動けない

島の卒業式と子どもたちの入学進級

竹富島にやってきてから、卒業式を見たのは3回目だった。こちらの学校行事は、島民が気兼ねなく参加できるものが多い。コロナ禍で縮小傾向にあるものの、今回の卒業式は学校の保護者であれば参加できるものだった。 大きな学校だと、卒業式に参加する在校生は5年生のみだったと記憶している。こちらは小中学校合わせておよそ30名の小規模校なので、在校生は全員参加するし、私のように卒業生がいない保護者でも参加ができる。 涙涙の卒業式今年は中学生4名、小学生2名が卒業した。人口350名の島には、

夜の竹富島で聞こえる音

やっぱり夜の竹富島っていいなあ。 昼間の抜けるような青空、楽園のような海の青さももちろん素晴らしいですが、沈んでいく夕陽、沈んでから少しずつ夜空に広がっていく星空、月明かりに照らされる白砂の道、静かな集落に響く、生き物の声………。今日はコウモリが飛ぶ姿を見かけました。 娘の入学式にともない、2年以上ぶりに、夫の母(ばあば)に会えました。入学式にお呼びする発想がなかったのですが、周りのお友達からそんな話をチラホラと聞いて「来てもらう選択肢があるんだ」と思い立ち、入学式のめち

「カフェに行こうよ」と3人の子どもたちに言うと【島の夏休み】

夏休み中のとある日、お昼前のこと。私たちが暮らす島には、1軒、ピザとパスタをいただけるカフェがあります。 普段は民宿をしていて、不定休でたまに開いています。ピザやパスタをいただけるのは島内ではここのみ。「今日お店あけますー」とお知らせをもらうと足を運びたくなるのです。 「カフェ行こうよ。パスタ食べたいな」と3人の子どもたちへ声をかけると、「やったーいくいく!」と盛り上がる次男と末っ子。一方、「家でラーメンが食べたい」と言い張る長男。 パスタvsラーメンの戦いが始まってし

やっぱりアイドルっていいね。「ラブライブ!」にハマった5歳の娘と新旧アイドル動画を見た

子どもがいる暮らしは、飽きない。子育てって、大変な面ばかりフューチャーされがちだけど、一緒に趣味を共有できるようになると楽しい。5歳の娘は、プ○キュアやお姫様、とにかくキラキラした可愛いものが大好きだ。 テレビで流れていた「ラブライブ!」を偶然見かけて以来、彼女の大好きなものランキング1位に躍り出た。 皆さんのお子さんは、好きなもの、ありますか? 我が家は3人子どもがいて、長男は鉄道、次男は恐竜や生き物に夢中で、博物館へ行ったり図鑑を見たりしたものだ。ずっとごっこ遊びが

神奈川から離島へ引っ越してきた頃の寂しさ

家族5人で神奈川から竹富島へ移住してきて、今年で3年目になります。私の地元は東京の町田市。夫は生まれは京都、育ちは東京。そんな私たち家族の島での出会いや学びを、講談社が運営する子育てメディア「コクリコ」さんで書いています。 第4回目は島での日常生活で、不便さや寂しさについて綴りました。 「そうだ、私は今竹富島に住んでいるんだ……」と散歩で外に出るたびに新鮮さを感じていました。それまでの暮らしと180度異なる景色は、もちろん魅力的。しかし、時間が経つにつれ、一般的なお店がほ

島暮らしの夏休みは台風から

台風直撃ではじまった、沖縄の夏休み。 「沖縄」 竹富島へ来てから2年たったのに、未だに沖縄というワードに驚く。京都で暮らしてたときも感じていた。割とどこにいても、「ここは一時的な居場所だ」という感覚がつきまとうのは転勤族だからだろうか。かといって一箇所にずっと居るのも落ち着かないのだけど。 台風は、驚くほどノロノロペースで、暴風域に入る予報がどんどん後ろにずれ込んだ。おかげで、竹富島から石垣島へ渡るフェリーは、4日間、全便欠航になった。家からほとんど1歩も外に出す、家族

雨の竹富島はカエルの楽園

「雨がすごくて帰れないので迎えに来てくれない?」 すっかり暗くなった20時過ぎ。仕事終わりの夫からLINEが届いた。6月後半に入り、私達の暮らす竹富島はもうすぐ梅雨が明ける。しかしこの日はゴーゴーと唸りながら、地面を叩きつける大量の雨の音が1日続いていた。 「とっと(お父さん)のお迎え行ってくるよ」 子どもたちに声をかけると 「行きたい!行く行くー!!」と3人の子どもたちはなぜか全員行きたがり、雨の中、コンパクトな軽自動車にギューギュー乗り込み、出発した。夜のドライブ

アスパラを持って走る娘

雨が地面をたたきつける音が聞こえる。 竹富島に台風が近づいていたので、1日雨が降ったり止んだりしていた。3人の子どもたちとだらりと過ごしていた。 午後、雨が弱くなった頃、5歳の末っ子は何を思ったか庭でひとりで泥遊びをしていたらしい。息子たちが言うには、泥を窓になすりつけていたらしい。「らしい」と言うのは、もうわざわざ確認するのも億劫で、もう好きにしてくれと投げやりな気持ちがあったからだ。 私は、スキあらばスマホを見てしまうし、寝てしまうし、掃除や洗濯、家事はほぼ全て好き

5歳娘が喧嘩の仲裁をしたら蟲柱になった話

娘をママチャリに乗せて爆走していました。保育所のお友達が何人か遊んでいる場に出くわします。 よくある保育園帰りの働く親の風景です。 ちょっと違うのは、私たち家族が、東京から1400km離れたところにある沖縄県の竹富島で暮らしているということ。人口350人ほどの小さな島は、全体が国立公園に含まれています。国の「重要伝統的建造物群保全地区」に指定されているので、伝統的な琉球建築の家屋が並び、赤瓦屋根の上にはひとつひとつ表情の違うシーサーが。そんな集落の中で生活をしています。