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2022年上半期に聴いてた旧譜50選

上半期によく聴いた旧譜50選の記録。こうやってアルバム並べるだけで楽しいと思うのはもはや病気の類だと思うけど、音楽好きならこの気持ちは共感できるはず。

<Japanese Rock / Pops>

山下 達郎 / For You (1982)

Air Records / Japan

シティポップの超重要盤である本アルバムだけど、なんと!今年に入るまで!聴いてませんでした!(すみません)
超良いですね。そりゃ名盤扱いされるわけだ。M2 "Music Book"はオノマトペ大臣のEPでまんま使われていたので、よく知ってるやつでした。

山下 達郎 / Ride On Time (1980)

Air Records / Japan

これも未聴だった(そもそもSPACYとMELODIESしか聴いてなかったし)。全てはサブスクにないのが悪い。流石にRIDE ON TIMEは知ってるわけだけど、For Youに負けず劣らず良い・・・。

村田 和人 / ひとかけらの夏 (1983)

Moon Records / Japan

Piper経由で知ったんだけど(Piperの感想)、最高 of 最高。山下達郎のバックコーラスとして見出された村田和人のセカンドで、一曲を除くと全編山下達郎プロデュースということもあって、流石のポップセンスとクオリティを感じる。M1 "一本の音楽"からしてサマーブリーズな名曲。M4 "So Long, Mrs"やM5 "Catching the Sun"も最高。まさにアーバンリゾートな傑作である。

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ブレッド&バター / Late Late Summer (1979)

Alfa / Japan

ブレッド&バターもシティポップ界隈では重要グループだと思うけど、より有名?な1974年のバーベキューよりはこちらの方が好き。常に哀愁漂ってるのが良い。アルバムタイトルとおり、夏の終わりくらいに聴いたらもっとハマりそう。

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鈴木 茂 / Caution ! (1978)

Panam / Japan

これもブレッド&バターと並んでよく聴いてた一枚。バンドワゴンははっぴいえんどの延長的なロック名盤であって個人的にシティポップではないんだけど、これは完全にシティポップだ。M1 "レイニー・ステイション"からして完璧なセンスの名曲。

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NIAGARA TRIANGLE / NIAGARA TRIANGLE, Vol. 2 (1982)

Niagara Records / Japan

大滝詠一、佐野元春、杉真理の御三方によるアルバムが40周年記念でリイシュー。それに伴いサブスクも解禁。佐野元春と杉真理はロックンロール要素が強く、まさに初期ビートルズオマージュのような曲もちらほら。ただ、そこに大瀧詠一のセンスが乗っかってくることで、唯一無二みたいなポップソング集になってるのが最高。

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EPO / Vitamin Epo (1983)

Dear Heart / Japan

めちゃポップ。頭にこびりつくグッドメロディのオンパレード。"う・ふ・ふ・ふ"、"PAYDAY"あたりとか最高。

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大貫妙子 / MIGNONNE (1978)

RCA / Japan

大貫妙子はどちらかというと「Romantique」あたりのヨーロピアンな作品の方が好きで、「Sunshower」とかこれとかはそこまでだったんだけど、ふと聴き返したらかなり良かった。"4:00 AM"が海外で特に人気を誇るのもわかる。

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羅針盤 / らご (1997)

WEA Japan / Japan

Boredomsの山本晴一によるバンド・羅針盤のアルバムがサブスク解禁。聴いたことなかったけど、好みにドンピシャ。聴いた3枚の中では「らご」よりも他のアルバムの方が好きだけど、これには名曲M1 "永遠のうた"が眩い輝きを放っている。

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羅針盤 / ソングライン (2000)

WEA Japan / Japan

今のところ羅針盤で一番のお気に入りはコレ。M1 "がれきの空"の素晴らしいギターサウンド。退廃的な雰囲気と程よいポップさの組み合わせは琴線に触れるのよ。M8 "ソングライン"のジャムセッション的な展開も大好物。

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<Hip Hop>

漢 a.k.a. GAMI / 導 〜みちしるべ〜 (2005)

Libra records / Japan

日本語ヒップホップのクラシック。新宿ストリートのリアルとやらは自分には縁がないのでわからないが、Nasの名盤オマージュのジャケ、バチクソかっこいいトラック、脱力とドスの効いた部分のメリハリが最高なラップと、3拍子揃っている。MCバトルのビートでもよく使われるというM12 "紫煙"がとにかくヤバい。イントロにDonald Byrdの曲を使用。

NORIKIYO / Exit (2007)

KSR / Japan

神奈川・相模原のベテランラッパーNORIKIYOの記念すべきファーストアルバム。SEEDA周りのレジェンド的な人という認識はあったけど、ちゃんとアルバムは聴いたことがなかった。2 Facesが特に好き。

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¥ellow Bucks / Jungle (2020)

To The Top Gang / Japan

どうも人気らしいと名前は知ってたけど、POP YOURSのライブ配信でかなり気になる存在感を放っていたので聴いてみたらハマりました。あとJP THE WAVYも。¥Bは『ラップスタア誕生!』(観たことはない)シーズン3のチャンピオン。

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ピーナッツくん / Tele倶楽部 (2021)

ピーナッツくん / Japan

VTuber/ゆるキャラ/ラッパーとして活躍するピーナッツくんなるもののセカンドアルバム。VTuber界隈はさっぱりわからないけど、どうも「おしゃれになりたいピーナッツくん」というショートアニメのキャラらしい。内容はといえば‥これが結構聴きごたえがある。トラップを基調としたダークなトラックはかなりかっこいいし、鼻にかかるピーナッツくんのラップ、ゲストを多数招いたフックもキャッチーで良い。ニューアルバムも6月にリリースされ今勢いに乗っている。ペパーミントラブまじぶっとんだ!

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Blu & Exile / Below the Heavens (2007)

Sound In Color / US

PitchforkのSunday Reviewで取り上げられていたのをきっかけに聴いたんだけどこれが素晴らしきアングラブーンバップで最高だった。もうめっちゃ好き。この記事で挙げたヒップホップアルバムで一番好きかもしれない。

感想あり

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Nate Dogg / Music and Me (2001)

Elektra / US

G-Funk/ウェッサイの重要人物、Nate Doggのソロ。C.O.S.A.が新譜で「もうNate Doggもいない」とラップしてて、「客演王としてよく出てくるけど、そういえばアルバム聞いたことないな」と手に取りました。ヒップホップというよりソウル/R&B。そもそもG-Funkは車文化が基本の西海岸で最適化された音楽なので、当然のようにこのアルバムもドライブ時に映えます。

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Denzel Curry / Imperial (2015)

C9 (2) / US

今年の新譜も素晴らしかったけど、旧譜も超良かったDenzel Curry。たぶん上半期で一番聴いたアーティストはDenzel Curryだったと思う。そんなCurryのイケイケドンドンな2nd。

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Mobb Deep / Hell On Earth (1996)

Loud Records / US

Mobb Deepがひたすら聴きたい時期があって「Hell On Earth」と「The Infamous」をよくリピートしていた。ハードなビートとライミングには悶絶するしかない。ただただカッコいい。

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Organized Konfusion / Stress: The Extinction Agenda (1994)

Hollywood BASIC / US

Pharoahe MonchとPrince Poによる圧倒的にドープなサウスヒップホップ名盤。やばすぎ。

感想あり

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Pete Rock & InI / Center of Attention (2003)

Soul Brother Records / US 

Pete Rockの素晴らしきクラシックビートが堪能できるお蔵入りされていたガチ名盤。

感想あり

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Joey Bada$$ / 1999 (2012)

Pro Era / US

完全に勘違いしていたアーティストJoey Bada$$。勝手にトラップとかマンブル系を想像していたけど、全然違った。このアルバムは当時17歳の時に仲間と作り上げたアルバムみたいで超ハイパークオリティのブーンバップ。ついに新作も出たね。

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<Rock / Pops>

The Kinks / Face to Face (1966)

Pye Records / UK

初期キンクスと、レイ・デイビスが覚醒した黄金期キンクスを繋ぐアルバムであり、良作である。

感想あり

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Jefferson Airplane / Volunteers (1969)

RCA Victor / US

Jeffdrson Airplaneは超有名な「Surrealistic Pillow」が悪くはないんだけどハマりきらず‥だったんだけど、これは結構良かった。何が違うかは自分でもうまく説明できないんだけど、とりあえず60sサイケを代表するバンドだとやっとわかった気がする。

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United States of America / United States of America (1968)

Columbia / US

USAというバンド名、アルバムタイトルがなんともすごい。まあJapanとかもいるわけだが・・・。中身は相当にサイケデリックでぶっ飛んでるが、ポップさもあるので、最初からすんなりと入っていけた。この時代のサイケはどこかでしっかり掘りたいなと思っている。

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Linda Perhacs / Parallelograms (1970)

Kapp Records / US

素晴らしいアヴァン/サイケ・フォークアルバム。リリース当時は特に話題になることもなく忘れ去られていたが、2000年台以降に再発見されたようだ。ギターのアルペジオやボーカルの多重録音が気怠さと神秘的な雰囲気を作り出し、1970年リリースとは思えないほど、今聴いてしっくりくる内容だ。

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Roy Ayers Ubiquity / He's Coming (1972)

Polydor / US

超有名盤だけど、良さにやっと気づいたのは今年になってから。やっとこの辺のレアグルーヴ周りの聴き方がわかってきた気がする。間違いなく、ジャズファンクの傑作。必聴。

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Betty Davis / Betty Davis (1973)

Just Sunshine Records / US

キレッキレのファンクロック!演奏のかっこよさもさることながら、彼女のヴォーカリゼーションが半端なく、カリスマ性を感じる。そんな彼女も今年の頭に亡くなっている。自分は逝去してからちゃんと知る人が多過ぎる・・・。

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Sparks / Kimono My House (1974)

Island Records / US

AppleのCMに起用されたり、映画が公開されたりと再ブームがきているSparks。実は聴いたことがなかったんだけど、クセのあるボーカルとキャッチーでヘンテコなサウンドが中毒性あるね。インパクトのあるジャケットといい、正反対の表現を見せる兄弟バンドという点も惹かれる。こっちはグラムロックだけど、エレクトロなNo 1 in Heavenも良かった。

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Todd Rundgren / Something/ Anything? (1975)

Bearsville / UK

ずっと気にはなってたけど、2枚組だしなんとなく聴きそびれていた名盤。確かに名盤の香りがプンプンする内容で、最高のポップセンスと、引き締まりつつもどこか宅録感のある感じのバランス感覚が最高。特にDisc 1は繰り返し聴いちゃう。

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Marvin Gaye / I Want You (1976)

Tamla / US

元々好きだったが、ケンドリックの"The Heart Part 5"経由で聴いたら、なんかさらに解像度が一段階上がった感・・・。ということでケンドリックの新譜とともに5月、6月のローテーションの一員に。というか、もうこの音しか愛せない状態に。Leon Wareが本当にいい仕事している。

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Jorge Ben / Africa Brasil (1976)

Philips / Brazil

ブラジルが誇るジョルジ・ベンジョールの傑作。テーレテレテーレテーレテレテーレテーレテレテーレテーテーレテレテーレテーレテレテーレテーレテレテーレテー。

感想あり

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Dennis Bovell / Strictly Dub Wize (1978)

Tempus Records / UK

UKが誇るレゲエ/ダブマスターの名盤。なんか低音を浴びたいな〜という時によく聴いてた。これからの季節にさらに良くなっていくだろう。

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The Durutti Column / The Return of The Durutti Column (1980)

Factory / UK

完全にThe Durutti Columnに目覚めました。昔はこのあまりにミニマルな音作りに物足りなさを覚えたものだったけど、久しぶりに聴いたら自分の中でカッチリとハマった。このどこまでも儚く美しいギターの調にはうっとりするしかできない。

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Azar Lawrence / Shadow Dancing (1985)

Riza Records / US

Light In The Atticによる過去のリイシューはハズレがない。ジャズ畑のサックス奏者のアルバムだけど、ファンク、ソウル、ディスコ、ブギー全開のアルバムで最高‥!

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Sonic Youth / Dirty (1992)

DGC / US

これまでソニックユースのディスコグラフィの中ではかなり低評価だったこのアルバム、なんとなく聴き返してみたら物足りなさの原因の一つだったポップな側面が、今の自分にはとても心地よく聴こえた。入門盤に良いと思う。

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Emmylou Harris / Wrecking Ball (1995)

Elektra / US

80年代にU2やディラン、ピーガブの諸作をプロデュースしているダニエル・ラノワを招いたカントリーシンガーの90年代名盤。この空間的な音処理はまさにラノワワークスで素晴らしい。

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Belle and Sebastian / Tigermilk (1996)

Electric Honey / UK

新作もリリースされたベルセバのデビュー作。瑞々しさがピカイチ。彼らのディスコグラフィーの中だと一二を争うと思う。

感想あり

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Rolling Blackouts Coastal Fever / Sideways to New Italy (2020)

Sub Pop / US

新譜から過去作を振り返ったら昔よりも良く感じるケースというのは、自分の中で旧譜を再評価する上での定番ムーブとなっているが、Rolling Blackouts C.F.の本作もその流れ。新譜が良かったので改めて聴き直したら、どこかノスタルジックで疾走感のあるトリプルギターの絡みがたまらなくて、やられました。

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<Ambient / Electronic>

Jon Hassell / Earthquake Island (1978)

Tomato / US

歴史的にも重要なトランペッター兼コンポーザーであるJon Hassellの躍動感あふれたセカンドは、エフェクトかかったトランペットと民族音楽、そしてシンセサイザーにより醸し出されるアンビエント感と、エネルギッシュでありながらもなんとも不思議な音をしている。名盤として紹介される1stよりも肉体的なこっちが今の気分。

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Suzanne Kraft / Talk from Home (2015)

Melody As Truth / Netherlands

昨年リリースのドリームポップ的アルバムが素晴らしかったSuzanne Kraftによるチルなニューエイジ的作品。Johnny NashのMelody As Truthからのリリースで、美しいシンセのループと優しいギター、それに控え目なリズムが合わさる様はDuruttie Columnの名前を出したくなるくらい淡く切ない。

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Fluxion / Vibrant Forms (1999)

Chain Reaction / Germany

Chain Reactionリリースの素晴らしきダブテクノ。他のChain Reaction関連作と比較しても、冷たさの中に温もりがあるように感じる。ズブズブにハマれます。

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Glenn Underground / Atmosfear (1996)

Peacefrog Records / UK

宇多田ヒカルの新譜が素晴らしかったわけですが、マルセイユ通りとかはまさにMoodymannとか、このGlenn Undergroundあたりに影響されているよう。キックの質感とかまさになんだよな〜。ディープハウス最高。

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Mkwaju Ensemble / Ki-Motion (1981)

Better Days / Japan

高田みどり参加のMkwaju Enssembleによるジャパニーズニューエイジパーカッションの名盤。

感想あり

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The Humble Bee / A Miscellany for the Quiet Hours (2009)

Cotton Goods / UK

UK発掘もので昨年リイシュー。やべえです。温かみと多少の気軽さを併せ持つテープコラージュアンビエントの良盤。

感想あり

songwhio

LOG / LOG ET3RNAL (2020)

Experienced Ltd. / Germany

UllaとPerilaによるユニットがLOGでSpecial Guest DJ aka uonが主催するExperiences Ltd.からリリースのアンビエント。ミニマルダブ×ASMR的なアンビエントが極上です。

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Duval Timothy / Help (2020)

Carrying Colour / UK

リリース当時はピンとこなかったけど、ケンドリックのアルバムを経て改めて聴いたら超良かった。ピアノメインの楽曲って個人的にそんなに惹かれないんだけど、Duval Timothyはエレクトロニクスも駆使して相当モダンな音楽に仕上げている。

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Overmono / fabric presents Overmono (Mixed) (2021)

Fabric Records / UK

UKダンスシーンの最前線にいるであろうOvermonoのfabricからのミックスアルバム。今年のEPもかっこいいし、今とてもアルバムを待ち望んでいるアーティストの一つ。

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<Jazz>

Charles Mingus / Blues & Roots (1960)

Atlantic / US

超かっこいい。エネルギーがほとばしる。バリトンサックス強すぎ。

感想あり

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Yussef Kamaal / Black Focus (2016)

Brownswood Recordings / UK

UKジャズとクラブミュージックの邂逅。スペーシーでコズミック。AOR的なアダルティな側面もあったり。ボイラールームで一夜限りのセッションをしたら意気投合しちゃったらしい。イイね。

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Sam Gendel / Inga 2016 (2021)

Rings / Japan

Sam Gendelがかつて組んでいたIngaというトリオの過去音源や未発表曲からSam自身の選曲により日本企画盤としてリイシュー。Sam Gendelもサックスだけでなくギターだったりボーカルだったりとジャズというより、アンサンブルで聴かせるセッションバンド的な内容なんだけど、やっぱりユーモアというか唯一無二感がある音楽だ。

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こうして振り返ってみると、今の嗜好とはまただいぶ異なることがわかる(最近はもっぱらアンビエントとエレクトロニック系ばかり)。
下半期は上半期ほど音楽に浸る時間は少なそうだけど、引き続きボチボチ聴いていきたい所存。年末恒例年間ベストも一応やりたいしね。

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