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漫画は私の親友だった。でも今は?

小学校の頃、友達が少なくて家から100mの図書館によく通っていた。本が好きで、歴史や言葉の知識が少し同学年よりあったこともあり、それが誇らしいくて威張っていた。今思い出しても全く可愛くない小学生だった。

小2の夏休み、図書館に大きな本棚1つ台分の漫画が蔵書された。図書館は本を読む場所だと思っていたから、難しい言葉が並んでなくて、絵ばっかり書いてある漫画が、真面目な空間に入ってきてワクワクした。悪戯の共犯者になった気分。

それから、これまで以上にもっと図書館に通うようになった。漫画ってすげえ面白い!このたまらない感覚を知ったきっかけはドラゴンボールだった。

シェンロン・ポイポイカプセル・カメハメ破・太陽拳、今の漫画に繋がるアイデアが詰め込まれたドラゴンボールにどんどんハマっていった。こんなに面白いものがこの世界にあるなんて。鳥山明すげえ!

でも高校生、大学生、社会人と年齢を重ねるにつれて、漫画が面白くなくなってきた。なんとなく没頭できない。時間を忘れられない。

大人向けの漫画や現代を舞台にした物語などはまだ面白いと感じるが、『花とゆめ』やファンタジー・ラブコメとか...。あれ、全然面白くない。面白くないというより、荒が目に入るの方があっているかもしれない。

この設定おかしくない?国と国の衝突なのにそんなにすぐ解決する?仲良くなって、主人公が良いこと言うだけで戦争がおさまるかな?

昔であれば、すっと入ってきた展開・設定も今では自分の中で「荒」として認識されるようになったみたいだ。つまんない大人になったもんだ。そんな設定なんて、矛盾なんてどうでも良いじゃないか。

どうやら大人になると「世界観」よりも「設定の綿密さ」「矛盾のなさ」の方が気になるみたいだ。

もっと純粋にまっすぐに漫画を楽しみたいのになぁ。

あのドラゴンボールを読んだ時の感情と体験が、こんなにも取り戻せないものだと思わなかった。仲が良かった友達と、環境が変わっていくにつれ会話の中でズレが埋まらない感覚に少し似ている。

いつ、どこでまたあの体験ができるんだろう。

ずっと待ち焦がれている。

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