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職人気質の正体とおもちゃ箱

12月1日(土)19:00-22:30に、下北沢にある『BOOKSHOP TRAVELLER』にて【本屋の未来を語らない】というイベントを開催します。
本や本屋に関わる2人のトークライブ、パフォーマンスや展示など、普段とは一味違う知的で不思議な本屋さんが表れます。
この連載ではトークライブに出る木村と、パフォーマンスで出演する國立、日菜子の3人がインタビューのような、雑談のような、お互いの人柄を知っていく様子をまとめました。
初回:感情を溜めておくために、パッと線を引くみたいに言葉を置くんです。
2回:私の才能が「それはつまらないよ」って語りかけてくる
3回:陶芸家、華道家、画家、彫刻家、わたし
前回:音読を聞いただけで、教科書1冊暗唱できたんです

國立:私もこだわりあるけど、結局「見てる人にとってわかりやすいのって何だろう」としか考えてないかも。日本舞踊だけだと観てる人に伝わらないじゃないですか。理解するために必要な前提知識が共有されてなさすぎて。

木村:そうね。

國立:でも今度は言葉にしても、私の言葉は象徴的すぎてそれだけでは相手に伝わらない。だからそれぞれはシンプルなんだけど、要素をかけ算することで全体としてわかりやすくなるように表現を作ってる。増える方がわかりやすいというか。

木村:うんうんうん、わかるわかるわかる。減らしてるけど増やしてる、みたいな感覚ってあるよね。減らしていくんだけど、複雑にしていくというか。

國立:あぁーーー。

木村:おれこれ中華と和食でよく例えるんだけど。基本的にアジアの人たちって『複雑な方が良い』って考えてると思っててさ。その中でも中国人は『複雑でたくさんの方が良い』って考えてて、日本人は『複雑で少ない方がいい』って考えてると思ってて。

日菜子:あああぁー、なるほど。

木村:複雑よりもシンプルが良い人たちって、例えばアメリカとかそうでさ。勧善懲悪、正義と悪ははっきり分かれてる。でもアジアにくると陰陽図あるでしょ。陰極まって陽となり、陽極まって陰となるみたいな。正義と悪の2つなんだけど、そこに複雑性があるっていうか。

國立:うーんなるほど。

木村:他だと例えばプランAとプランBがあって、アメリカだったら「おれはAがいい、理由は3つだ、これこれこれ。」みたいな。でもおれたちは「AもいいしBもいいなぁ。でもできればAとBのいいとこ取りしたCがいいなぁ」みたいなさ。笑

國立:それめっちゃわかる!!!

日菜子:めっちゃおもしろい。笑

木村:それで和食と中華の話に戻すと、どっちもアジアで複雑な方がいいんだけど、中国は多い方が良いって考えてて、日本は少ない方が良いって考えてる。

國立:うんうん。

木村:例えば「たくさんの種類の料理が食べたい」って欲求に対して、中華料理だと解決策は大人数でグルってテーブル囲って食事するになる。たくさんの料理を大人数で食べて複雑性を取るっていうかさ。

日菜子:うんうん。

木村:でも日本だと、いっぱいのもの食べたいと思っても多くはしたくない、少ない方がいい。できれば一人前は一人前に収まってて欲しいって思ってて、それでできたのがきっと幕の内弁当でさ。

日菜子:あぁー!笑

木村:たくさんのものを食べたいけど、きちんと一人前の弁当箱に収まってて。でも単に小さい料理がたくさんあるんじゃなくて『どのおかずの横に何を置くか』とか、『とはいえこれは1つの弁当箱で1つの料理だから』って言って、弁当の中でバランスを取るとかさ。

國立:なるほど確かに。

木村:この少ない方がいいけど複雑性は高めたいっていう考え方が、職人気質の正体だと思っててさおれは。もちろん「何人だから全員がそうだ」とは思わないけど。國立さんの作品は、そういう日本の職人気質的なところが特に色濃く出てるんじゃないかなって。

日菜子:そう考えると、私の作品って本当になんかごちゃっとしてるよね。なんでも入れて、みたいな。私の心は中国人かもしれない。笑

國立:ああぁ~。ごちゃっとしてるというか、自分の好きなもの全部集めたいって感じだよね。コレクターみたいな。

日菜子:おもちゃ箱みたいなものかも。好きなもの全部入れたいっていうか。

1日予定を間違えた悲しみを表現した舞い。
ベリーダンスの高い技術と哀愁が組み合わされた前衛的な作品。

國立:私はどちらかというと、和食の方が好きというか。ひとつひとつ楽しみたいし、その間にある繋がりとか動きに美しさがあるというか。

日菜子:私はでもねぇ~、そっちもかっこいいなぁって思うんだよねぇ。

木村:それはほら、やっぱり隣の芝生は青いよ。無い物ねだりは起きるっていうかさ。笑

日菜子:ひやぁ~~。笑


【「私」でいるための、闘争と逃走
につづきます


お知らせ
12月1日(土)19:00-22:30に、下北沢にある『BOOKSHOP LOVER』にて【本屋の未来を語らない】というイベントを開催します。

詳細はこちらのイベントページへ

イベント名【本屋の未来を語らない】

▶概要
どんな未来になるか語っても、予測することはできません。どんな未来を作りたいか考えて、そのために行動する。
本屋さんの未来は自分たちで作ることができます。トークライブやパフォーマンスや展示など、普段とは違った本屋さんを作るイベントです。

▶日時
12月1日(土)19:00-22:30

▶タイムテーブル
19:00open
19:30start
19:30-20:00 第1部トークセッション
20:00-20:10 休憩/交流
20:10-20:50 第2部 パフォーマンス
20:50-21:05 休憩/交流
21:05-21:45 第3部 パフォーマンス
21:45-22:00 休憩/交流
22:00-22:15 第4部 パフォーマンス
22:30-23:00 交流
22:30 close

※途中参加・途中退出可能です。
※タイムテーブルは当日変更になる可能性があります。

▶内容
1.トークセッション
BOOKSHOP LOVER 和氣さん×korekore木村さん

2.パフォーマンス
イベントページ内で随時告知していきます。

3.展示
イベントページ内で随時告知していきます。

▶参加費
一律3,000円(1ドリンク付き)
パフォーマンス参加、展示参加、一般参加全て一律料金になります。

▶会場
BOOKSHOP TRAVELLER

▶住所
東京都世田谷区北沢2-26-7アパートメントストア1F

▶参加募集
(1)パフォーマンス出演
1組あたり最大10分になります。
参加費は参加人数×3,000円が必要になります。機材はスピーカーのみご利用頂けます。

(2)展示
絵画、写真、イラストなどジャンル、テーマを問わず募集しています。
出展スペースは90cm×90cm目安、点数はスペースに収まれば何点でも大丈夫です。
販売可能、販売手数料なしになります。
展示に必要な機材(釘、金槌など)は各自持参でお願いしています。
細い釘、虫ピン、押しピンは使用可能です。(太い釘は使用できません。)

▶ポスターデザイン
大鐘ハル(HRQ RECORDS)
https://twitter.com/haru9pic

▶主催
劃桜堂(かくおうどう)

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