【詩】場所を空ける
今、場所を空ける
言いたいことがあったはずだ
伝えたいことがあったはずだ
わかってもらいことがあったはずだ
わたしがここにいたから
君は不自由になってしまった
わたしの声が出なくなったのは
わたしのペンが止まったのは
わたしが君を見張っていたからだ
わたしは君を知りたかった
わたしは君を見つけたかった
君がなにを語っても
頷く覚悟を持っていた
さあ、聞かせて
さあ、出ておいで
そうやって君を萎縮させてしまった
わたし“が”知りたいと思っていた
わたし“が”見つけたいと思っていた
そうじゃなかった
わたしは場所を空けるだけでよかった
君が自由に歌えるように
君が君を生きていけるように
わかったよ
わたしはあなた
だったんだ
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