見出し画像

140字では語りつくせぬ映画愛『ハリー・ポッターと同級生の私服』

ハリー・ポッターシリーズには『ハリー・ポッターと同級生の私服』などという作品は存在しない。

普段制服姿でしか見ることのない同級生の私服に若干ドキドキする、中高生に特有の現象についての話だが、皆さん経験あるだろうか。
入学して初めて大勢で遊びに行った際、あるいは修学旅行の宿で―。1.5倍増しでかわいく、かっこよく見える。「へぇ、アイツ私服あんな感じなんだ。」制服を脱いで久しいので記憶は曖昧だが、想像はつくでしょう。

沖津も経験がある。小学生の時だ。
同級生みんな私服だったはずの小学校時代、一足先に我々を「普段見慣れない私服」で魅了した人物。その人こそ後の英国魔法大臣にして英雄ハリー・ポッターの盟友、ハーマイオニー・グレンジャー女史である。

ハリーの代の同級生は入学当初から「秘密の部屋事件」解決後くらいまで皆さん常にローブで過ごしておられた。ハーマイオニーさんもご多分に漏れずローブである。また、後年魔法大臣まで登り詰めるほど優秀であったハーマイオニーさんに特有の事項として「成績の優秀さを鼻にかけていた」時期であることも重要である。端的に言うと「ウザイやつ」であった。
後に夫なるロンとの初の邂逅時からその勘に障る態度はフルスロットルである。ホグワーツ急行内、ハリーとロンが使っていたコンパートメントに突如として乗り込んできたハーマイオニーさんはロンには目もくれず有名人であるハリーのメガネを直して恩着せがましいしたり顔で去っていった。ハリーもロンも、もちろん視聴者も思った。「なんだアイツ……」

授業ともなると更なる委員長力で周りにマウントを取っていく。フリットウィック先生の授業の様子がいい例だ。浮遊呪文で苦戦するロンに対し、「アナタのはレビオサー」などと先生を差し置いて講釈を垂れたかと思うと完璧な発音で呪文を成功させ、またしてもあのしたり顔である。ロンや視聴者はもちろん、爆弾魔フィネガンくんも思った。「なんだコイツ……」

そんな初学年を過ごしたハーマイオニーさんの当初の印象はというと「何様だコイツは」という一言に尽きるのだけれど、ついにその時が訪れる。
第3作『アズカバンの囚人』が公開されたのである。この時期になると件のいかにも優等生な態度は影を潜め、ドラコを殴ったり時空を操作したりとロックな行動が目立ってきて成長を感じさせる。
服装についてだが、まず第一段階としてローブを着用しない場面が増えてくる。ブラウスにネクタイ、ベスト、スカート、タイツと普通のJK然とした格好で授業を受けており、その時点で既に「なんか大人っぽくなったな」と感じる。
そしてついに初の私服だ。全寮制の学校である。さすがに常に制服ではいられないと気づいたのだろう。今作で披露したのはピンクのパーカーにデニムという飾り気のないものではあったが、そのラフさが逆に普段着っぽくてよかった。
初々しいローブ姿に妙ちくりんなソバージュだった女の子が異様に垢抜けて見えた。年頃のティーンエイジャーになっていた。「あれ、、、アイツあんなに可愛かったっけ……」


初めて「普段制服姿しか見ていない異性の私服にドキっとした」瞬間であった。

では最後に「想像ホグワーツあるある」を一つ披露して締めたいと思います。

ハッフルパフの生徒、一番楽しいのは「行きのホグワーツ急行の中」

ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?