見出し画像

ティームによる下位ランキング支援への否定的コメント、 イネス・イブーによる反論・論争について個人的に思ったこと

新型ウイルスの影響はテニスにおいても非常に大きく、特に世界を転戦してツアーを戦う仕組みになっているテニスというスポーツにも大きなダメージを与えました。

そんな中、BIG3中心(ジョコビッチ・ナダル・フェデラー)からの発案で始まった下位選手支援プロジェクトについて、ドミニク・ティームの発言が様々な波紋・議論を呼びました。それについて個人的に感じたことを語っていきたいと思います。


①ティームの考えも理解できる

個人的にはティームの考えも理解できると思います。

特にテニス選手よりも早急に支援が必要な貧しい人々や適切な人や機関(おそらく医療機関を指していると思われる)への支援を優先すべきという主張は共感できますし、ある程度の批判を覚悟の上での発言の意図があったのかなと思います。

また八百長が蔓延・恒常化しているテニスというスポーツにおいて、下位ランキング選手の中には八百長に手を染めきって生活・生計を立てているような選手もいるというのも事実です。

画像1

(母国オーストリアでジュニア支援活動も行っているというティーム。決して彼は弱者を切り捨てるような選手ではない。)


②イネス・イブーの主張 本当に格差が最初からあってよいのか?という疑問・問題を提起した

これに対して真っ向から反論したのがアルジェリア人の女子テニスプレイヤーのイネス・イブー。

彼女はインスタグラムを使って9分以上の動画を投稿。自分が置かれている境遇・環境について説明し、アルジェリアでテニス競技をプレーすることの難しさ生まれもってできる格差などについてティームへの意見に反論しました。

特に私が強く胸を打たれたのが彼女の「誰しも生まれる場所を選ぶことはできない。北アフリカのようなテニス環境に恵まれていない国で育った私はトッププレイヤーとして成功を収めていくのは難しい」という主張でした。

日本でもテニスをやる上での環境面の問題(特に日本独自のサーフェスと言われる砂入り人工芝のオムニコートなど)もありますが、アフリカなど更にテニスプレイヤーとして活動する上でハード面で劣る国でプレーする難しさをについて私も改めて考えさせられましたし、生まれもっての格差(テニスをやる上での)はあってよいのか?という彼女の主張は大きな問題提起になったと思います。

画像2

(自身のインスタグラムにてティームへ反論したイブー。彼女による問題提起は世界中のテニスファン・選手を巻き込んだ議論へと発展していった。)


③有力選手が発現すれば自ずと各選手が反応し議論が活発・注目される

今回のティームとイブーの発言・反応については世界中のテニスファンからも様々な意見が聞かれましたが、特にトップクラスの選手の発言や反響が大きくなれば議論や話題も大きくなります。

イブーの主張に賛同したのはビーナス・ウィリアムズやニック・キリオスといった有力選手。そういった選手達が発言すればするほど議論や話題も大きくなります。一方でティームの発言・意見に賛同した選手もおり、マッテオ・ベレッティーニなども結果的にはこの問題提起の話へ加わることになってます。

イブーの問題提起がきっかけとなり様々な議論・意見が見られたことに関しては興味深かったと思います。

画像3

(ティームの意見に同調する発言を残したマッテオ・ベレッティーニ。彼もまた医療関係者などへ早急な支援をすべきだという考えを示していた。)


④テニス競技の底上げ・格差是正したいという気持ちは皆が一緒に思っている

様々な意見が飛び交った今回の議論・騒動でしたが、皆誰しもが格差は是正されるべきだという認識は持っているのは間違いないでしょうし、テニス競技自体の底上げ・人気向上についても同じです。

テニスという競技は他のスポーツと違い、どんなトップ選手でも下位のランキングで始まってフューチャーズやチャレンジャーのような下位大会で下積みを重ねて苦労を経験しています。そこから生計を立てられるようになるまでの難しさを経験しているからこそです。


まとめ・総評

どんな選手もが平等な条件・環境でプレーしたいというのは感じていることですし、今回こういった形で生まれもってからくる格差・テニスをやる上での待遇と環境面について注目されるきっかけになればなと。

早くテニスが見たい。

よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。