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Bリーグでロスターの新陳代謝がなかなか進まない理由について

2016年に2つのリーグ(厳密にはNBDLも含む)が統合されて発足したBリーグ。今シーズンはその4シーズン目というわけですが未だに各チームのロスター(特に代表クラスの選手)にはbj・NBL時代からプレーしている選手が比較的多いという現状です。

何故ロスターの固定化と、新陳代謝が進まない現状を様々な角度から分析・考察していきたいと思います。

①基本的にBリーグの選手が海外挑戦をしない為、固定された主力ががずっと居座り続ける現実

先日の記事

で述べましたが、八村塁や渡邊雄太のようなアメリカのカレッジ進学組という例外を除けば、基本的にBリーグでのプレーから海外移籍していく選手はまずいないという実情です。

比江島慎はNBL(オーストラリアリーグ)に挑戦したものの試合にすら出られず、津山尚大にいたっては個人として東京五輪出場の目標を掲げ、カナダリーグへの挑戦を目指す(クラウドファウンディングで支援を募る)も、契約にすら至らないという有様。並里成はGリーグのドラフトにエントリーするも指名されず(彼もクラウドファウンディングで支援を募った)帰国しています。

特に代表クラスのような選手ですらも、何年もレベルの極めて低い国内リーグでプレーし海外リーグへ挑戦しない為スポットがずっと埋まったまま空かないのです。

例えばサッカーだと、Jリーグで活躍した選手が様々な海外リーグへステップアップするのが定着してますよね。野球でもMLBに挑戦していく選手がいて、そこでいなくなった穴を若手選手など様々な選手が埋める…という流れができています。

ところがBリーグにはそういう流れがない・成立していない為、一度一人の選手が活躍してポジションを確保し固定されるとなかなかスポットが空かないのです。

またBリーグは新興リーグといわれることも多いですが、もう立ち上がってから4シーズン目に突入しているにも関わらず、Bリーグのプレーで育て上げられた(bj・NBL)選手が代表になかなか入ってこれない現状です。

馬場雄大という例外(台湾戦に招集出来ず)を除けば、安藤周人(その彼もワールドカップでは全くスリーが全く決まらなかった)やシェーファーアヴィ幸樹が台湾戦のロスターに選出されましたが、他の選手はbj・NBLでからの選手がまだ残っているという異常性が際立たってます。

(世界レベルとの戦いで全く使い物にならない竹内譲次が未だに国内で主力を張る現状は異常)

②若手の突き上げといっても特別指定が活躍するのは当たり前

今シーズンのBリーグでは帰国組のテーブス海や、様々な特別指定選手が活躍しているというポジティブな話題として扱われますが、一番若いとされる河村勇輝ですら18歳という年齢で、他の選手達は20歳前後です。

何度も言うようですがこの年齢になると世界の選手だともう選手としてある程度出来上がった状態になっているわけです。いわば日本の特別指定選手達の年齢で活躍するのは当たり前なんです。

ところがこれらの特別指定選手は極めてレベルの低い大学バスケのリーグ戦を優先する為、シーズン途中からのスポット参戦がほとんど。

何度も言いますがセカンドキャリアを重視し、大学をしっかり卒業してからプロデビュー…という意識が未だに変わらない現状が続く中で、世界各国のバスケではどんどんとニュースターが誕生していきレベルが底上げされていく。ワールドカップでも再三言われましたが、日本バスケが成長しても海外バスケがそれ以上成長している為追いつけないのです。

(大阪に現れた新生・中村浩陸だが彼の年齢レベルで活躍するのは世界では当たり前)

③選手のサラリーが上がればどんどんと海外挑戦へのトライに消極的になる可能性もある

Bリーグ、特にB1の選手になると平均年俸は1000万以上程度と言われています。またBリーグ組の代表選手となると平均4500万とも言われています。

4500万というサラリーは欧州バスケとの比較をしてもかなり高待遇でしょう。

しかしそれでBリーグのレベルが高ければいいものの、実際はBリーグのレベルは極めて低い(Bになってからむしろアジアでの成績が低下した)為、レベルの低いリーグで稼げているというぬるま湯状態になっているわけです。

またただでさえ保守的な日本人バスケ選手達なだけに、サラリーが上がれば上がるだけそのぬるま湯に残り続けたいと思う選手も多くなっていくはずです。選手も家族などがいるわけですし、もう欧州などの国外に挑戦しても通用しないと最初から諦めているわけです。

今の日本バスケに必要なのはそのジリ貧状態から抜け出すパイオニア的存在になれる選手(具体的に言うと欧州主要リーグやオーストラリアリーグ、Gリーグでレギュラークラスになれるような選手)が必要です。

(リーグのプロモーションや肩書欲しさの為に1億円プレイヤーとして誕生した富樫勇樹。このような例が続くとBリーグの選手による海外挑戦がさらに消極的になる可能性も)

まとめ・総評

ブレイクザボーダー(限界を突き破れ)を掲げて発足したBリーグですが、既に4シーズン目に突入しながらもロスターの新陳代謝や若手のニュースターという選手は依然として少ない現実です。

また大河チェアマンはNBAに次ぐ世界ナンバー2のリーグを目指すと公言しましたが、実際はBリーグ組の選手だとジョージ・ワシントン大学にも勝てなかったレベル(今のBリーグ組の代表選手達でもNCAA強豪校には絶対に勝てない)です。欧州バスケ業界の関係者が聞けば鼻で笑うレベルでしょう。

大言壮語で自分を大きく見せるのはやめ、現実を認識した上で何が必要なのかを改めて整理することが必要です。個人的には欧州バスケやNBL、Gリーグ(アルゼンチンやブラジルの国内トップリーグでも良い)でレギュラークラスとして活躍するような選手がどんどん出てきてほしいです、もっともっと海外バスケへ挑戦していく日本人が見たいです。

今の日本バスケに一番必要なのは、Bリーグから海外挑戦し活躍するというパイオニア的存在が。

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