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プロがオススメする本当に旨いコーヒー屋 〜ダフニ珈琲豆(東京都港区田町)

*深煎り好きにオススメ。
*昔ながらのネルドリップスタイル(喫茶可)。
 迷ったら、ブレンド「ダフニ」を試すべし。
*女性店主が引き出した豆の個性は、どこか優しい。
*取り寄せて自宅で淹れるのも良し。

▼Daphne(ダフニ)HP
https://www.daphne-coffee.jp/

ムムッ、こんな処に珈琲屋!?


旨い飯屋は、店構えでピンとくる。
長年のサラリーマン生活で培われた経験値だ。
「この店、きっと、旨いはず。」
まず、勘が外れたことはない。

田園都市線「高津駅」そばの「ごはん屋さん」(残念ながら現在は閉店)。
知る人ぞ知る、安くて旨い洋食屋。
ランチ750円也。サクサクの揚げたてのフライが最高。
おじちゃんも、おばちゃんもとっても素敵な笑顔で仕事をしている。
見ているこっちが気持ちいい。

横浜中華街の「海員閣」。
うま煮そば900円也。牛バラ飯が有名だが、私はこっちを好んで頼んだ。料理が出来上がると、厨房の奥からおじさんの独特の抑揚のある声が聞こえてくる。思わず舌なめずりをしてしまう。

しかし、東京港区田町にある「ダフニ珈琲店」は、もし、人から教えられていなければ、きっと素通りしてしまっていたと思う。

「ダフニ珈琲店」〜同店HPより

オーナーは小柄なおばさん


オーナーは、女性店主の櫻井美佐子さん。1942年大阪出身。
昔、コーヒーの神様と呼ばれていた襟立博保氏の弟子であり、伝説のコーヒー店・吉祥寺「もか」標交紀氏(故人)の兄弟弟子にあたる。

私は、福岡で「美美珈琲」森光宗男氏(故人)の店に通っていたことがきっかけでコーヒーが好きになった。森光氏は若い時分、吉祥寺「もか」で働いており、櫻井さんとは親交が深かった。

櫻井さんが女学生時代を福岡で過ごしたこともあったせいだろうか。
私は、大変可愛がって頂いたと思う。お店にお邪魔する(業界関係者)と、必ずコーヒーと一緒に四方山話を聞かせて下さった。

コーヒー四方山話(よもやまばなし)


さて、その話しといえば、具体的な話しというよりは、どちらかと言えば、ざっくりとした味わいについての話が多かった。

「上味は、口の中に含むとふわっと広がり、シュッと消えて行くもの。」

「いいコーヒーを作りたければ、贅沢をしなさい。美味しいものを食べて、一流の芸術に触れること。本物を知ることが大切。」

「和食の職人は、セリなど癖のある食材を上手に仕上げて料理にする。」

「フルーツも食べ頃になる前から、腐る直前まで味は変化し続けるでしょ。それを知っておくことも大切。」

櫻井さんの話を聞いていると、どうやらいい所のお嬢様として育ったふしがある。
「私、お米より、固いパンが好きだったから、いつも耳のところばかりかじっていたわ。」
多分、櫻井さんの年代で子供の頃、西洋風の固いパンを日常的に食べることが出来たのは、きっとごく一部の限られた人達であったろう。

コーヒーの神様を驚かせた舌


また、昔、フランス料理店に勤めていらっしゃった経験もあるようで(?)、襟立先生(コーヒーの神様)はその時に知り合われたようだった(?)。

大阪難波にあった襟立氏の店「なんち」は表向きは卸売をしないことになっていた。しかし、櫻井さんは言った。
「先生、あそこのお店、先生のところのコーヒーを使っているでしょう?」
「いいや。何でそう思ったんや?」
「だって、先生のところで飲んだコーヒーと同じ味がしたんですもの。」
櫻井嬢は平然と答えた。

「・・・こいつ、舌だけは確かなもんを持ってるようだ。」
そうして、晴れて櫻井さんは襟立氏の弟子となった。
生来の育ちの良さと食いしん坊が成した技であった。

櫻井さんの凄さ

とにかく食いしん坊で、たくさん美味しいものを食べてきたのだろう。
味覚が発達している。
そして、いい意味で感覚の人だ。直感力が凄まじい。
人からの受け売りはせず、自分の感性で感じ取り、物事と対峙する人。
そんな櫻井さんが焙煎加工するコーヒーは、どこかいつも優しい・・・。




















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