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ジェイラボワークショップ第55回『物理学部初回オリエンテーション』【物理学部】[20230515-0521]#JLWS

今年度初回WSは、各部員の昨年度の活動の振り返りと今年度の活動の意気込みを書いていただきました。以下ログ。

DAY1

■Naokimen

皆さんこんにちは。物理学部部長のNaokimenです。今回のWSでは、初回オリエンテーションということで、物理学部で行っている活動の紹介をした後、各部員に今年度の意気込みを語ってもらおうと思います。一週間よろしくお願いします。

物理学部では主に「ゼミ」と「ワークショップ準備」の2つの活動を行っています。本日は「ゼミ」についての活動紹介を行い、明日は昨年度のワークショップの振り返りと今年度の方針について述べたいと思います。

物理学部では、昨年度から田崎晴明『熱力学―現代的な視点から』という本を用いて熱力学のゼミを行っています。毎回、発表者と範囲を決めてその範囲について発表してもらい、聴衆は発表を聞いてわからなかったところを質問して皆で議論する、という形式です。部員の学年や専門分野は様々なので、できるだけ前提知識のいらない熱力学の本を選びました。

専門書には行間があり、他の本などを参照するなどしてその行間を埋めながら読んでいかないといけないので、1人で読むのは大変です。そこで、ゼミを行い、皆で1冊の本を読みます。発表者は聴衆からの質問に答えられるように入念に準備するので理解がより深まると共に、他の人に分かりやすく伝える練習にもなります。また、ゼミでは他の人がする質問が、自分では見落としていたことだったり、本質をついたものだったりするということが良くあるので、1人で勉強するよりもゼミで複数人で勉強するほうがより理解を深めることができます。

物理学部の部員は学年や専門分野が様々なので、持っている知識に差があるのは事実です。しかし、物理の議論においては学年や専門分野は関係なく皆対等です。物理学部では対等な立場で楽しく物理をする、という方針でゼミを行っています。今は『熱力学―現代的な視点から』の終盤の方を読んでおり、まずはこの本を最後まで読むということを目標にゼミを進めていこうと思います。

DAY2

■Naokimen

昨年度は4回ワークショップを行いました。順に振り返りたいと思います。

1回目は初回オリエンテーションで、物理という学問についての質問やWSの方針についてのアンケートに答えてもらいました。また、物理の各分野についての紹介を行いました。

2回目は熱力学のゼミで学んだ内容をもとに、エントロピーについて理解することをゴールとして熱力学の内容を紹介しました。できるだけ数式を使わずに文章で説明したものと数式を用いて詳しく説明したものに分けて熱力学の内容を紹介したのですが、全体的に量が多かったようで、最後まで追っていただいた方が少なかったような印象でした。今後、専門的な内容を扱う場合には、専門外の人でも分かるようにかみ砕くことはもちろん、それぞれが消化できる量についても注意して準備をしたいと思っています。

3回目は特殊相対論を扱いました。特殊相対論での考え方を伝えることを重視して、数式を交えながら解説しました。前半の方はアンケートに答えていただける方がそれなりにいらっしゃり、議論についてきて下さった方が多かったようですが、後半の方は、前半の内容が前提だったのもあり、議論についてきている方が少なかったようです。こちらについても量が少し多かったのかもしれません。特殊相対論のコンテンツ作りは未来部の方で行っていますが、まだあまり進んでいないので、空いている時間に少しずつ進めていければと思っています。

4回目はカルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』を題材としてワークショップを行いました。普段、一般書を複数人で時間をかけて読むということをしないので、とても新鮮で、専門書を読むゼミにはない面白さがありました。このワークショップ回では、内容が身近で少し哲学的なこともあり、皆さんから多くの反応をいただき、皆さんに楽しんでいただけたかと思っています。このワークショップではいくつか質問したのですが、初めの「時間とは何か」という質問では内容に入る前から本質のついた考えを示していただいたり、中間で聞いた「時間に対する考え方に変化はありましたか?」という質問に対して、「変化があった」と答えた人がいなかったりしたのはとても面白く、ジェイラボらしいと思いました。

今年度のワークショップでは昨年度の熱力学、特殊相対論のような専門的な物理の内容を扱うというよりは、『時間は存在しない』のようなより身近で一般の人にも分かりやすいような内容を中心に扱えたら良いと思っています。

明日からは順に、今年度の意気込みを述べてもらいたいと思います。

DAY3

■Yujin

おはようございます、Yujinです。
意気込み等を語ります。

J LABに入って約2年が経ちました。初めは「みんなで楽しく物理のお勉強ができて嬉しい」という気持ちだけでした。もちろん今もそれは変わりませんが、物理学だけでなく、また物理学部員とだけでなく、多種多様な人々(偏り強め)と同じ目的を持って様々な活動をすることの意義がわかってきたような、きてないような、気がします。

物理学部に入部してからも、大体2年くらい経ちました。大学院生のくせにまだまだ物理学ビギナーですが、楽しく勉強させてもらっています。輪読でその分野に対する全員共通の理解を進める活動や、WSで部外の人に物理学を伝える活動など、1人ではできない活動を4人皆でやる、このことがとても有意義だなあと感じます。今年度は、特にWSの内容や進行に工夫を加えられたらなと思います。内容は基本的に専門性が高く難解ですが、それを如何に真っ直ぐ伝えられるか、納得してもらえるか。その辺をじっくり考えたりしながら、これからも頑張ります。

さてここからは個人的な話です。いきなりですが、僕は6月から大阪大学を休学し、九州大学への進学を目指します。というのも、自分の将来を考えた時に、やっぱり僕は原子核理論よりも音響工学を学んで、それを活かした仕事がしたいと思ったからです。周囲の人々(学外)からは「せっかく学歴が上がったのにもったいない」とか「頑張って最後までやり切ることに意味があるんだよ」とか言われますが、「ほなお前阪大で原子核理論学んでこいや」で一蹴してます。指導教員は「好きなことを学んでこい」と強く背を押してくれました。親にはとても迷惑をかける決断ではありますが、自分なりに考えて選んだ道ですので、温かい目で見て頂けるとありがたいです(時には厳しい目もありがたいです)。

DAY4

■Yuta

こんにちは、Yutaです。意気込みを語ります。

ジェイラボに関してですが、今年度は昨年度よりも見通しを持って活動できるのではないかと思います。2年浪人をしている間はジェイラボの活動からは一旦退いていましたので、昨年度復帰したときはラボ内の活動も活発になっており、何をやっているか正直よく分かっていませんでした。部長のNaokiさん含め物理学部の部員の方々にはお世話になりました。一年活動を継続してきて大体の流れが分かったので、今年は部内の輪読も新しい本に移れそうですし、WSも僕が担当する回がありそうなので、人にどう伝えるかを意識して頑張りたいと思います。

ジェイラボ外の活動となると、僕は大学で物理科学研究会、数学研究会というサークルに所属しているのですが、そこでひたすらやっているゼミを頑張りたいというのがあります。2回春は正課も忙しいのですが、興味が広いのでゼミを沢山入れてしまいました。位相空間論、ホモロジー代数、多様体論、リー代数などのゼミに参加する予定です。物理で使うのに要求される数学は年々増えているので、理論物理をやりたいなら自分でいくらか勉強する必要があります(あると思っています)。数学科の人たちと交流できるのがサークルに入って活動することの強みです。数学科の人と仲良くなりすぎて数学系に進学するのもいいかなと心のどこかで思っています。
また、低回生研究室体験制度という学科の制度を使って、卒研生でもないのにこの春から研究室にお邪魔しています。卒研生の場の量子論ゼミに参加させてもらったり、院生室に机をもらったりしているので、ゼミの内容を理解できるようにしたり、院生の方々との交流をしたりしたいと思っています。研究室の先輩は皆いい人で、この間歓迎会に行かせてもらったので、話しかけやすくなりました。今は物理や数学の勉強や、それを通した人との交流がものすごく楽しいです。

ジェイラボも大学生活も愛着があるものなので、大切にしたいです。今年度もよろしくお願いします。

DAY5

■チクシュルーブ隕石

こんばんは、チクシュルーブ隕石です。意気込みを語りたいと思います。
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今年度はゼミへの取り組み方を確立することを当分の目標にしたいと思います。特に発表者側の場合の取り組み方について、自分なりに再考する時期が近づいてきた感覚があります。一年生の時には右も左も分からず手探りでゼミ準備をしていましたが、今年度は情報の構造化・階層化までしっかり視野に入れながらより踏み込んだ発表にしたいと思います。最終的には、本を見ずとも自然な論理展開としてゼミができるというところまで出来るよう精進します。

 ここで、自分自身の大学での勉強の話を少ししてみようと思います。今学期から始まる講義の中で1番楽しみな物理系の講義は「電磁気学」です。「マクスウェル方程式」の存在は、物理をやっていない人でも耳にしたことのあるぐらい有名な方程式だと思うので、僕もなんとなくは知っていました。しかし、電磁気学全体としての流れをほとんど把握出来ていない状況です。そんな電磁気学の世界を知れると思うとワクワクしております。同時に電磁気学を学ぶことで、より高度な物理学への橋渡しになる事も楽しみの一つです。田崎さんの熱力学が終わった後のゼミもとても楽しみにしているので、来るべき時に備えて電磁気学をしっかり勉強しようと思っています。
今年度も一年間よろしくお願いします!

DAY6

■Naokimen

初日のゼミの紹介でも少し触れましたが、僕は今年度、部長として、「対等な立場で楽しく物理を学べる」場をつくるということを意識して活動を行いたいと思っています。例えば、ゼミ中に「これは初歩的な質問ではないか」と躊躇せずにどんな質問でもしやすいような雰囲気作り(自分では初歩的な質問だと思っていても、実は他の人が分かっていなかったり、本質を突いた質問だったりすることが多々あります)、ゼミに限らず部の活動内で意見を出しやすい雰囲気作りに努めたいと思います。

僕は学部で習う専門的な内容は一通り学びましたが、今やっている熱力学のゼミでは、自分があまり勉強したことがないような内容もたくさんあり、楽しく学べています。もちろん既に知っている内容でも教科書によって書き方が違うことがたくさんあり、とても勉強になっています。また、一般書の輪読は今年度もいくつか行う予定であり楽しみにしています。それなりに時間をかけて読むことになると思うのでできるだけ深く読みたいですね。

個人的な話ですが、僕は今年から大学院生になりました。まだ始まったばかりで慣れないことばかりですが、できるだけ早く院生の生活に慣れて研究に励みたいと思っています。今年度から始まるワークショップでの座談会なので自分の研究についての話などができたら良いのではないかと考えています。今年度もよろしくお願いします。

DAY7

■Naokimen

今回のワークショップは以上になります。物理学部の活動に興味があればいつでも声をおかけください。ゼミの見学はいつでも受けつけています。今年度の物理学部もよろしくお願いします。


以上


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