おかんのパンティーが盗まれた話

思い出すだけで、ぞっとします。

あれは俺が大学生の頃、ベランダに干されている妹(高校生)のパンティーが立て続けに盗まれる事件が起きた。

社宅の2階だったが、犯人はおそらくベランダをよじ登って盗みに来ている。

気持ち悪い。年頃の妹にとっても気持ち悪い話だ。

俺とおとんはことの重大さを受け止め、警察を呼ぶことを決意した。

しかし、そこでストップがかかった。

おかんだ。

そもそも、犯人はホントに外部の者なのか?
お前らじゃないのか?

このババァ…………
俺もおとんも、これ程までにこのババァをどついてやろうと思ったことは後にも先にもなかった。

おかんからストップがかかり、
とりあえず様子をみて経過を追うことになった。

その間にも妹のパンティーは次から次に盗まれていった。

おとんがベランダにヒモを結びつけ、犯人が来たら躓いて転けるというシステムを構築したものの、あまりにもショボ過ぎて効果は皆無だった。

ある日、妹が下着を買ってきたものの、パンツのサイズがでかすぎて、ぶかぶかということで、おかんにあげていた。

汚いヨレヨレのパンツばかり履いていたおかんは、そのパンティーを喜んで受け取った。

次の日、おかんはそのパンティーを履いて妹と町まで買い物に行った。

「このパンティー履き心地良くて、いいわぁー、それにかわいいわぁ」とクソどうでもいい情報を俺とおとんに流してきた。俺とおとんは眉間にシワを寄せながら、そのクソどうでもいい話を聞いていた。

その後、おかんはご機嫌よくパンティーを洗濯機で洗い、ふんふんふーんとか鼻歌を歌いながら干していた。

しかし、次の日、事件は起こった。

おかんのパンティーも盗まれたのだ。

「いやだっ、私のパンティーも盗まれたわ!犯人は私と◯◯(妹の名前)のパンティーを狙ってる!警察に電話しなきゃ!」

いや、おかん、たぶんそれ違うぞ。妹のパンツと思って盗んでるよ。と伝えるも聞く耳もたず。

速攻でおかんは110に電話。
「大変ですっ!!私と娘の下着が狙われています!ここ最近立て続けに盗まれてるんです!!」

いや、毎回おかんのヨレヨレのパンツは残ってたぞ。たぶん犯人は妹のパンツしか狙ってないぞ。

しばらくして警察がきた。

母が必死に事情を説明している。
「私のパンティーが!」
「娘と私のパンティーが!」

犯人、なんかごめん………
そのパンツのうちのひとつ、ババァのです。

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