検査したあとの拷問の話

ふと、青い夜空を見上げると、
そこには満天の星たちがあった。
きらめく星は美しく、
白い肌、綺麗なスタイル、澄んだ瞳の君が
俺の脳裏をよぎった……

あれは精液検査を受けるときのこと。
俺と嫁は不妊治療の真っ只中だ。
今も頑張り中である。

現在、不妊の原因の半数は男側にあると言われている。俺自身もお玉ちゃんを手術している。

しかし、手術の皆むなしく、1年後に再発した。

よって、再度精液検査をする必要が生じた。

決められた日数の禁欲後、俺は渡されたケースに射精し、病院にもっていくことになった。

正直、俺は何度も検査を受けているから慣れっこだ。けど、何度経験しても、毎回あのケースに射精するとなると、なぜか萎えてしまい抜けないのだ。

心的なストレスだろう。

不妊治療は、実際に経験すると、思っている10倍くらいきつい。心理的にも時間的にも、金銭的にもつらい。

精液検査は決まった時間に、病院へ持っていかないといけない。
病院に行くまでにかかる時間、自分が抜くのに要するであろう時間を逆算して、抜くという高度な技術が必要だ。賢者タイムはもちろんなしだ。

その日は、ホントに抜けなかった。
時間が刻一刻と進む。
俺は焦りを隠せなかった。

クララ!クララ!

何度も語りかけた。

反応しない………

無理だ。これじゃ間に合わない。

俺はあせった……

もう日本人では抜けない………

エロ動画は素人兼日本人が好きな俺だが、この日だけはどうしても無理だった。

俺は最終手段をとることにした。

禁断の動画

ロシア人美女

これしかない。

もうこれしか残されていない。

俺はダッシュで検索をした。

洗練されたボディ、透き通るような白い肌、人間離れした美しさ、ブロンズ、そんな方がするフェ………

そして、俺はなんとか抜くことができたのだ。

そのままダッシュで病院へと向かった。

受診も終わり、

家で仕事に行っている嫁の帰りを待っていた。

「ただいま~!!!」

相変わらず声がでかい。帰ってきたようだ。

「検査お疲れ様!!!」

とても俺は疲れていた。
抜いた疲労と心的なストレスだ。

「ねぇねぇ!何で抜いたの!?私!?」

俺は「いや、うん、まあ、うん…」

と答えた。というか、こいつなんちゅーデリカシーのない女だ!?と思った。

「その反応、私じゃないな!」

もう勘弁してくれと思った。

しかし、まだ続く。

「何で抜いた!?」

ええやん別になんでも!なんでコイツそんなこと聞いてくるん!?

俺は疲れきっていた……


「答えるまで聞くよ?」

こいつ、拷問か!?でもこうなった嫁は絶対に引かない。俺が折れるしかないのだ。

「笑うなよ」

「笑わない!」

「誰にも言うなよ」

「言わない!」

「笑うなよ」

「笑わない!」

「ロシア人美女」

「ぎゃははははははは!!!!」

こいつ、もう絶対教えてやらん。

終わり

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