ボイパしたらキレられた話
テレビでハモネプがあっていた。
若者たちが歌を、ぷしゅぷしゅ、ちゅぱちゅぱ、しゅーしゅー、ふぃーとか言ったりしながら歌っている。
俺は思った。
俺ももうすぐ父になる。
でも俺は歌のテストは毎回歌わなかったし、カラオケも嫌いだ。というか、ぶっちゃけ音楽が実はあまり好きではない。
しかし!!
今後は子守唄を歌う必要がある。
俺にできるか?
いや、やるしかない。
でも歌いたくない、どうすれば……
!?
ボイパがある!!!!!
俺は決意した。
はもねぷを見ながら決意した。
ボイパならできる!!
すぐにぽっちゃりしている嫁を呼んだ。
「俺の話を聞いてくれ!!俺は歌うことが嫌いだ!それは昔から言っていたよな!?でもな、ベイビーのために俺も歌いたいんだ!でも歌はやっぱり歌いたくない!だからボイパをする!!!」
嫁は頭の上に「?????」が浮かんでいたものの、
「そっか!あかちゃんのためね!頑張れ!!」
と言ってくれた。
さっそく練習だ。
俺は嫁に
「ちょいと歌ってくれ!俺がボイパしながらハモるから!!」
と伝えた。
嫁はたぶんあまり分かっていなかったが、了承してくれた。
そして「犬のおまわりさん」を歌ってくれることとなった。
俺は集中した。
できる、俺ならできる。
たぶんボイパできる。
なんかできる気がする。
そう感じた。
嫁が「じゃあ、歌うよー!!」と言った。
そしてついに始まった。
以下( )が俺のボイパ。
迷子の🎵(ちゅぱ!!)迷子の🎵(ちゅぱ!!)子猫ちゃん~🎵🎵(くちゅぱ!!くちゅぐちゅぱ!!)あなたのおうちは🎵🎵(ちゅぱしゅばばばば!!)どこですかー🎵🎵🎵(ぐちゅぱ!!!ぐちゅぐちゅぱ!!)おうち~を聞いても🎵(くちゅぱ!)分からない🎵(くちゅぱ!)名前~を聞いても🎵(ちゅばばば)分からない(ぶちゅぱ!!)
あぁぁーーもーー汚いっ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️(ぐちゅ………。)
久しぶりに怒られた。
そしてボイパ禁止令がでてしまった。
俺は今後どうやって、ベイビーに子守唄を歌ってあげればいいのだろうか………。
ボイパを奪われた俺に、いったい何ができるのだろうか……。
青い夜空の星たちは今日もキラキラと煌めいている。
まるで、俺の心の陰りを照らしてくれるかのように……。
それはまるで、星たちの織り成すハーモニー………。
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