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解題【ほぼ百字小説】

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【ほぼ百字小説】の解題です。
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解題【ほぼ百字小説】1~10

はじめに  ツイッターで【ほぼ百字小説】なるものを初めて、もうずいぶんになります。ようするに百字の小説です。「ほぼ」としたのは、句読点とかの数え方で数が変わるからで、自分としては百枡ぴったりに収まるように書いてます。そのことにとくに意味はないんですが、まあパズルみたいでおもしろいからそうしています。そういうちまちました作業は好きだし、文章を一字単位でチェックすることにもなるし。  最初はまあ週にひとつくらい書いて、そのうち溜まって短編くらいの長さになったらどっかに発表し

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解題【ほぼ百字小説】11~20

ということで、続きです。  この先も続けていきたいと思ってますので、おつきあいよろしくお願いします。  この【ほぼ百字小説】、ツイッター上で始めるときに、「週にひとつかふたつツイートしていきます」、みたいなことを書いててまあ自分でもそのつもりだったんですが、実際にやり始めると一日ひとつかふたつツイートするようになります。こういうものが書きたくて、自分の中にこういうものが書きたい欲求が溜まってたんだろうと思います。  で、この「解題」は、私なりのそういう「百字小説の書き方

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解題【ほぼ百字小説】21~30

ということで、続きです。  まあせっかくなので、いちおう全部の【ほぼ百字小説】に朗読動画をつけてます。ぜんぶ揃えるのはけっこう時間がかかるので、朗読は随時更新、にしてます。 朗読のこと  前から小劇場で芝居をやったりしていて、朗読とかもけっこう前からやってます。朗読というとちょっと堅苦しいイメージがあるのですが、そういうものではない、一種の話芸としての朗読、みたいなことをやりたくて、田中啓文氏といっしょに暗闇朗読隊というの朗読ユニットでライブをやってたりします。【ほぼ百字

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解題【ほぼ百字小説】31~40

まだまだやります。  といってもまだ30番代ですね。このころは、まだ短編一本分にもならないなあ、短編一本ぐらいの分量になればいいんだがなあ、とか思いながら書いてたと思います。単純計算して4編で400字詰め原稿用紙一枚、雑誌に載ってる短編は短くて30枚くらいからですから120篇、余白をとるとしても100篇か、まだまだだなあ、でもそれはちょっと無理かもなあ、とか。それがなぜ今まで続いてるのか。たぶん、このあたりから日記化というか、これを書くことが日常化していったんだと思いま

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解題【ほぼ百字小説】41~50

続きです。 これで50です。まだまだ続けるつもりです。よろしくおつきあいをお願いします。なんとなく始めた【ほぼ百字小説】、このあたりまで書けて、もしかしたらこれは自分に合ってるはないか、とか思い出した頃です。でもまだ、原稿用紙に換算して、10枚ちょっとくらいか、とかそんな感じでもありました。4つで1枚ですからね。 【ほぼ百字小説】(41) たとえば、長靴ね。水を通さないってことは、水を入れる器としても使えるでしょ。ものは同じ、矢印の向きだけ変わる。つまりこれからは、あんたた

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解題【ほぼ百文字小説】51~60

 というわけで、まだまだやります。よろしくおつきあいをお願いします。 【ほぼ百字小説】(51) 予言どおり、空港に巨大な蝶が舞い降りてきた。その美しい羽は何本もの滑走路を覆い尽くす大きさだ。いや、蛾だろ蛾。えっ、蝶でしょ。羽を広げたままだから、蛾だよ。じゃ、「美しい」は「毒々しい」に差し替えで。 これはもうそのまんま、あの怪獣ですね。子供の頃、この映画をテレビで観て、空港に降りてくるシーンにものすごい幸福感を覚えました。ほんとに夢のようだったなあ。たぶん今見たら印象がだいぶ

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