『玉と石の神話70』
「…少々、敵の方が早いようだな」
気配を感じたのか、離宮の入口の方向を見つめていた琥珀が呟いた。同じ方を見たトパーズの、オレンジを帯びた黄玉が光る。
「…では、ゆくか」
琥珀が手を差し出した。一瞬、息を飲んだトパーズが、視線を琥珀の手と顔に交互に移動させる。
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