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不知夜月(いざよいづき)~夜を知らぬ月
十六夜を迎え 私は未だ知らぬ
夜というものを
宵闇という衣(きぬ)を
纏うことなく宙に放り出され
この身をさらけ出す私は不知夜月
何故(なにゆえ) このような仕打ちを受けるのか
何故 ひと目に晒されなければならぬのか
昼の衣は慈悲深く私を隠してくれるのに 何故
雲よ 途切れまいぞ
その心以て 我が身の儚さ包みたもう
いつか 夜のぬくもり知るその日まで
*
十六夜に
いざのう月の
妖しさは
心かくした
仄かなまとい
*
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