『玉と石の神話28』
正面を大きな窓が占めた室だった。
向こう半分が弧を描く造りで、開放された窓の向こうは海──強い潮の香りにも納得がいく。
中央辺りに大きな寝台が置かれ、薄いベールの向こうに小さな影が二つ、揺らめくのが見て取れた。
「父の大切な客人たちだ」
王はベールを捲った。
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