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棋力ゼロ系観る将の、将棋の楽しみ方1

おだやかな日曜日…のハズだった。

グダグダと過ごす日曜日の昼下がり。
Twitterを更新すると推しであるリストラーズの加藤氏が、麻雀の公式戦に参戦しているとのツイート。
しかも1次予選を突破して2次予選に進むと。

『ほほう、今日は打ってる日なのね。頑張って!』

ぼんやりそう思いながら、ゲームをしたり惰眠を貪ったりと休日を満喫していた。
しかし、夕方頃から同志達が慌ただしくなる。

・・・なんかギリギリで踏ん張ってる!!

『もうポンポン振るしかない!!』

各々が心の中で、もしくはリアルで(?)、ポンポンを全力で振りつつ結果を待つ。
そして…

ベスト16に残ったのである!!

界隈は盛り上がりに盛り上がった。
もちろん私も速攻で加藤氏にお祝いのメッセージをブン投げた。
私は基本的に、勢いがないと推しにリプ出来ない小心者である。

「リストラーズ」で繋がった同志達と盛り上がりつつも、少し気になった事があった。

『麻雀は全然分からないんだけど、覚えた方がいいのかな…』

確かに最低限のルールや役くらいは覚えた方が面白い、とは思う。
しかし、人間には『向き不向き』がある。
ルールを覚える事が苦痛になってしまっては、折角の推し活も台無しである。

楽しむ方法はいくらでもある!!

でも、安心して欲しい。
ここに「辛うじて駒の動きだけは分かる」レベルで10年以上『観る将』をしている人間が存在している。

ちゃんと覚えようとした事もある。
某八冠監修のゲームソフトで一念発起してみたものの、14級くらいでブン投げた。
定石一つ覚えられない。
しかし、私は今でも『観る将』をしている。

そんな私の『まったく指せない将棋の楽しみ方』を紹介してみようと思う。


本気で戦う『姿』がかっこいい!

棋士の本業は将棋を指す事である。
実際には本の執筆やイベントなど普及活動もあるのだが、メインとなるのは『対局』である。

私の場合、盤上の事はまったく分からないので申し訳ないが盤面は放置である。
とにかく盤に向かう推しを見守り続ける。
一挙手一投足に注目する。

将棋というゲームは2人が盤に向かい合って座り、一手ずつ指していく。
動きが少なそうな地味なイメージかもしれないが、意外と激しい人も居る。

例)菅井竜也八段
今期は叡王戦・王将戦の挑戦者となった菅井八段の場合。
ちなみに現在、私の最推し棋士である。

・入室が早い
対局開始の30分前くらいに入室する事が多い。
A級順位戦最終局でも一番乗りと予想されていたが、僅差で兄弟子に抜か  れて話題になった(なったか?)
入室から追いかけたいファンは多く早起き必須である。

・脱ぐ
手数がある程度進んだタイミングでジャケットを脱ぎ、ネクタイを外す。
菅井先生の場合、ネクタイを外すのは気合を入れる為との事。
荒々しくネクタイを外す姿は、正に『戦う男』という感で私はとても好きだ。
自前のネクタイの場合は脇に放り投げられる事もあるようだが、ファンからのプレゼントはきちんと畳んでしまっている模様。
お昼休憩前にはネクタイが外されている事が多い。

・セルフビンタ
本人曰くまったく無意識との事だが、特に終盤によく見られる。
将棋の対局は棋戦によって持ち時間は様々だがA級棋士である菅井先生の場合、一番長い順位戦の持ち時間は6時間である。
この「6時間」というのは一人の持ち時間であり、2人で12時間になる。
更に持ち時間を使い切った後は1分将棋(1分以内に次の手を指す)で決着が着くまで指し続ける。
そんな過酷な長丁場の戦い終盤、自分に気合を入れる為に勢いよく頬を足を叩く。

・・・気づけば菅井先生のカッコよさを語りたいだけの内容になってきたのでこの辺にしておくが、過酷な戦いに挑む人間の姿はとにかくカッコイイのである。
推しが戦う姿を目に焼き付ける。
それだけでも、私は充分に楽しくて幸せだ。

「好きなものは好き」
でも
「無理なものは無理」

推し活において、一番やってはいけない事は無理をする事だと思っている。
無理のない範囲で楽しめたら、それで良いのではないだろうか。