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ニーチェ 「高貴な人間の自己肯定」

ニーチェの『善悪の彼岸』における「高貴とは何か」と『道徳の系譜』を読むことで、自己肯定感が高まります。ただし、ここで言う自己肯定感は、自己啓発や成功哲学、スピリチュアル本でよく語られるポジティブ思考によって得られるものとは全く異なります。この書物を通じて高まるのは、「高貴」な人間としての自己肯定感です。


自己啓発や成功哲学、スピリチュアルの道徳的で甘ったるい説教にうんざりしている方は、毒舌で塩気の効いたニーチェの著作を読むことで、爽快感を味わうだけでなく、道徳や善悪に関する考え方のパラダイムシフトも経験できるでしょう。
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すなわち、「よい」という判断は「よいこと」を示される人々の側から生じるのではないのだ!却って、「よい」のは「よい人間」自身だった

換言すれば、高貴な人々、強力な人々、高位の人々、高邁な人々が、自分たち自身および自分たちの行為を「よい」と感じ、つまり第一級のものと決めて、これをすべての低級なもの、卑賤なもの、卑俗なもの、賎民的なものに対置したのだ。

ニーチェ『道徳の系譜』木場深定訳、岩波文庫、1940年(第1刷)、1994年(第47刷)、22-23頁。


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