【感想】「うるう」シリーズに囲まれて森で暮らしたいという話

 どうも。研修、研修で疲れ気味のゆうなです。
 研修の9割がリモートで、めっちゃ眠くなります。睡魔と戦うので精一杯です。

 なので、最近はカメラに映らないように気をつけながら、トランプマジックを練習しています。

 はい、完全に小林さんに影響受けましたね。
 100%小林さんに影響されてます。

 本当はポーカーサイズがいいんでしょうけど、自分は手が小さいのでブリッジサイズで精一杯です。まあ、大勢の人に見せる予定はないので、これで十分ですけど。

 ちなみに、実家とテレビ通話しながらマジック見せたら、母に怒られました。めっちゃムカついたって言われました。やったぜ。母のムカついたは誉め言葉です。
 でも、妹には見破られました。あやつ、普段はアホなくせに、こういうときだけ鋭い……なんだ、あいつ……

 というか、真面目に研修受けろやって話ですよね。
 すみません。給料もらってるのに、申し訳ない。

 ……と、話が大きくずれました。
 今回は「うるう」関連作品について語っていきたいと思います。

 「うるう」関連作品は3作品です。

 まずは、Potsunen『THE SPOT』の「うるうびと」という作品。

 続いては、小林賢太郎演劇作品の「うるう」。

 最後に、絵本「うるうのもり」。

 並び順は、自分がそれぞれの作品に出会った順番です。
 まあ、どんな順番で見ても大丈夫なので、そこは心配なさらず。気になったものから見ていただければ大丈夫です。

 では早速、感想を語っていきたいと思います。

 レッツゴー、陰陽師。

(すみません、ニコニコ動画をよく見てるもんで、つい出てしまいました……)


【うるうびと】

 何がすごいって、これ、初っ端から驚きの連続なんです。

 明転してからすぐにトランプマジックです。どっから出てきたんじゃい、って感じのマジック。スピード感も手慣れている感じがして最高です。

 もうね、ここだけでも観てほしい。魅了されてほしい。

 あと、マジックと同時に進む語りがすごい。
 トランプと1年の日数とうるう年について話しているのですが、考えてみると確かにそうだ、ってなるんですよ。よく気付いたな、って思いますよ、ほんと。

 作中では、パントマイムも取り入れられます。やっぱり動きが美しい。昔から練習していたというお話を聞いたことがあるんですが、なんだかニヤついてしまいます。小さい頃から練習していたんだなーって、微笑ましくなっちゃって。
 気持ち悪いですね。
 でも、そのパントマイムによって、舞台上には小林賢太郎、一人しかいないのだと思わされます。ぽつねんと佇む。まさに「Potsunen」ですね。

 そして、最後のアナグラム。あれは鳥肌立ちました。すっげー、ってなりますよ。本当に言葉遊びが好きなんでしょうね。でなければ、あんな美しいアナグラムは作れないと思います。

「一文字も余らなかった」                  (Potsunen『 THE SPOT 』/Chapter8「 うるうびと 」)

 ここでぶわーっと鳥肌です。

 最後、いいですね。やっぱり終わりが良い。
 あのですね、小林さんの作品は、本当に物語の締め方が良いんですよ。熱量が高かったり、逆にちょっとしんみりしたり、ほっとしたり、切なくなったり。ちゃんと終わりって感じがする。

 舞台作品は、観客が気持ちよく拍手できるように導いてあげるのが大切なんだと思います。「これでこの演目は終わりです」と、はっきり伝えるのです。               (僕がコントや演劇のために考えていること/小林賢太郎/p94)

 まさにこれですね。
 ぜひ、終わりにも注目して観てください。

 よろしくお願いします。


【うるう】

 こちらはもうね、語らないわけにはいきませんよね。

 この作品、まずはセットから語らせてもらいたいんですが、緞帳(どんちょう)がすごい。森です。緞帳を使っている演劇をあまり見たことがなかったのですが、迫力がすごいです。あれも、小林さんのこだわりなのでしょうね。客席に着いた時から、すでに森に迷い込んでいる気分になる。
 まあ、自分は結局、観に行けなかったんですけどね……

 それはおいといて。
 この作品は小林さんの一人芝居となっています。小林さんはヨイチというキャラクターを演じています。チェロ奏者として徳澤青弦さんも出ていますが、役者としては小林賢太郎しかいません。
 登場人物はもう一人、マジルという8歳の男の子もいます。ただ、こちらは透明人間です。そこにいるという体で物語は進んでいきます。

 一人芝居。

 まあ、確かに一人芝居といえば一人芝居なんですが、最後まで観てください。「ああ、そう来るか」って思うことでしょう。もしくは、「おお、すげーな」。
 ちなみに、自分は、「やば」と言って涙拭きました。鼻水かみました。透明の鼻水が出ました。汚いですね。

 この作品の中には、他にもそれぞれ短い登場時間ですが、いくつかキャラクターが出てきます。全て小林さんが演じてらっしゃるのですが、やっぱり、一番好きなのはコヨミさんですね。女の子です。いや、本当にかわいいんですよ。今まで小林さんが演じていた女性の中でも、一番かわいいかもしれない。喋り方といい、座り方といい、本当にかわいい。友達にほしい。コヨミさん、友達になってください。

 さて。ヨイチは森の中に一人で住んでいます。

 どうして森の中に一人で住んでいるのか。
 気になりますよね?

 また、ヨイチは、マジルに友達になろうと言われても拒否をします。

 どうしてマジルと友達になろうとしないのか。
 気になりますよね?

 そこは、ぜひ観てください。
 切なさで胸がいっぱいになると思います。

 あと、思ったんですけど、小林さん、本当にヨイチさんみたいじゃないですか……?
 いや、なんか、孤独そうなところとか、なんと言ったらいいかわからないですけど、なんとなく……
https://note.com/kentarokobayashi/n/nb41743ec8173?magazine_key=m544915970387
 ほら、森に住んでるって言ってるし……
 ヨイチさんじゃん……


【うるうのもり】

 こちらは映像作品ではなく、絵本です。

 最近は大人向けの絵本なんかもあるみたいですが、こちらは、大人も読める絵本です。
 大人"も"です。子どもでも楽しめるんじゃないかなって思います。

 実は、こちらの絵本、先ほど紹介した「うるう」の初演が元になっているため、設定はかなり「うるう」に近いです。

 ただ、年齢や物語の進み方は、Blu-rayに収録されている「うるう」とは少し違います。物語は長くなり過ぎないように調節されていますし、難しい話も出てきません。だから、子どもでも楽しめるのではないでしょうか。
 まあ、ちょっと長いうえに、文章も多いので、小学生の中でも、高学年向けに分類されるかもしれませんけどね。

 小林さん、絵と文の使い方が本当に上手いんです。
 文章だけのページ、絵だけのページ、それぞれが上手く機能していて、絵の中にちょっとした擬音を文字で付け足したり、絵の代わりに楽譜を入れてみたり。遊び心満載です。楽しい。
 ちょっと思ったのは、漫画でそういうところは鍛えられたんじゃないかなってことです。昔から漫画は描いていたみたいですし、コマ割りとか、絵とセリフの配置とか、そういうことが絵本でも活かされているのかもしれません。多分、ですけど。

 そして、何と言ってもこの絵本、小林さんが描いた絵を見ることができるっていうのが最高です。特徴的なこの絵、初めはびっくりするかもしれません。「鼻兎」で慣れている人的には、こういう絵も描くんだって思うかもしれません。

 でも、安心してください。慣れます。

 余談なんですが、自分、多摩美の版画展に行ったんですよ(今、ヘッダーがその写真になってるはずです)。
 その行った理由が、「うるうのもり」の原画が2枚展示されるというからというものでした。
https://www.tamabi.ac.jp/museum/exhibition/210106.htm
 こちらですね。
 まだ引っ越してなかったんで、実家から片道3時間かけて行きました。初めはやめておこうと思ったんです。電車賃も馬鹿にならないし、遠いし。
 でも、もう小林さんには会えないし、次の作品を観られるのはいつになるか分からない。だったら、と、思い切って家を出ました。
 その判断は正解でした。最後のブースの、最後から2番目。たくさんの作品が並んでいたのですが、小林さんの作品だけ、どこかぽつんと、ぽつねんと存在している気がしました。ああ、小林さんの作品だなって、あの頃よりもたくさんの作品を観た今なら思います。
 閉館の時間が迫っていたので長くはいられなかったのですが、20分くらい、ずっとその2枚を見ていました。人がほとんどいなかったから、ずっとそこにとどまって、じっくりと見ていましたね。
 静かな空間で、小林さんが描いた絵を見て、どんな空間でその絵を描いたのか、どんなことを思って描いたのか。いろいろな想像を巡らせました。
 何だか、不思議ですよね。憧れの人の作品が、コピーでも複製でもない生の作品が、目の前に展示されている。絵本に載らない端の部分にサインが書いてあったり、マジックで黒く塗られているところのムラが見えたりして、本当に描いたんだって、本当に小林さんはいるんだって、その当時も泣きそうになったのを覚えています。

 長々と書いてきましたが、ぜひ読んでみてください。
 もし「うるう」を観ている時間なんてない、という人は、こちらから読んでみるのもおすすめです。寝る前とかに読んでみてはいかがでしょう。素敵な時間になりますよ。

 あ、そうそう。「うるう」もそうなんですが、読み終えた後、きっと、2つの曲が頭から離れなくなりますよ。
 「うるう」の世界観に浸った人は、この2曲が何をさしているか、分かりますね?


【まとめ】

 はあ……疲れた……
 でも、書くのは楽しいんですよね……
 これだから創作はやめられない……

 あの、実は、まだ引っ越してきてからそんなに経っていないんですが、すでに森に引きこもりたいんです。実家がかなり田舎なので、都会の人の多さにうんざりして、できれば実家に戻りたい。
 でも、そんなときは「うるう」の世界観に浸って、「うるうのもり」に逃げ込みます。とても静かな世界です。静かすぎて、日常を忘れられます。
 逃げることも時には大切ですからね。

 あと、説明を流し読みしてたんで、2つ目までの記事では知らなかった改行っていうのをしてみました。
 ちょっとは成長したんじゃないでしょうか?
 ぜひ、褒めてください。
 褒められると伸びるタイプです。
 褒めてください。
 褒めて。
 褒めて。
 めっちゃ褒めて。
 褒めると伸びるタイプなの。

 はい、キモい。

 というわけで、ここらへんでおしまいにしたいと思います。

 今まで書いてきた記事、そしてこれから書く記事によって、小林さんの作品を好きになっていただけたら嬉しいです。
 そうでなくても、何か1つ、面白いなって思える作品に出会ってほしいなと思っています。

 ではまた。

 次の記事でお会いできたら嬉しいです。

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