プロサッカー選手は、なぜ移籍するのか?、その1(練習環境編)

練習環境というインフラ、これが整っていても移籍で「出て行かない理由」には必ずしもなる訳ではない。ただし「出て行く理由」にはなるものなのだ。Jクラブとして地位を上げていくために、絶対に必要な基礎が「練習環境を整える」ことなのだ。その整備をしないまま長期的に右肩上がりにクラブの立ち位置を向上させていくのは不可能だろう。揃えたからと言って、必ずしも上に行ける訳ではないが、揃えなければ上には行けない。一時的に行けたとしても、すぐに戻らざるを得なくなる。それが練習環境である。

選手は、日々の練習の積み重ねと試合で成長していく。選手が、過ごす時間は、公式戦をやるスタジアムよりも練習場の方が圧倒的に多い。その練習環境がダメな場合、そこにいる選手は、一時も早くよい環境のクラブに行こうとする。また、有望な選手も、なかなか行きたがらない。J3クラブがJ1から有力な若手をレンタルしようとしても、絶対に貸しだそうとは思わない。
練習環境が悪い場合、成長が見込めないし、さらにはケガする可能性も高いからだ。結果、行き場のない選手だけが集まってくる。たまたま活躍しても、すぐに翌シーズンに出ていってしまう。

選手と同様、練習環境は、監督選びにも影響が出る。「この練習環境では選手やチームを成長させることができない」と思えば、有力な監督は来ない。さらに、将来、有望そうな監督さえも来ない。他からオファーがないような監督しか来ないのだ。行き場のない選手と行き場のない監督の編成で上にいけるはずがないだろう。

2024年現在、さすがにJ3でも、そんなクラブはあんまりないだろう。
ここで思い出すのが、2018年のカマタマーレ讃岐だ。J2残留争い中に、たまたま見た讃岐の負け試合後で、当時の北野誠監督が、サポーターの前で、「練習場がないんですよ」と言い訳してて、「今時、そんなクラブがあるのか?」と驚いたのだ。そこからWIKI調べだが、2010年に讃岐の監督になり、四国リーグからJFL、そして2014年にはJ2へと昇格させたが、昇格してからも酷い練習環境は変わらずで、さらにビックリだった。「讃岐はJ2にいる資格がないな」と思ったが、案の定、その2018年に降格。そして2024年現在、未だにJ3のままであり、2024年時点では、J3で18位で、JFL降格の危機にあるようだ。

2024年現在、練習環境も酷いままなのかと思ったが、2023年10月に、やっと専用練習拠点ができていた。

やっと、練習環境という基礎インフラが整って、一つの問題は解決したようだ。(しかし、讃岐の場合、もう一つのインフラ、スタジアムの屋根問題とアクセス問題があって、ここからすんなりクラブ地位の向上とはいかないだろう)

だいぶ脱線して讃岐の話になったが、これからJリーグを目指すクラブ、Jクラブでも、まだ整備してないクラブは、練習環境を整備しないと、クラブに明るい長期的な未来なんか、絶対に訪れないということを断言して、この稿を終わりたいと思う。























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