見出し画像

大学生向けのPC案内

昨年以降、新型コロナの影響で大学生活はオンライン授業、オンライン部会などオンライン主体となりPC(※1)の重要性は高まってきました。

そこで今回の記事では、大学生にとって必要なPCのスペックについてまとめたいと思います。なお、筆者は文系ですので、理系とは異なる点があると思いますが、ある程度は参考になると思います。

そして、この記事はシュレディンガーのHMDさんの書いた下の記事を参考、引用させていただきました。ありがとうございます!!なお、この記事はHMDさんの記事の2021アップデート版的な側面があるので構成等が似ていますが、本人の許諾を得ています。

もっと詳しく知りたい人や、見方は分かったけど具体的にどの機種がいいかわからないという人は私の書いたPCに関するnote一覧に飛べるリンクを貼るので見てください。


1. PCのスペックで特に見てほしいところ

図2

このスペック表は私が実際に使っているノートPC(HP Elite Dragonfly)のものです。PCのスペックで特に見てほしい3つのポイントが上図赤枠で囲んであるCPU,メモリ,ストレージ容量です。それぞれどのような意味を持つのか身近なもので置き換えました。(画像はすべてHMD氏作成)

画像2

画像3

画像4

なんとなくわかりましたね?つまり、CPU性能が良ければ作業がサクサク進む、メモリ(メインメモリ)の容量が大きければ同時にたくさんの作業をしたり、大きなものを広げられる、ストレージ容量が大きければ、たくさんのデータが保存できるということです。この3つの項目はPCで快適な作業をする上で重要なので覚えておいてください。

2. 必要なスペック

画像5

本題の推奨スペックですが、先ほどの3点(CPU,メモリ,ストレージ)に加え、8点の項目を入れました。上から順番に確認します。

なお、M1はどうしたという方もいるかもしれませんがもう少し読み進めてください。

①OSはWindows、Macがおすすめ

Windows、Mac論争はありますが、私はどっちでもいいと思います。ただし、HMDさんが指摘しているように社会全体で使われているOSの8割強がWindowsであることから、将来を考えるとWindowsを全く使えない状況の人がMacを使うのはおすすめできないです。

なお、教育学部でないので断言はできませんが、学校では近年GIGAスクール構想の影響でChrome OSというGoogle製のOSのシェアが高まっているので、Windowsを使っていれば教員になっても同じOSを使い続けられるというわけでもなくなってきそうです。(特に小学校)

②CPUは第8世代Corei5以上推奨

CPUはパソコンの頭脳に位置づけられるパーツです。有名なのはintel社のcoreiシリーズですが、スペックが低い順にcorei3/i5/i7/i9などのラインナップがあります。i7やi9はゲームや動画編集など向けなのでオーバースペックです。しかし、i3だと若干重いと感じることも。corei5が一番価格と性能のバランスがいいと思います。

また、世代というものも重要です。いくらi5,i7だとしても古いモデルだと現在のi3やそれ以下の性能となってしまいます。そこで、新しさ=世代が重要なのです。

現在、intelのCPUでは第11世代のcoreiシリーズが最新モデルです。しかし、すべてのPCモデルが一斉に第11世代を採用するかといえばそうでもなく、徐々に移行するのが一般的です。特にビジネス向けモデル(私の使っているElite Dragonflyもそうですが)は安定性を重視しているので初期不良の可能性がある最新モデルの採用には慎重です。
そこで、どのくらいまでは許容範囲かということで、個人的には第8世代までくらいかなと思っています。というのも現在、秋葉原では中古ノートPCとして第6世代の製品が数多く出回っています。それと同じ世代のものはさすがに新品で買うのはまずいだろうということで第8世代くらいが許容範囲かなと思っています。

intel以外にもAMD社がWindows向け(※3)のCPU、Ryzenを出しています。価格あたりのコスパはいいですが、電力消費が多く、バッテリ持ちがよくない傾向にあるので買う際は後述のバッテリ駆動時間などをよく見て買いましょう。ちなみに性能としてはcore〇(〇=3,5,…)=Ryzen〇と考えていいです。

そして、Macbookには昨年M1と呼ばれるSoC(≒CPU)(※4)を搭載した機種が登場しました。HMDさんの記事をアップデートする動機の7割~8割くらいはここにあります。そのくらいすごい変化です。でも、そのすごさや弱点も一通りPCのスペックの見方を理解しないとわからないのでとりあえず説明を続けます。

追記
intelのCPUの型番の末尾が”U”のもの(私の使っているCore i5-8265Uもそうです )は低電圧版というものでcorei7でも重いゲームはできません。
ちょっと古い世代のCPUに関する記事ですが、分かりやすいものがあったので貼っておきます。Uの付くi7よりもUの付かないi5のほうが性能が高い場合があります。

intelCPUの沼は深いです。(沼について知りたいかたはこちらから)

あと、プライベートを含めてCeleronやPentium搭載のPCは実用向けとして絶対に買わないように。A〇CIIなどのレビュー記事には「officeくらいは使える」というようなことが書いてありますが、全くもって嘘です。クラウドの同期やWindows defenderという標準のウイルス対策ソフトだけで重くなります。

③メモリは8GB以上必須

メモリ容量は、基本的にはパソコンでの同時作業の快適さや重いソフトを立ち上げたときの快適さに関わってきます。例えばワードでレポートを書きつつ、インターネットで資料を探し、作業用の音楽を流し…といったような複数のアプリケーションを立ち上げても動作が遅くならないためには8GB以上が必須です。

また、ZoomやTeams,Google Meetingなどオンライン会議ツールは比較的重いソフトなので8GBはほしいです。メモリが足らないとPCは自動的にストレージをメモリ代わりに使いだすのですが、PCが重くなる、ストレージの寿命を縮めるなどいいことがないのでメモリは8GB以上にしましょう。

④ストレージはSSDかつ256GB以上を…

スマホを買うときにチェックする「64GB」「128GB」という容量は、パソコンだとこのストレージに該当します。パソコンはスマホと比べても多くのデータを扱うことが多いので、最低でも256GB以上あると安心できます。加えて、これまで代表的なストレージだったHDD(ハードディスク。家庭用のTVレコーダーによく使われる)に代わって、最近ではSSDというストレージが増えてきました。HDDに比べて動作が早い・静音・衝撃に強いといったメリット(詳しくは以下リンク)があります。最近は低価格化が進んできているので、是非こちらをおすすめします。

PCのスペック表を見ているとSATAとかNVMeとかという言葉が出てきますが、大学の授業で使う分にはあまり気にしなくていいです。

⑤画面サイズは13.3インチクラスが断然良い

ノートパソコンの画面の大きさは、大体13インチクラスか15インチクラスに大別されます。そして私は、圧倒的に13インチクラスをおすすめします。理由は簡単で、パソコンがA4サイズになり、軽くなるので持ち運びしやすくなるからです。重いしかさばるの嫌でしょ?私も嫌です。

⑥光学ドライブ

これはパソコンでCDやDVDを取り扱うときに必要なやつ。先ほど紹介した画面の大きさ13インチクラスのパソコンは、この光学ドライブを搭載していない機種も多いです。が、正直そこまで困らないかと思います。大して授業で使いません。CDなら家のプレイヤーなんかでも済みますし。プライベートでCDを取り込みたい!DVDみたい!と言う人もUSB接続の外付けプレイヤーが5千円以下で売っているので必要な時だけ繋げることができます。PCが重くなる原因の一つなので外出先でCD、DVDを頻繁に使うという人以外いらないと思います。

⑦電池(バッテリー)はカタログ値10時間以上のものを

オンライン授業が始まり、大学も図書館などで電源を解放してくれるようになりましたが、まだ電源のない場所があるのも確か。そこで、バッテリが重要になってきます。

そのとき、カタログでバッテリー駆動時間10時間以上を公表しているものを選んだ方がいいです。パソコンバッテリーのカタログ値ほどあてにならないものは無く、色々使ってると体感としてはカタログ値の半分くらいしか持ちません。また、スマホと同様、使っているうちに劣化してきます。そこまで考えて10時間以上です。

⑧officeソフトは必須ではない…

ワードやエクセル、パワーポイントなどのofficeソフトは大学生活に必須のアプリケーションですが、こいつらは大学から支給してもらえます。なので元々パソコンにofficeが入ってなくてもなんとかなります。ちなみに、大学からOneDrive1TB分とGoogleDrive容量無制限のクラウドストレージがもらえます。

⑨Adobeソフトは欲しい人だけ

とりあえず全く使わないで大学生活を通過できるアプリケーションなので、どうしても使ってみたい!と言う人以外は要らないです。後からでも契約できます。

⑩外部端子はmore is better…

外部端子はスマホだとイヤホンジャック・充電ケーブルを挿すUSB or Lightning端子程度ですが、パソコンでは更にUSB(type-A)、HDMIや有線LAN、アナログRGBなどが加わります。(この順で必要)外部端子はたくさんあっても別に困りません。ただ、薄さや重さとトレードオフの関係なので、微妙なところです。最近Macbookを代表にUSB-Cしか搭載していないPCも登場していますが、そのようなPCの場合、HDMIやUSB(type-A)へ変換するハブ(下のリンク)が必須です。


USB周りは規格が乱立していてわかりにくいので比較的わかりやすく解説してあるサイトを紹介します。後で別のnoteを書くかも⇒書きました!


⑪重さ

電気機器としてのスペックの方に目が行きがちですが、重さも重要なスペックです。特に電車通学の人にとっては1日の疲れにも関わってきます。個人的な経験から1.5kg以下である必要があると思います。そして、できれば1.3kg以下がいいと思います。1kg前後だとあまり持ち歩くの苦にならないし、900gとかそれ以下になってくると少し重いタブレットくらいの感覚になってきます。

⑫その他

スタイラスペンはあったらあったでOneNoteへの書き込みなどで使うと思いますが、なくていいです。
グラフィックスは内蔵で十分です。
メモリは交換できるものをおすすめします。


3. M1Macって何?

去年、Appleから全く新しいPCが発売されました。それがM1 Macです。

これまでのPCと比べて圧倒的なコスパと、性能に見合わない軽さや薄さで話題になりました。

このほかにも多くのレビュー記事などを見てメリットとデメリットに関してまとめました。

メリット

・処理性能に対するコスパが高い(Airなら10万円前後で買えるのに、最上位20万円以上するintelCPU搭載機と性能で互角の勝負をしている)

・その割にMacbook13inchの軽さと薄さを維持している

・電力消費が少ない(=バッテリ持ちがいい、発熱が少ない)

・Airに関してはファンレスなので音がしない

・4K動画編集もサクサク(Youtube動画編集も余裕)

・既存のMac向けソフトの大半が動く

デメリット

・まだ、互換性の問題がある(主にDockerなどの仮想マシンソフトやDAW系など一部に限られる)

・初期不良的なものを改善しきれてはいない(映像出力の階調飛びなど)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/11/news051.html

・出力周りが弱い(外部ディスプレイは1枚まで、thunderbolt端子2つしかないなど)
(個人的には外部ディスプレイを2枚以上つないだりする人ってあまりいないし、thunderboltの時点でハブを使わないといけないので支障はそこまでないのかなという気がしています。)

・bootcamp(MacでWindowsを起動させる機能)は使えない

Dockerなど仮想マシンをすぐ使うとかBootcampでWindowsを使いたいなどという人にはまだintelMacも売っているのでそちらを選ぶことも可能です。


4.生協パソコンはオススメできるのか?

さて必要なスペックについて確認したところで、生協パソコンはオススメできるのか?という点を見ていきたいと思います。結論から言えば、生協のパソコンはスペック的にはオススメできるが価格が高いです。

画像6

画像7

画像8

どのパソコンも必要十分以上のスペックを備えていると思います。ただ、「おすすめのあんしんセット」で買うと20万前後(Windows2機種に至っては25万前後)してしまいます。どちらも20万を悠々とオーバーする値段。いくらプリンターがついて多様なサポートが揃っているとはいえ、正直高いと思います。そして、PCに関する知識は周りの先輩や友達に聞けます。

生協パソコンを購入するメリットは「難しいこと考えなくてもとりあえず使える」という点に集約されます。お金をかけられるなら楽な選択肢ですが、生協パソコンを選ぶ前に、次の「賢い消費者になるための選択肢」を見てから考えてみて下さい。

追記

今年度に関しては生協でのみSurface pro7+という法人、教育向けモデルを購入することができます。スペック的な違いとしてはCPUの世代が一つ新しいことと、バッテリーの持ちがカタログ値で1.5倍になったことが主な違いです。

市販のpro7でも十分快適に授業を受けることは可能なので、「CPUが特に強いやつがいい!」とか「バッテリー持ちが特に重要!」って人以外はpro7でいい気がします。生協のpro7+(シンプルセット)と市販のpro7(キャッシュバック適用時)で5万くらい違います。
(生協のPCは補償がかなり手厚いです。)

5.賢い消費者になるための選択肢


では、生協に乗せられてたまるか!という人向けのパソコン・周辺機器の選び方をご紹介したいと思います。こちらはある程度知識が必要なルートですが、ぜひチャレンジしてみて欲しい選択肢です。

パソコンはBTO品を…まずパソコン本体についてですが、家電量販店でも生協でもなく、BTOパソコンをオススメします。

BTOとは、「Build To Order」の頭文字をとった略称で、受注生産を意味します。ご注文を受けてから製品を生産するので市販の完成品パソコンと比べて、プロセッサーやメモリ、ハードディスクやSSD、グラフィックスなどお客様のご要望に応じたパソコンをお届けすることができます。(mouse HP)
代表的なBTOパソコンメーカーは先ほど紹介したmouseコンピューターがありますが、他にも富士通やlenovoなど多くのPCメーカーがやっています。最大の特徴は細かいスペックまで自分でカスタマイズできるところ。またメーカー直販なので、値段もスペックのわりに安くなることが多いです。

画像9

これは私の持っているHPのElite DragonflyのBTOパソコン購入フォームです。少し煩雑な気もしますが、「2.必要なスペック」で出てきた項目が多いことがわかります。生協パソコンや家電量販店のパソコンは手数料などが引かれていることはもちろん、多くの人がほどほど満足できるスペックに整えられているので、ひとりひとりにとってぴったりかと言われるとそうでないのです。

追記:BTOの注意点

いいことの多いBTOにも注意点があります。それは、納期です。海外メーカーのBTOでは海外で生産し、日本に輸入されるというケースがあります。その場合、注文から手元に届くまで10日以上かかることがあります。納期には十分に余裕を持つようにしましょう。

「即納可能」などと書いてある構成は国内の倉庫に在庫があるので数日で届きます。

自分の気になるPCがあったら、レビュー記事をいくつか見ましょう。
細かく書いてあるものが多いので参考になります。

また、多くのPCメーカーが学割を実施しているのでチェックしましょう。数万円安くなる場合が多いです。特に基本的に割引を行わないMacが割引されるのは大きいです。

コロナ禍なので難しいかもしれませんが、店頭で売っているPCの機種なら、一度店頭で触ってみることが理想的です。打鍵感やキー配列、デザインなどスペックに現れないところでも使用上の満足感につながってきたりします。

BTOの選択肢の中にウイルス対策ソフトに関する項目が出てくると思います。ウイルス対策ソフトはWindows10の場合、Windows本体にWindows defenderという純正ウイルス対策ソフトが入っているので、普通に使う分には別に入れる必要ないと私は思います。動作も軽快なのでおすすめです。多くのPCメーカーで Mc〇feeのウイルス対策ソフトが元々入っていますが、Mc〇feeのウイルス対策ソフトはゴミなので、有効期間の延長はしないようにしましょう。

入れるならノートンやウイルスバスター、カスペルスキーなどにしましょう。(入れたことないので詳しくは知りません)

個人的にenterキーの右側にキーがある機種は打ち間違いが多いのでおすすめしないです。下のリンクのようなやつです。多分enterを押す機会が多い、東アジアの入力環境に関する理解が低いのだと思います。



6.終わりに

PCスキルは大学生活はもちろん、社会人になっても重要なものであると思います。コロナ禍前は「PCの時代は終わりだ、スマホやタブレットがあればいいだろ」と思われていましたが、現在PCの必要性が再発見されています。スマホやタブレットはコンテンツを消費するには十分ですが、制作するのに十分な性能やUIを備えているかというと十分ではないです。大学生でまだ吸収力も時間もある内にコンテンツをつくる力を備えることで社会で活躍するきっかけになるのではないでしょうか?


※1 PCという言葉はPC/AT互換機のことを指し、Macは含まれないとの見解もありますが、ここではPersonal Computerの略とします。

※2 本人の許諾を得ています。

※3 本来はx64などと書くべきところですが、PCに詳しくない人にアーキテクチャの話をするのは混乱のもとであると考え、このような表記になっています。x64はMacでも採用されていますが、AMD製CPUはMacに採用されていないのでこのような表現をしています。

※4 SoCとはCPUのほかにメモリやグラフィックスなどの機能を一つのチップにまとめた物。モバイル端末での採用が多く、Androidに採用されるQualcommのSnapdragonやAppleのアップルシリコン(iPhoneに採用されるA14など)が代表的

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?